はじめてのフランス旅行で押さえておきたい、パリ以外のフランス定番エリアと見どころ

公開日 : 2022年12月02日
最終更新 :

フランスはパリとパリ以外はまったく違うとよくいわれ、事実パリ以外のフランスを知ることはフランスの魅力を何倍も楽しむことにつながります。この記事ではパリ以外に巡っておきたい地方の人気都市、定番の地域を紹介します。

世界からリゾート客が集まる南仏の町、コート・ダジュール

ニースの町並み
ニースの町並み

南仏のコート・ダジュールは、フランスの地方巡りをする際に、まず候補に挙がってくる場所ではないでしょうか。場所はフランス南東部に位置し、地中海に面したビーチリゾートが魅力的な地域です。またフレンチアルプスの端が海に落ち込み、入り組んだ地形がさらに地域を魅力的にしています。

中心都市はニース。パリからは高速列車TGVで約6時間、飛行機で1時間30分ほどの距離にあります。ニースはパリに次ぐ観光都市で、ホテルの数もパリに次ぐ多さ。特に夏場は世界中から観光客が訪れます。1年をとおして温暖ということに加え、晴天率が高いことでも知られています。

エズと地中海
エズと地中海

ニースのほかに南仏にはカンヌやアンティーブ、エズ、マントンといった大小の町や村が点在しており、どこもリゾート地として栄えています。都会がいいならニース、もう少し落ち着きたいならアンティーブなど、自分の好みに合わせて滞在先を選んだり組み合わせたりすると、思い出もより素敵なものになりますね。

美しいお城が点在するロワール

ロワール川とアンボワーズの町並み ©iStock
ロワール川とアンボワーズの町並み ©iStock

フランス中部に位置し“フランスの庭”と呼ばれている地域がロワールです。フランス王侯貴族のかつての城が点在し、豊かな文化が形作られました。今もそのゆったりとした雰囲気が町に残っています。中心都市のトゥールはパリからTGVで約1時間30分。パリと組み合わせたときにアクセスがいいのもポイントです。

ロワール観光で重要なのは訪れるお城選び。ガイドブックや写真などを見ながら、素敵だなと思ったお城をピックアップしたら、それを組み合わせていきます。シュノンソー、アンボワーズ、アゼ・ル・リドー、シノンの各城へは列車で行くことが可能です。列車の本数は少ないので、一度に多くの城を巡りたいときはレンタカーか現地でのミニバスツアーなどが便利です。シャンボール城は列車でのアクセスはできず、トゥールからのミニバスツアーかブロワから巡回バスが出ています。

ロワール地方にある白ワインで有名な産地サンセール ©iStock
ロワール地方にある白ワインで有名な産地サンセール ©iStock

ロワールはワインでも有名な地域です。ワインの産地は食事のレベルも高いところが多いです。お城観光と食、お酒を組み合わせて、ゆっくりとした休暇を楽しんでみましょう。

パリっ子の定番別荘地ノルマンディー

エトルタの針岩とアヴァルの崖 ©iStock
エトルタの針岩とアヴァルの崖 ©iStock

フランス北部に位置するノルマンディー地方は、イギリス海峡を挟んでイギリスの対岸にあります。ここはカマンベールチーズをはじめ酪農と乳製品が豊かな地域です。パリから行きやすいこともあり、パリジャン&パリジェンヌにとって定番の保養地または別荘地でもあります。

ノルマンディーで特に有名なのが、同西部にある修道院の小島モン・サン・ミッシェル。そのほかには、東部にノルマンディー公国の首府だったルーアン、印象派の画家によって描かれた港町オンフルールやル・アーヴルと、白亜の断崖が美しいエトルタ、高級ビーチリゾートであるドーヴィル、モネの家と庭園があるジヴェルニーといった観光地が点在しています。

カラフルなビーチパラソルが印象的なドーヴィル ©iStock
カラフルなビーチパラソルが印象的なドーヴィル ©iStock

フランス文化とドイツ文化が混ざり合うアルザス

ストラスブール市内にあるプティット・フランス ©iStock
ストラスブール市内にあるプティット・フランス ©iStock

フランス北東部にあるアルザスは、ライン川を挟んでドイツと国境を接する地域です。アルザス地方は17世紀にはフランス王政下でしたが、普仏戦争でドイツ領に、第一次大戦ではフランスにかわり第二次大戦ではナチス・ドイツに占領されるといった具合に、仏独の間で揺れてきました。そのため文化もドイツの影響を色濃く受けており、それがまた独特の文化を形作り、町の魅力のひとつになっています。

中心都市はストラスブール。パリからTGVで約2時間の距離にあります。欧州連合(EU)の主要機関である欧州議会が置かれている国際都市でもあります。また旧市街は木組みと漆喰で建てられた家々が並び、アルザスらしさをとても実感できます。なかでも年末に開かれるクリスマスマーケットは特に有名で、毎年150万人が国内外から訪れます。

アルザス観光で忘れてはいけないのが、広がるワイン生産地と点在する村々です。ストラスブールの南方にある町コルマールとの間には、昔ながらの町並みがそのままに残った村々がワイン畑の中に点在しており、そのワイン街道巡りはストラスブール観光のハイライトとなっています。

アルザスにあるエギスハイムの町並み ©iStock
アルザスにあるエギスハイムの町並み ©iStock

ワイン街道巡りはレンタカーが便利で楽ですが、運転ができない人や海外での運転に不安がある人、またワイン試飲のため運転を避けたい人は、ストラスブールやコルマール発のワイン街道ツアーがあるので、それを利用しましょう。

ワイン文化のボルドーを中心とした大西洋岸

ボルドー市内にあるブルス広場 ©iStock
ボルドー市内にあるブルス広場 ©iStock

フランス南西部の大西洋岸はワインの一大産地です。その中でボルドーはパリからTGVで約2時間とアクセスもよく、またフランスのワイン文化を感じるには絶好の都市です。ボルドーは18世紀にワイン貿易によって黄金時代を築きました。そのため町には古典様式の重厚な建物が並び、町の散策からすでにとても楽しめます。

ポイヤック、マルゴー、サン・テミリオンをはじめボルドーの周辺に点在する村々は、ワイン生産で世界的に有名な場所ばかり。「シャトー(城)」と呼ばれるワイナリーの建物を中心に、多くの人がイメージするフランスワイン文化の風景が広がっています。

ボルドー近郊にある海辺の町アルカションには、ピラ砂丘という海に面したヨーロッパで一番高い砂丘があり、ワインだけではない楽しみ方もあります。

アルカションにあるピラ砂丘 ©iStock
アルカションにあるピラ砂丘 ©iStock

ワイン製造が盛んな場所はおいしいご飯にも恵まれていることが多く、ボルドー市内にはいいレストランが点在しています。カヌレもボルドーを代表するデザート。景色も綺麗で食べ歩きも楽しく、町の大きさもちょうどいい、地方観光にはぴったりの場所です。

これらの場所に限らず、フランスには定番から、まだ日本ではそれまで有名ではない穴場まで、魅力がいっぱい詰まっています。ここでは紹介しきれない場所は、また別記事で紹介します!

筆者

フランス特派員

守隨 亨延

パリ在住ジャーナリスト(フランス外務省発行記者証所持)。渡航経験は欧州を中心に約60カ国800都市です。

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