古代吉備の遺産が誘う鬼退治の物語「備前国一之宮 吉備津彦神社」 〜備前一宮~
2020.11.11
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新年あけましておめでとうございます。岡山特派員のmamiです。
どうぞ本年もよろしくお願いいたします。
2026年の最初は国宝・吉備津神社へ初詣に行って来ました。この神社は日本遺産「桃太郎伝説」の生まれたまち おかやま 〜古代吉備の遺産が誘う鬼退治の物語〜の構成文化財のひとつにもなります。
昨年、この拝殿と本殿が再建600年の節目の年を迎えました。今回は国宝の本殿、拝殿とともに荘厳な廻廊、数々の摂社をご紹介します。
境内の入り口にやって来ました。
吉備津神社は備前国と備中国の境にある吉備の中山に鎮座し、主祭神は大吉備津彦命になります。
吉備津神社は元々、吉備国の総鎮守でしたが、吉備国の三国への分割により備中国の一宮とされ、分霊が備前国「吉備津彦神社」、備後国「吉備津神社」となりました。そのため、備中の吉備津神社は「吉備総鎮守」「三備一宮」を名乗っています。
備前国は「彦」の字が追加され、備後国は全く同じ「吉備津神社」なので、ややこしいですよね。
手水舎の隣には、大きな岩があり矢置岩と呼ばれています。
吉備津彦命は、朝廷に従わず、鬼と恐れられていた温羅(うら)を討伐するために吉備国にやって来ました。この岩の上に矢を置き温羅と弓を交え戦ったと伝わっています。
この伝説に基づき、1月3日の朝は、空に矢を放ち邪気を払う矢立の神事が行われます。
こちらが本殿です。建築様式は、比翼入母屋造(ひよくいりもやづくり)といい、ふたつの入母屋造りの屋根が融合され、神社としては独特な様式です。
檜皮葺の屋根が山裾のようになだらかなカーブを描き、千木と入母屋の妻部分の装飾が金と朱で施され、重厚さの中にも華麗な美しさが存在すると思います。日本には多くの神社がありますが、このような社殿は唯一無二の存在ではないかと思っています。天皇の命により、吉備津神社を造営したのが室町幕府三代将軍・足利義満と聞けばそれも納得ですよね。北山文化と称され、花の御所や鹿苑寺金閣寺が建てられた時代の社殿です。
この本殿と拝殿は1425年に再建されたもので、昨年は再建から600年という記念の年でした。
600年を記念して、ライトアップができるようになり、イベントなどの特別な日はその趣旨に基づいた演出ができるそうです。
吉備津神社の中で私が一番好きなのがこの長い廻廊です。地形の起伏に沿って造られていて、回廊の終わりが見えず延々と続くような錯覚に陥るところも気持ちがいいのです。この回廊は約400mあり、この廻廊から梅、桜、牡丹、紫陽花など、それぞれの季節の花々も楽しむことができます。
そして廻廊の端には南髄神門があります。社殿中最古の建物で1357年の再建で鎌倉時代の様式を残し、国の重要文化財に指定されています。
この随神門をくぐり歩き進むと、途中に右に曲がる廻廊があります。その先にあるのが「御竈殿」です。
御竈殿というのは、吉備津彦命が退治した温羅(うら)の首を鎮めた釜が安置され、釜の鳴る音で吉凶を占う鳴釜神事(なるかましんじ)が行われる建物です。
「鳴釜神事」というのは、桃太郎伝説に関係する場所で、吉備津彦命は退治した温羅の首を御竈殿の下に埋めますが、埋めた温羅の首の不気味なうめき声に悩まされます。
ある日、吉備津彦命の夢に温羅が現れ、妻である阿曽媛(あそひめ)に釜を炊かせると、温羅自身が吉備津彦命の使いとなって、釜の音で世の吉凶を告げようと告げ、神事が始まったといいます。
「ヴォーン、ヴォーン」と釜が大きく鳴ると吉。低く鳴るか、鳴らなければ凶ということです。
一般の方も御神託をうかがう事が出来るので、興味のある方はぜひ。
「鳴釜神事」がどんな神事か気になりませんか。
最近では、スマホでバーチャル体験ができるのです。御竈殿の横にバーチャル体験の看板があり、この看板の中にあるQRコードを読み取ると、神事を見ることが出来ます。他にも本殿やえびす宮にもQRコードの看板があり「本殿内部」「えびす祭」の様子も見られます。
一童社は本殿の左奥の小高い平地にあります。学問の神様菅原道真と、芸能の神様天鈿女神(あめのうずめのみこと)をお祀りしているので受験シーズンは「受験合格」「芸事上達」の祈願に訪れる人が後を断ちません。ご覧のように、お社の前は数多くの絵馬でいっぱいです。
一童社からさらに奥へ進むとえびす宮があります。ここでは元旦から縁起物の熊手や蓑、福笹などが販売されていました。ちなみに明日の10日は、えびす祭りがあり、御竈殿横の広場(中参道)で備中神楽が3回にわたり奉納され、演目中に福餅が撒かれ、参拝者に福を授けてくださるそうです。
住 所 岡山市北区吉備津931
電話番号 086-287-4111
営業時間 5:00~18:00 開門、受付・授与所は9:00~16:00
駐 車 場 有り(270台 バス4台)
アクセス JR桃太郎線「吉備津駅」下車徒歩10分
ホームページ http://kibitujinja.com/