
103. 特派員が活動中のサマルカンド観光案内所ご紹介!学生スタッフがガイドする街歩きミニツアーも開催
サローム(こんにちは)!
サマルカンドに引っ越した際の記事でもお伝えしましたが(85. 【ウズベキスタン特派員】新年のご挨拶&サマルカンドに引越しのお知らせ)、私は2024年11月までの予定でJICA青年海外協力隊のウズベキスタン観光隊員として駐在しており、主に観光案内所(ツーリスト・インフォメーション・センター)でボランティアスタッフとして活動しております。
以前活動していた先代JICA隊員が執筆したコラムがガイドブック『地球の歩き方』に載っており、ご覧になった方もいらっしゃるかと思います。また今もこのブログを見たという日本人旅行者の方にたくさんお立ち寄りいただいており、本当に有難い限りですが、より多くの方に訪れてもらいたい! という期待を込め、今回はこの観光案内所について紹介させていただきます。

観光案内所があるのは、レギスタン広場横からシヨブバザールまで延びる歩行者天国、カリモフ通り(旧名タシケント通り)沿い。サマルカンドを観光するなら必ず一度は通るであろう、お土産物屋が並ぶ通りです。レギスタン広場から歩くと10分ほど、Sangzor Boutique Hotelや学校を過ぎると右手に見える、TOURIST INFORMATION CENTERの文字と立て看板が目印です。
シヨブバザールのビビハニムモスク側入口からだと徒歩3分ほどのアクセス。先日の記事でも紹介した日本人・ウズベク人夫婦経営カフェ、Ikat Boutiques Cafe(89. 日本人・ウズベク人夫婦経営のカフェ Ikat Boutiques Cafeはサマルカンド旅の心強い味方)を過ぎると左手にあります。

どうしてJICA海外協力隊の隊員が観光案内所のスタッフに??? とよく聞かれますが、(自分で言うのも何ですが...)ここは観光地によくある一般の観光案内所とは一線を画した場所なのです。ここは観光市内の大学が学生の実習先として設置し、サマルカンドの各大学でツーリズムや語学を学ぶ大学生たちがボランティアスタッフとして運営に携わっているのです。現在10人以上の学生スタッフが働いていますが、そのうち半数ほどは外国語大学などで日本語を勉強している学生。見かけた際はぜひ日本語で話しかけてあげてください。

せっかく学生たちが運営しているのだから...ということで、私が目指しているのは案内所を旅行者と彼らの憩いの場、交流の場にすること。というのは私の経験として、観光客にとって人との交流が増えるほど、その土地に対する思いもより深まり、素晴らしい旅になると思っているからです。また学生スタッフは外国人と話したい、サマルカンドの街を案内したいという熱い気持ちを持っており、その気持ちにこたえるのが私の使命だと考えています。日本語学生たちも日本人が来ると本当に喜んでくれ、会話を楽しんでいます。
かつてサマルカンドで語学を学ぶ学生たちは、暇さえあればレギスタン広場などの観光地に行き、旅行者を見つけると積極的に話しかけたり自主的にガイドをしたりして語学を上達させてきました。私も13年前初めてサマルカンドを訪れた時にそのような学生たちと出会い、一緒に観光地をめぐったり日本語の授業を見学させてもらったりしました。しかしコロナ禍で旅行者が激減した結果その伝統(?)は失われ、ツーリストと学生たちが接する機会がほぼ無くなってしまったのです。観光客の数がまた増えつつある今、両者がともに楽しめる機会を何とか復活させたい、というのが私の願いです。

