【岐阜】「極楽行きの切符」で途中下車。SNS映えで話題の明知鉄道・極楽駅へ!
2025.7.17
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海のない県・岐阜県にも、「竜宮伝説」があることをご存じでしょうか?その伝説にちなんで、乙姫さまと浦島太郎の像が並ぶユニークなスポットが、輪之内町の「乙姫公園」です。SNSでも“珍スポット”として取り上げられることがある、面白い公園なんです。
乙姫公園があるのは、岐阜県南西部の輪之内町(わのうちちょう)。
長良川と揖斐川に囲まれた低湿地の「輪中(わじゅう)」地帯にあり、古くから水害とともに生きてきた土地です。先人たちの苦難と、水の恵みと恐ろしさを忘れないようにという願いが込められて、この地に作られたのが乙姫公園です。
そして、この地には「大榑川(おぐれがわ)の竜宮」と呼ばれる民話が伝わっています。
大榑川の灯明渕(とうみょうぶち)は水が深く、近づくなと言われていた。
ある日、泳ぎや魚とりが得意な若者が頼まれて鯉を捕ろうと網を投げたところ、川の中に引き込まれてしまった。
その先にはまばゆい御殿があり、美しい女性が立っていたという。
「帰してやるが、二度とここへ来てはいけない」と言われ、地上へ戻された——
こうして“大榑川には竜宮がある”と言われるようになったのです。
亀は登場しないけれど「浦島太郎」に似てますよね。
公園はお隣の海津市との境にある大榑川堤防近くにあります。池の中には、高さ10.4メートル(ビル3~4階相当)の巨大な乙姫さんの像が。今から約60年前、地元の建設会社「日八工業」の当時の社長・牧野柳平氏が私財を投じて建立したものだそう。つまりこの公園、私有地なんです。
乙姫さんと見つめ合うように浦島太郎の像が立ち、その背後にはなぜか巨大な鶴の像も。なぜ鶴なのか・・・?ミステリアスな構図が、訪れる人々の好奇心をくすぐります。
園内に設置された「乙姫ポスト」からは、乙姫さんに手紙を送ることができます。その手紙への返事は、輪之内町の公式サイトに掲載されるようになっています。乙姫さんと、訪れた方の手紙のやりとりが、温かくてユーモアもあり、なんとも素敵な企画!
(掲載希望お手紙の差出人は、ホームページに掲載しても差し支えのないペンネームで。また、乙姫さんからの返事は不定期更新です。)
乙姫公園の一角ある「乙姫稲荷神社」も牧野柳平氏が神社本庁の承認を受けて建立したものです。
境内には、白い神馬像や狐の像、左右で形の異なる龍が巻き付いた灯籠など、独特の雰囲気が漂います。
輪之内町の公式サイトによると、牧野氏は「地方自治に尽力し、水防活動に専念した人物」と紹介されています。その一方で、乙姫像や稲荷神社からは、遊び心と創造力にあふれた一面もうかがえますね。
インパクトのある乙姫さんや数々の像がユニークな乙姫公園。
「おちょぼさん」の愛称で知られるお千代保稲荷神社からは、車でわずか5分ほどの距離にあります。お参りの帰りに、立ち寄ってみてはいかがでしょうか。
■乙姫公園・乙姫稲荷神社
住所:岐阜県安八郡輪之内町海松新田