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夏の北欧は日が長く、風が心地よく、外で過ごす時間が何よりの贅沢。
オーフス市民にとって、森と海に囲まれた「Riis Skov(リース・スコウ)」は、そんな夏を存分に味わう特別な避暑スポットです。
デンマークの夏において、天気が快晴、しかも風が弱いという予報が出たなら、町の人々の動きは一変します。
たとえ気温が20度前後でも、快晴ならば「今日は外に出なきゃ損!」という空気がただよい、
オーフスでは、午前中から続々と人が町なかや公園、港エリアに集まり始めます。
ピクニック用のブランケットを広げ、缶ビール片手にのんびり過ごす人。
朝から友人とランニングを楽しむグループや、フリスビー、バドミントンに興じる家族連れ。
芝生の上には犬を連れた人たちが集まり、ベビーカーを押した若い夫婦も散歩コースに合流していきます。
カフェやバーも、夏の時期には一変します。普段は室内にしか座席がないようなお店も、夏には一斉に屋外席を拡張し、歩道にはずらりとパラソルやウッドテーブルが並びます。
オーフス市街地のカフェは午前中から人気で、ブランチを楽しむ人が沢山見られます。
その後も午後のカフェタイムや夕方以降の時間帯、夜のバータイムまで、夏場は特にしきりに人々が訪れます。
夕方のビール1杯が、そのまま3時間に延びても不思議ではありません。
太陽が沈むのが遅いため、テラスでワインやビールを片手に会話を楽しむ人々の姿が、街中の風物詩のようになっています。
夏がやってきたと思える日は、デンマークでは特別な意味を持っていると感じます。
日本では30度超えの夏が普通でも、デンマークの夏は爽やかで過ごしやすく、日中でも20度前後と気温が高くはありません。
しかし湿度が少ないため、カラッと晴れた日は暑く感じるほどで、美しい北欧の夏を謳歌できる時間に思わず「このまま時が止まればいいのに」と願ってしまうほど心地よい季節です。
さらに特筆すべきは、「日照時間の長さ」。7月・8月は22時を過ぎても空は明るく、薄暮が夜空に溶け込むように続きます。
日が長いということは、それだけ「外で過ごせる時間」が長くなるということ。
北欧の人々にとって、これは“過ごし方”そのものを変える大きな理由となっています。
そこでオススメなのが、Riis Skov(リース・スコウ)という大きな森。
オーフス中心部から徒歩でアクセスできる広大な緑地で、木陰で本を読んだり、おしゃべりをしたりと、
まさに「何もしない時間」を楽しむ人たちで賑わう場所です。
■Riis Skov(リース・スコウ)
住所:5600 Aarhus C
電話番号:なし(公園のため)
アクセス:Aarhus H(中央駅)からバス20番「Skovvejen」下車、徒歩約5分
営業時間:常時開放
入館料:無料
URL:https://www.visitaarhus.com/turist/planlaeg-ferien/riis-skov-gdk653428
私のデンマーク人の友人や同僚たちは、夏季休暇にはよくサマーハウスに滞在している印象があります。
国外で夏季を過ごす人たちも多くいますが、デンマークの夏を享受しようと、国内で過ごす人たちも多くいるように思います。
これは、「避暑地に出かける」「国外でバカンスを過ごす」という感覚とは少し異なり、デンマークの人々が「夏を逃さずに楽しむ」という気持ちで毎日を過ごしているのではないか、と思うのです。
気温が20度を超えたら、今日こそがベストな日。明日も晴れるとは限らない、それが北欧の夏です。
(現に、執筆中の7月下旬の現在は快晴ですが、つい数分前はパラパラと雨が降っていました。)
旅人として訪れる人にも、ぜひ体験してほしいのは「予定をぎっしり詰めない過ごし方」。
朝にふらっと港に出かけて風にあたり、昼は簡単なサンドイッチやスモーブローを公園で頬張り、夕方にはカフェのテラスで地元のビールを一杯。
そんなシンプルな1日も、デンマークの夏を最も豊かに感じられる過ごし方のひとつです。
以上、デンマークの夏の過ごし方とオーフスのお散歩スポット「Riis Skov」を紹介しました。