特集「今、こんな旅がしてみたい!」
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その愛くるしい姿に癒やされ、日本の多くの人々に親しまれてきたジャイアントパンダ。2025年6月には、和歌山県のアドベンチャーワールドにいた4頭のパンダファミリーが中国へ里帰りしたため、現在国内で会いに行けるパンダは、東京の恩賜上野動物園にいるシャオシャオとレイレイの2頭のみ。しかし、この2頭も2026年2月に返還期限を迎える予定です。2026年の「パンダロス」が迫る今、おすすめしたいのが、国境を越えてパンダに会いにゆく旅! 世界で飼育されているパンダは約750頭にのぼるといわれていますが、そのなかでも、チョコレートパンダと呼ばれる、中国・陝西省に暮らす世界で唯一の茶色いパンダ「チーザイ」に会いに行きませんか?
パンダファンの間では「パンダの推し活」として、今や国境を越えて「推しパンダ」に会いに行く時代。例えば、上野動物園で生まれたシャンシャンは、2023年に多くのパンダファンに惜しまれながら中国へ返還されました。シャンシャン人気は今も衰えることなく、現在シャンシャンが暮らす四川省「雅安碧峰峡基地」へ推し活に行くパンダファンはあとを絶ちません。
世界で唯一の茶色いパンダ「チーザイ」も、中国国内では「巧克力大熊猫(チョコレートパンダ)」と親しまれ、パンダ界のスターとして「宝中的宝(宝の中の宝)」とパンダファンたちの人気を集めてきました。
チーザイは、現在16歳のオスのパンダ。2009年、生後2ヵ月の頃に、陝西省仏坪県の秦嶺山脈で親からはぐれていたところを保護されました。当時の香港映画のなかの宇宙からきたキャラクターにちなんで「七仔(チーザイ)」と名付けられました。
現在、世界中の飼育下にいるパンダたちのなかで、茶色のパンダはチーザイただ1頭だけ。チーザイは、まさに宇宙からやって来たような貴重な存在として愛されてきました。穏やかな性格で、丸い頭とチラリとこちらを見るような「チロ目」が特徴。メスのパンダに接するときはとても紳士的なのだそう。3頭の子パンダのお父さんでもありますが、子供の毛並みは母パンダと同じでみな白黒です。
そんなチーザイは今、中国国土のほぼ真ん中、秦嶺山脈の北麓にある「秦嶺四宝科学公園」に住んでいます。ここにはパンダ、キンシコウ、トキ、ターキンなど、秦嶺山脈に生息する4種の希少動物(施設名の「四宝」のこと)たちがのびのびと暮らしています。
陝西省西安市から南へ約70kmに位置する「秦嶺四宝科学公園」では、チーザイのほかにも、大人の白黒ジャイアントパンダや子パンダを常時10〜15頭見ることができます。また、孫悟空のルーツといわれる、金色の毛並みが特徴のキンシコウのほか、ツキノワグマやレッサーパンダ、キョンなどの野生動物などもいて、山の空気を吸いながらゆっくりと動物たちとの時間を過ごせる動物園です。
園内は入口から奥に向かって緩やかな上り坂になっています。パンダ舎は一番奥に2館あるため、周り方としては、入場ゲートからカートに乗り、一気に一番奥まで上がって、下りながら見て回るのがおすすめ(2025年12月現在、チーザイは一番奥から2番目のパンダ舎にいます)。もし、笹を食べたり遊んだりなど、動いているチーザイを見たい場合は、パンダが満腹状態で寝ている時間帯以外の時間、特に開園と同時に入場するとよいでしょう。
園内にはグッズショップが2店舗あります。そのうち、入場ゲートの手前左側のショップはグッズの品揃えが抜群! そのほか、軽食が食べられるレストランやコーヒーショップが各1店舗あります。
園内の入場ゲート付近にあるショップは、チーザイグッズの宝庫。ぬいぐるみなら、大きさ、顔つき、ポーズ、価格など、さまざまな種類のなかから自分好みのチーザイを選べます。チーザイのぬいぐるみは、どれも「チロ目」がよく再現されていて毛並みがふわっふわ。愛くるしい「チロ目」がどこにいても見つめてくるので、一度手に取ったら手放せなくなること間違いなし! 日本国内ではなかなか手に入らない物ばかりなので、帰国後に後悔しないよう、グッズ購入の時間もスケジュールにしっかり組み込んでいくのがおすすめです。キンシコウや園内にいるほかの動物たちのぬいぐるみやグッズもあり、見ているだけでも楽しい時間を過ごせるでしょう。
また、園外の道路には、チーザイグッズを販売する個人経営の露店が立ち並んでいます。園内のグッズとはデザインも作りも異なるので、よく吟味してから商品を購入しましょう。
チーザイグッズは、種類豊富な秦嶺四宝科学公園での購入がおすすめですが、それ以外では、西安の主要観光スポットのおみやげ店、百貨店、書店、西安咸陽国際空港などでも購入できます。購入できる商品はぬいぐるみ、マグネット、キーホルダーなどが中心。「チーザイグッズを買い忘れた!」、「実際にチーザイには会わないけれどグッズだけでも購入したい」、「西安ならではのおみやげが欲しい」という人は足を運んでみてください。ぜひあなたと一緒にチーザイを日本へ連れて帰って、旅の思い出にしてください。
不止文創公園(西安曲江大悦城店)の詳細情報
野生のジャイアントパンダは、中国の四川省、陝西省、甘粛省といった、限られた3つの省の山中に生息しています。パンダの種類は、四川系と秦嶺系のふたつに分かれ、頭が大きく顔が長いのが四川系パンダ、頭が丸く口が小さいのが秦嶺系パンダの特徴です。外見的には、四川系が熊により似ているのに対し、秦嶺系は猫に近いといわれています。世界に1頭のチョコレートパンダ・チーザイは秦嶺系に属しています。
パンダの故郷・中国では、秦嶺四宝科学公園のほかにも、西安秦嶺野生動物園(住所:西安市長安区灤鎮107省道南)や北京動物園(住所:北京市西城区西直門外大街137号)、上海動物園(住所:上海市長寧区虹橋路2381号)などでもパンダを見ることができます。
推薦者:金井千絵(地球の歩き方 西安編 編集担当)