サンタ・マリア・ノヴェッラ教会

Santa Maria Novella/サンタ マリア ノヴェッラ

色大理石が彩るフィレンツェゴシックの典型

  • 美しきフィレンツェ・ゴシックの華。ライトアップされる夜も美しい。
  • すばらしいファサードだけでなく、内部も必見
  • メディチ家のライバルであったストロッツィ家の礼拝堂のフレスコ画をはじめ、初期ルネッサンス期からの数多くの美術品を収蔵している。

見どころ

ドゥオーモに先駆けて1246年に工事が始められた、ドメニコ派の聖堂で、S.M.ノヴェッラ駅を出るとすぐ広場越しに後陣が望める。ゴシック様式を踏襲しながらもフィレンツェ独自のスタイルを確立した点で特筆され、また、内部の礼拝堂は優れた作家たちの作品で飾られている。ファサードの上部とポルタイユはL.バッティスタ・アルベルティによって設計(15世紀中頃)された。ここでも模様は白、緑、ピンクの大理石で構成されている。

ポルタイユ上部のフレスコ画にも注目
ポルタイユ上部のフレスコ画にも注目

内部は束ね柱で3廊に分けられ、内陣に向かって柱の間隔がしだいに狭くなっているので奥行き感が強調されている。右翼廊の奥、階段上の「ルチェッライ礼拝堂」Cappella RucellaiにはN.ピサーノの『聖母子像』Madonna col Bambino(14世紀中頃)がおかれている。
内陣の右隣は「ストロッツィ礼拝堂」で、壁面のフレスコ画『聖ヨハネとピリポ伝』Storie dei Ss.Giovanni e Filippo(1502年)はフィリッピーノ・リッピの作品である。祭壇の後ろにはB.ダ・マイアーノによる「F.ストロッツィの墓」がある。

奥行き感のある内部
奥行き感のある内部
フィリッピーノ・リッピ作『聖ヨハネとピリポ伝』(一部)
フィリッピーノ・リッピ作『聖ヨハネとピリポ伝』(一部)

中央の礼拝堂はトルナブオーニ家の依頼で制作されたギルランダイオのフレスコ画『聖母マリア伝』Vita della Madonnaと『洗礼者ヨハネ伝』Storia di S.Giovanni(1486~90年)などで埋められている。ステンドグラスのデザインと天井のフレスコ画、『4聖人』も彼によるものだ。左隣にあるのはG.ダ・サンガッロが装飾(16世紀初頭)を施した「ゴンディ礼拝堂」Cappella Gondiで祭壇の上にはブルネッレスキの貴重な『十字架像』Crocifisso(15世紀初頭)が架かっている。

ブルネッレスキ作『十字架像』
ブルネッレスキ作『十字架像』

左翼廊を占める「マントヴァのストロッツィ礼拝堂」Cappella StrozziはN.ディ・チオーネの『天国』Paradisoや『地獄』Infernoのフレスコ画で飾られ、祭壇にはA.オルカーニャの多翼祭壇画がある。続く聖具室(おみやげ物コーナーがある)にはG.デッラ・ロッビアの洗礼盤がある。
身廊中央の天井から下がる、ジョットの『十字架像』Crocifisso(1290年頃)も見逃せない。また、左側廊の中ほどには完璧な透視画法で描かれたマザッチョの『三位一体』Trinità(1427年頃)のフレスコ画がある。

マザッチョ作『三位一体』
マザッチョ作『三位一体』

聖堂正面の左脇には付属修道院(サンタ・マリア・ノヴェッラ教会美術館Museo di S.Maria Novellaがある(入口は駅前広場側)。入ってすぐの「緑の回廊」Chiostro Verdeの壁面には“テッラ・ヴェルデ”と呼ばれる緑の顔料を用いた『創世記』の場面が並んでいる。なかでも1点透視画法を駆使して描かれたP.ウッチェッロの『ノアの洪水』Ebbrezza di Noè(1425年頃)は迫力がある。「スペイン人の大礼拝堂」Cappellone degli Spagnoliは14世紀に造られ、壁面はA.ディ・ボナイウート(またの名はA.ダ・フィレンツェ)の『キリストと聖ペテロ伝』や『聖トマスの勝利』Trionfo di S.Tommaso、『ドメニコ会の勝利』Trionfo dei Domenicaniなどの大画面で飾られている。

「緑の回廊」が美しい
「緑の回廊」が美しい

サンタ・マリア・ノヴェッラ駅からの行き方

サンタ・マリア・ノヴェッラ駅Stazione S. M. Novellaを左に出て、地下道を通り、地上に上がり右に曲がるとサンタ・マリア・ノヴェッラ教会の建つ同名広場だ。
または、駅の切符売り場のホールを抜け、尖塔を目指して広場を横切り、インフォメーションの先を進み、塀沿いに右に曲がろう。

入場方法

当日窓口でも購入できるが、30分以上並ぶこともあるので、事前にオンライン予約がおすすめ。
オンライン予約サイト(英語):https://ticketsmuseums.comune.fi.it/2_santa-maria-novella/

入口は2ヵ所あり、サンタ・マリア・ノヴェッラ広場側と駅前広場のインフォメーション横。内部でつながっているのでどちらから入場してもかわらないが、フィレンツェカードの販売は駅前広場側入口のみ。奥の大回廊は現在は警察学校の一部となっており、特別な場合のみの公開。

基本情報

住所
PiazzaS.M.Novella
電話番号
055-219257
開いている時間
9:00~17:30 ㊎11:00~17:30 ㊐㊗13:00~17:30 ※切符売り場は閉場45分前まで
閉まっている日
1/1、12/25
料金
€7.50(サンタ・マリア・ノヴェッラ教会美術館と共通)
入口は2ヵ所。サンタ・マリア・ノヴェッラ広場側と駅前広場のインフォメーション横。内部でつながっているのでどちらから入場してもかわらないが、フィレンツェカードの販売は駅前広場側入口のみ。奥の大回廊は現在は警察学校の一部となっており、特別な場合のみの公開。
ウエブサイト
https://www.smn.it/it/
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