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九龍城砦を舞台に吉岡里帆と水上恒司が主演するミステリー・ラブロマンス『九⿓ジェネリックロマンス』が8月29日から公開されます。
ストーリーは、過去の記憶がない鯨井令子(吉岡里帆)と、誰にも明かせない過去を持つ⼯藤発(水上恒司)。解体されたはずの九龍城砦で暮らす二人の距離が近づくほど九龍城砦の謎が深まっていく。その真相にたどり着く時、二人が選ぶ最後の選択とは?
かつて香港に存在した「九龍城砦」を再現するため、懐かしさを感じるような古い街並みを残す真夏の台湾でロケを敢行していますが、美しく再現された九龍城砦を舞台に、⼼惹かれるミステリーと切ない恋模様が描かれています。
原作は、眉月じゅんが集英社『週刊ヤングジャンプ』連載の「九龍ジェネリックロマンス」で、2025年4月5日から6月28日までテレビ東京系列でアニメとして放送されていたのでご覧になった人も少なからずいるでしょう。
そう、この作品はアニメと映画のWメディア化という形をとっていますが、企画・配給をしたバンダイナムコフィルムワークスの同じチームがアニメと実写版を作ったことは特筆するべきことでしょう。
よく原作と実写版の乖離があって、観客が残念がる映画が散見されますが、バンダイナムコフィルムワークスは同一チームにすることで、原作、アニメ、実写、それぞれの乖離が減っている印象です。
吉岡里帆、水上恒司は、日本アカデミー賞で賞を獲る実績を残しているので、そこは安心して作品を見られるのですが、今回は、蛇沼みゆき役の竜星涼がインパクトの残る演技をしています。
香港ファンには、この映画で九龍城砦がどんな感じで描かれているのか気になると思います。大ヒット映画『トワイライト・ウォリアーズ 決戦! 九龍城砦』で描かれたようにリアルさを徹底した形ではなく、どちらかというと香港の裏路地にある茶餐庁や大排档のような風景が多く描かれています。ですが、狭い空間、繁体字を使った看板、水餃子などは香港そのものという感じです。
確かに“ガチ”の香港ファンは、言語が広東語ではない、『トワイライト・ウォリアーズ 決戦! 九龍城砦』のように九龍城砦にリアル感がない、台湾でロケされている…など一種のいちゃもんを言う人が出てくるでしょうが、映画はあくまでエンタメです。そういうフィルターを除いて純粋に映画を観た方が間違いなく楽しめますし、実際、筆者も楽しめました。
あと、1つ言えば、クレジットロール(スタッフロール)が始まると席を立つ人がいますが、最後まで映画を見続けることをおすすめします。
映画『九龍ジェネリックロマンス』
2025 年/117 分
2025年8⽉29⽇(⾦)公開
企画・配給:バンダイナムコフィルムワークス
https://kowloongr.jp/