この案内所で行っているサービスは、レストランや交通状況など観光情報の提供、地図の無料配布や販売、ポストカード販売など。また特に用事がなくても旅行者の方が通ってくれる施設になってほしい...ということで、有名な中央アジア歴史漫画『乙嫁語り』やガイドブックなどの書籍、そして民族楽器ドゥタールも置き、自由に読んだり弾いたりできるようにしました。短期でしたら書籍の貸し出しも行っておりますので、ぜひ物語の舞台になっているこの地で『乙嫁語り』を読んでみてください!
またサマルカンドやウズベキスタンの旅行・観光業界の課題を発見・解決するきっかけになればと、ツーリズムに関するアンケートも置いています。数が集まれば観光関係当局に提出できればと考えているので、ご回答いただければ嬉しいです。特にこの国を旅してぜひ改善してほしい! という点に気づいた方はぜひご記入くださいませ。
ウェブ上でも記入ができますので、もしご旅行中の方、またはご帰国された方でご回答いただける方がいらっしゃれば大変助かります!(サマルカンド観光客向けアンケート)

最近始めたサービスが民族衣装レンタル。日本の観光地で着物が借りられるようにぜひここでも伝統衣装を着て、ウズベク人になった気分で観光してください!(数に限りがあるので予約推奨)

そして先代JICA隊員が始めたこの案内所の名物企画が、学生スタッフ自身がガイドとしてご案内する街歩きや文化体験のミニツアー。案内所近くのユダヤ人居住区を散策してシナゴーグを訪問するコース、バザールを徹底探検するコース、スザニや木彫り細工といった伝統工芸品の制作体験コース、民族楽器工房訪問コースなどを取り揃えています。
いずれも有名観光地には全く訪れないツアーですが、これは旅行者によっては観光地以外のサマルカンドの一面が知れ、学生ガイドにとっては語学の上達に繋がるとともに自国の文化への理解がより深まるwin-winのプログラムだと思っています。畳工房や尺八工房などにすすんで行こうとする日本人があまりいないのと同じように、多くのウズベク人も何かのきっかけがない限り自分たちの民俗文化についてあまり深く知ろうとはしないようです。私の着任後、学生たちと共にツアーの練習や下見としてあらゆる施設や工房を訪問しましたが、今まであまり知ることのなかった伝統文化にふれられて面白い、感動したと彼らが言ってくれました。その感動をぜひ旅行者の皆さんに共有、還元してほしいと思っています。
ただやはり彼らはビギナーガイドのため至らない点も多々あるかもしれませんが、お友達感覚でおしゃべりをお楽しみいただければ幸いです。


今後は外国人旅行者と学生スタッフたちの接点をより増やすべく、一緒に近くのカフェに行ってランチやお茶会をする交流会のようなプログラムも週に何度か企画できれば...と考えています。また主に日本の学生さんを対象としたスタディツアーや短期インターンシップなども計画しておりますので、ご興味のある教育機関や団体さんなどいらっしゃいましたら、ぜひご一報くださいませ。
その他案内所やこの町の観光の活性化につながるようなアイデアがありましたら、お気軽におっしゃってください。訪問者の皆様のお声も参考に、絶えず旅行者でにぎわうような、よりよい案内所を作り上げていけたらと思っています。

というわけで、サマルカンド滞在の間にお時間があれば、市内散策の合間にぜひ私たちの観光案内所のふらっとお立ち寄りくださいませ。私はできる限りここに常駐しておりますがお休みをいただくこともありますので、ご用の際は下記FacebookまたはInstagram経由でメッセージをお送りくださいませ。ツアーの予約もメッセージで受け付けております。特に用はないけど学生たちとお話しだけでも...という方も大歓迎です(授業の都合などで学生スタッフがいない日もあります)。
皆様のご来訪を、スタッフ一同心よりお待ちしております!

■サマルカンド観光案内所 Samarkand Tourist Information Center
- 住所
- 2/1 Islom Karimov ko'chasi, Samarqand
- 電話番号
- +998-91-555-3515(英語可、Whatsappも利用可)
- 営業時間
- 10:00~17:00(スタッフの都合でクローズする日や時間帯もあるため、ご訪問前にご連絡いただければ幸いです)
- 定休日
- 祝祭日
- アクセス
- レギスタン広場から徒歩10分、シヨブバザールから徒歩3分。ビビハニムモスク近く

筆者
ウズベキスタン特派員
伊藤 卓巳
根っからのスタン系大好き人間です。まだまだ知られていないウズベキスタンの魅力や情報を、サマルカンドより愛をこめてお伝えします!
【記載内容について】
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