【大阪】水無瀬神宮の風鈴まつりで涼を感じて

水無瀬神宮は大阪府内で唯一の神宮です。神社本庁によれば、「神宮」は天皇や皇室の祖先をお祀りするなど、皇室と特にゆかりの深い限られた神社にしか与えられない社号ですが、こちらの主祭神は後鳥羽天皇とその御子です。鎌倉時代に後鳥羽上皇の離宮があった地に創建された由緒ある神宮で、文学・歌道とも深い縁を持ちます。2025年3月の記事でも、水無瀬神宮の桜をご紹介した時にも記載させていただきました。

客殿、手水舎など見どころ盛りだくさんの水無瀬神宮ですが、必見は神門です。参道突き当りの佇む本瓦藁葺の門で、こちらの南側の柱には石川五右衛門が改心のあかしとしてつけたと伝わる手形が残っています。写真からはわかりづらいですが、平均的なサイズと比較して二回りほど大きな跡が残っていました。手を置いて比較すると、石川五右衛門の手の大きさがよく分かります。

風鈴の起源は諸説あるものの、古代中国で風の向きや音の鳴り方を青銅製の大きな鈴（風鐸）を用いて占ったことが起源とされています。これが日本に伝わり、時間をかけて現在のようなガラス製の風鈴が夏の風物詩になりました。日本の夏と密接なかかわりを持つ風鈴を、水無瀬神宮では短冊付きで約1000個も飾っています。本殿前に設置された風鈴棚には、様々な模様の風鈴がつるされ、その下には参拝者の「感謝の言葉」が綴られた短冊が風に揺れています。音にも目にも涼しく、大変夏らしい空間を潜り抜けて参拝が出来ます。

お昼の参拝でも美しい風景が見られますが、週末限定で夜間拝観も開催中です。ライトアップされた風鈴だけではなく、竹細工の灯篭や壁面アートのほか、地元大学の学生の方のアート作品も展示されています。2025年の風鈴まつりでは、関西大学大学院 総合情報学研究科 井浦ゼミの森香南子さんによる映像作品も展示中です。柔らかな光を反射しながら、シャボン玉の中で「ちりんちりん」と揺れる風鈴の姿は本当に幻想的です。

中世において指折りの歌人であると評される後鳥羽上皇。彼の歌は99番目の歌として、百人一首にも選出されています。

この縁を端に、水無瀬神宮は百人一首みくじを授与していらっしゃいます。特徴的なのは、一般的なおみくじの大吉のさらに上にあたる「大大吉」があること。イラスト・和歌はもちろん後鳥羽院です。他のおみくじは台紙が白に対し、大大吉だけは群青に金縁の大変豪華なものになっています。

このほか、風鈴まつりに合わせて限定御朱印も頒布中です。昼と夜を写した御朱印は、同じデザイン原案でも全く異なる雰囲気です。また、アクリルの「インクアート御朱印」が新登場！軽やかで涼しげなデザインで、夏の参拝にぴったりです。さらに、アクリルが使われた御朱印は全国でも大変珍しく、ゲットしたくなること間違いなしです。

水無瀬神宮に夏を感じに、地元の方も近くにお立ち寄りの方もぜひ訪れてみてください。

◆水無瀬神宮
住所：〒618-0011 大阪府三島郡島本町広瀬３丁目１０−２４
電話：075-961-0078
受付時間：9:00〜16:00
アクセス：JR京都線「島本駅」より徒歩約10分　阪急京都線「水無瀬駅」より徒歩約10分

◆風鈴まつり
開催期間：2025年7月1日(火)～2025年9月9日(火)