キーワードで検索
「本の町」として知られるウェールズの田舎町、ヘイ・オン・ワイ(Hay-on-Wye)。以前にもブログで紹介しましたが、30軒以上の古書店が今も変わらず、軒を連ね、世界中の読書愛好家たちを魅了してます。なかでも、町の中心にある「ヘイ城(Hay Castle)」は何世紀も前に建てられた古城で、「本と歴史」その両方が味わえる、ちょっと特別な場所。今回はそんなヘイ城をご案内します。
ヘイ・オン・ワイは、イングランドとの国境近く、ブレコン・ビーコンズ国立公園のすぐそばにある小さな町です。古い石造りの家々、静かな通り、そして数歩ごとに現れる本屋さん。本好きにはたまらない魅力満載な場所です。
毎年5月には「ヘイ・フェスティバル」という本の祭典が開催され、有名作家の講演や読書会などでにぎわいます。
ヘイ・オン・ワイの町の中心部に建つ「ヘイ城」は12世紀にノルマン人によって建てられました。
ウェールズの他の城同様、ウェールズ人とイングランド王権の争いの中で重要な役割を果たし、何度も火事や戦いを経験。17世紀には貴族の邸宅として再建され、ゴシック様式の装飾が加えられたりしたものの、20世紀に使われない状態が続き、長い間廃墟と化しました。しかし、近年にはその歴史的価値が認められ、保存活動が本格化。修復プロジェクトによって2022年、ついに一般公開されたヘイ・オン・ワイの観光スポットです。
中に入ると、歴史展示やアートギャラリー、こじんまりした本屋、カフェなどが並び、まるで「文化が詰まった秘密基地」のようなヘイ城。単なる遺跡ではなく、地域の文化センターのような存在となってよみがえりました。城内では詩の朗読会や歴史トーク、子供向けワークショップなど、定期的にイベントも開催。また、有料のガイドツアーも1日2回行われています。(予約制)
城の一角にはかつて、“王様ごっこ”と揶揄され、有名になったリチャード・ブースの古本コーナーや資料室も。彼のこの風変りな「本の王国」の発想が、のちのブックタウン構想の原点となりました。
屋上にはヘイ・オン・ワイの町と周囲の田園風景が一望できる展望台もあり、おすすめスポットです。
■ ヘイ城(Hay Castle)
住所:Oxford Rd, Hay-on-Wye, Hereford HR3 5DG
URL: https://www.haycastletrust.org/
入場料:大人£7.50 ※入場券は1年間有効。
ガイド付きツアー(11:00/14:00開催)入場料+£5、合計で£12.50。ツアー参加者は一般公開エリアに加え、非公開エリアへも案内してもらえます。
ヘイ・オン・ワイに来たら、ぜひ「書店めぐり」を楽しんでみてください。
特に有名なのは、元祖“ブック王”リチャード・ブースが作ったRichard Booth’s Bookshop。カフェも併設する大きな古書店は本の品揃えはもちろん、雰囲気も最高です。
小さな店から、屋外の無人本棚まで、町のあちこちに本との出会いが散らばってます。
歩いているだけで、お気に入りの店や思わぬ一冊に出会えるはずです。
ヘイ・オン・ワイは本と歴史と自然に囲まれて、ゆったりとした時間が流れる町です。
ヘイ城の石壁に触れ、ふと気になる本を手に取って、ベンチやカフェで読みながら過ごす―そんな旅がしてみたくなる場所。
ウェールズを旅するなら、ぜひこの町と「ヘイ城」を旅のルートに加えてみてください。
■ 公共交通機関を利用される場合
・ ロンドン・パディントン(London Paddington)駅から鉄道でニューポート(Newport)を経由してヘレフォード駅(Hereford)へ(約3時間)。首都カーディフやバーミンガムからもヘレフォードへはアクセス可能。ヘレフォードからT14のHay-on-Wye行きバスでヘイ・キャッスル(Hay Castle)へ(約1時間)。タクシー利用であれば、片道30分ほど。