info: Palio di Asti
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Palio di Asti(パリオ ディ アスティ)毎年9月、アスティの街は、中世さながらの雰囲気に包まれ、石造りの塔が見守る広場で伝統の馬レースが開催されます。パリオとは、イタリア各地で行われる伝統的な競馬祭りを指します。語源は、ラテン語の布や旗を意味する “Pallium” からきており、勝者に捧げられる優勝旗を意味すると言われています。レースの前には、中世の衣装に身を包み、それぞれの地区の旗や紋章を掲げた大パレードが行われます。その様子は、まるで中世にタイムスリップしたかのようです。
アスティの街を歩くと、数々の赤レンガの塔、荘厳な宮殿、教会など中世の力強さを物語る建築物を目にすします。それは、かつて交易、金融で大いに栄え、その繁栄を今でも伝えているのが現存する街の風景となります。そして、軍事的、経済的にも力をもっていた関係から、祝祭や宗教儀式の一環としてイタリア初の公式な馬レースが行われたと記録に残っています。つまり、こんにちのパリオは、単なる娯楽ではなく、アスティが誇った力と独立性の象徴でもあるのです。
パリオが、街全体で盛りあがり、住民が一丸となる理由は、勝利は、騎手個人ではなく、街の地区や村の代表として出馬し、レースが行われるのです。よって、住民は、地区を挙げて応援し、勝利は、住まいの地区全体の誇りとなります。その為、パリオの前後は、それぞれの地区の旗の色の洋服や旗をまとい全力で応援します。地区ごとに騎手を労う夕食会が何度も開催されます。勝ち負けも大切ですが、ご近所づきあいが薄くなる21世紀の現在も、パリオが近づくと、こうして同地区の住民が一緒にテーブルを囲み食事をしながら人間関係を構築する。素晴らしい伝統だと思っています。
パリオは、アスティ人だけの楽しみではありません。近年では、午前(子供)午後(大人)にわかれて2度行われる中世の歴史的な行進は予約もチケットもなしで誰でも歩行者天国となる街の中心地で至近距離でご覧いただけます。石畳の広場や通りを当時の衣装をまとい、約1~2時間、1000人以上のアスティ人が練り歩く姿は、まさに圧巻です。馬のレースは興味がないという方や長時間の観戦は避けたい方は、決勝レースは、テレビ放映もありますのでテレビのあるバールやホテルで観戦されるのもよいと思います。9月のアスティは、街中に地区ごとの旗が掲げられ、活気溢れた街の様子は、特別な壮観さがあり、観光客にとっても楽しい体験となること間違いなしです。