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微笑みの国、タイ・チェンマイ~避暑地パーイで温泉三昧!の旅
2025.8.1
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露天風呂に浸かって雄大な海を眺め、地元の新鮮な海鮮料理に舌鼓を打つ……。日本では、オーシャンビューの温泉が人気です。海外で海が見える温泉といえば、多くは波打ち際にある自然のままの「野湯」であることが多いのですが、数は少ないもののきちんと整備され、露天風呂を備えた宿もあります。今回は、筆者がこれまでに訪ねた世界51ヵ国、約1250の温泉のなかから、おすすめの絶景オーシャンビュー温泉の数々を紹介したいと思います。
ナポリから高速船で西へ50分のイスキア島にはビーチリゾートや温泉施設が点在し、観光客でにぎわっています。ソルジェート温泉は、断崖絶壁の崖下の入江のような場所にあるため、234段もの階段を歩いて下るか、乗り合いボートを利用して海からアクセスする方法しかありません。なんとも冒険心をくすぐる立地です。波打ち際の数ヵ所から湧く温泉は高温のため、温泉卵も作れます。観光客の少ない冬には閉鎖される温泉施設が多いなか、1年を通して楽しめます。
ソルジェート温泉
アテネの北に位置し、ギリシャで2番目に大きな島であるエヴィア島。本土とは橋でつながっていてアクセスが容易なことから、多くの観光客が訪れます。島の北端に位置するエディプソスは、ギリシャ神話の英雄ヘラクレスが傷ついた体を癒やしたと伝わる温泉。高級ホテルから共同浴場までさまざまな施設がありますが、海岸の野湯が人気です。析出物で彩られた岩盤をくり抜いた露天風呂に無料で入浴できます。
エディプソス温泉
ヨーロッパ最西端に位置するポルトガルからさらに西へ1000km。9つの島からなるアゾレス諸島のひとつ、サンミゲル島は温泉の島として知られています。島の西部のフェラリア海岸は溶岩流が固まった岩礁地帯。温泉が湧いていて、満潮と干潮の中間の時間帯には、温泉と海水が混ざり合い適温です。細長い入江に湧いているので、寄せては返す波が強く、入浴中も張られた数本のロープにつかまらないと体が流されそうです。
フェラリア温泉
トルコ西部の海岸線の町イズミール。多くの旅行者が訪れるベルガマやエフェソスなどの世界遺産の玄関口となる町として有名です。西に突き出したチェシュメ半島には数多くの温泉が湧いていて、なかでもヨットハーバー近くのウルジャ温泉は、海と一体化した露天風呂。場所によっては高い温度ですが、噴出口から離れるに従い海水と混ざって湯温が下がります。地元の人はちょうど良い湯温のポイントを見つけて浸かっていました。
ウルジャ温泉
地中海を挟みイタリアの対岸に位置するチュニジアは、地理的に古代ローマ時代の多くの遺跡が残っていて、その多くが世界遺産に登録されています。なかでも有名なのが、首都チュニス近郊にあるカルタゴ遺跡。遺跡内の巨大な共同浴場跡の正面に見えるボン岬半島に、7つの源泉で知られるコルブス温泉があります。一番人気はアインアトロス温泉。膨大な量の温泉が湯滝となって海に流れ込み、滝の下で野趣あふれる入浴を楽しめます。
コルブス温泉
マニラの南300kmに位置し、ダイビングで有名なブスアンガ島。ここには、フィリピン屈指のマニキットという、海を臨む絶景露天風呂があります。マキニットは現地の言葉で「温泉」という意味なので、フィリピン各地に同じ名前の温泉があります。源泉は41℃と少し熱めですが、外周に行くほど湯温は下がります。冷えた体を温めるためにやってくるダイバーが多く訪れる夕方以降は混みますが、昼間はほぼ無人です。
マキニット温泉
台湾本島の南東に浮かぶ緑島(リュイタオ)は、よほどの台湾好きか温泉マニアでなければなかなか訪れることはないでしょう。陽光きらめく温泉プールゾーンは浴槽によって異なった温度が設定されていて、全体的にぬるめです。岩礁地帯にある円形露天風呂は湯温が高め。波の音を聞きながら入浴を楽しむことができます。その名の通り、朝日を正面に眺めながら浸かれる温泉として地元の方達も訪れる施設です。
朝日温泉
韓国第2の都市、釜山(プサン)の東に位置する海雲台温泉は、豪華なリゾートホテルから素朴な共同浴場まで、豊富な選択肢で旅行者を迎えてくれます。日本に比べ寒冷な韓国では露天風呂付きの施設は多くないのですが、カジノを併設した豪華宿のパラダイスホテル釜山には庭園風の露天風呂があり、観光客には人気です。
海雲台温泉
カナダ西海岸の玄関口、バンクーバーから北西へ750kmの太平洋上にハイダ・グワイ(旧名クイーンシャーロット)諸島があります。およそ150ある島々のひとつ、ホットスプリング・アイランド。直訳でずばり「温泉島」です。島内には湯温や景色の異なる露天風呂が複数あり、世界屈指のオーシャンビュー温泉を楽しめます。一時、大地震で温泉が枯渇しましたが、近年では復活しています。
温泉島
チリは南北4000kmキロにも及ぶ細長い国。複雑な海岸線が続く南部の湾内にジャンカウェ温泉があります。施設へのアクセスは船に限られていて、島の斜面に建つ2階建ての建物は部屋も廊下も木造で、木の質感が清々しく感じられます。水平線は湾曲して見えるので、地球の丸さを感じながら入浴できる温泉プールが宿の自慢です。見た目はただのプールのようですが、塩味と硫化水素臭のある本格的な温泉です。
ジャンカウェ温泉
日本から訪れるのは大変ですが、チリ南部のパタゴニア地方には、隠れ家のようなリゾート温泉ロッジ、「プジュアピ・ロッジ」があります。森と海に挟まれた立地に建つこの施設は敷地内に3ヵ所の露天風呂があり、うちふたつがオーシャンビューです。天井が高く開放的な室内温泉プールもあり、地球の裏側で贅沢な温泉三昧を楽しめます。
プジュアピ温泉
オークランドの東に位置するコロマンデル半島には、1日2回の干潮時だけ、ビーチに現れるユニークな温泉があります。スコップで砂浜を掘り、自分で露天風呂を作って入浴するホットウォータービーチです。深く掘るのは難しく、寝湯か半身浴が精いっぱいですが、夏場のアクティビティとして人気です。スコップは現地でレンタルできますが、週末は混雑するので、早めの到着が必須です。
世界にはまだまだ知られざる温泉があるので、これからも魅力的な温泉を探し続けたいと思います。
なお、この連載は今回で終了します。これまで読んでくださった皆様に御礼申し上げます。
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