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パタノスター・スクエア(Paternoster Squeare)は、ロンドン金融街「シティ」の一角にある広場。ロンドン証券取引所もあるこのエリアには、当然ながら金融会社が集中しています。
いっぽうセントポール大聖堂に隣接したこの広場には、ユニークな動物たちの銅像もあることをご存知ですか?
中世時代はニューゲイト・マーケットという食肉市場として栄え、1872年には現在の名称パタノスター・スクエアとなりました。
やがて近代になると出版社が集中したものの、第2次世界大戦中の空爆で大きく破損。いまの姿に再建され始めたのは1960年代以降です。
2004年にはロンドン証券取引所がここに移転したほか、ゴールドマンサックス、メリル、野村證券などもこの界隈。ちなみに現在では三菱地所がこの広場を所有しています。
「パタノスター」と題された作品は、リアルタッチの羊飼いと羊たち。こちらはエリザベス・フリンクという女性彫刻家による作品で、1975年からここに常設展示されています。
羊が題材となっているのは、昔ここが食肉市場だったという歴史から。またセントポール大聖堂に隣接した場所につき「神の仔羊」という宗教的な意味合いも漂わせています。
また現在ここに限定期間で展示されているのは「ゴー、ワイルドライフ、ゴー!」。ゾウ、キリン、コアラ、シマウマ・・・など野生動物たちが長いスクーターに乗っている、楽しそうな作品です。
作者はアーティスト・ユニット、ジリー&マーク・シャトナー夫妻。子供時代をザンビアで過ごした妻のジリーさんは、9歳のときゾウが射殺されるのを目撃。その体験をきっかけに、野生動物の保護に目覚めたそうです。
そうと知ると、一見とても楽しそうに見えた動物たちなのに・・・声なき声をあげて、私たちに何か大切なことを訴えているようにも見えてきますね。こちらは2026年2月25日まで。
観光でセントポール大聖堂を訪れた後などに、ちょっと立ち寄ってみませんか?