スペインの主要都市は?都市ごとの特徴や気候、観光スポットを解説

地球の歩き方編集室

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更新日
2025年10月21日
公開日
2025年10月21日
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スペインには、個性豊かな都市が点在しています。首都マドリードをはじめ、芸術と建築の町バルセロナ、スペイン第3の都市バレンシア、フラメンコの本場セビーリャ(セビリア)など、都市ごとに異なる魅力を楽しめます。この記事では、スペインを代表する4つの都市の特徴と見どころを紹介します。スペイン旅行の計画を立てる際に、ぜひ参考にしてみてください。

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スペインのおもな都市

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スペインには、その土地の歴史や文化、自然を感じられる都市が点在しています。行政区分は、17の自治州と2つの自治都市に分けられ、自治州のなかに50の県が存在します。スペインの主要な都市は以下のとおりです。

都市名 州名
マドリード マドリード州
バルセロナ カタルーニャ州
バレンシア バレンシア州
セビーリャ(セビリア) アンダルシア州

スペインの首都「マドリード」

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マドリードは、歴史ある町並みと現代文化が融合したスペインの首都。プラド美術館や王宮、レティーロ公園など、芸術や建築、自然を楽しめるスポットが点在しています。町全体に息づくバルやフラメンコの文化のほか、スペイングルメも魅力のひとつです。また、マドリードはスペイン各地へのアクセスもよく、観光やビジネスの拠点としても便利。晴天の日が多く、明るく開放的な雰囲気のなかで、ゆったりとした時間を過ごせるのもマドリードならではの魅力です。

マドリードの基本情報

都市名
マドリード
面積
約604平方キロメートル
日本からの直行便
あり(約16時間)
日本との時差
-8時間(サマータイム期間中は-7時間)

マドリードの気候とベストシーズン

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マドリードを中心としたカスティーリャ地方はメセタ(高原)に位置し、内陸性気候に属しています。夏は気温が35度を超える日もあり、雨はほとんど降りません。湿気が低いため、日陰に入れば暑さをしのぐことができます。一方で冬は冷え込み、最低気温が0度近くまで下がることもあります。秋から春にかけては比較的雨が多くなりますが、年間を通じて日照時間が長いのが特徴です。

マドリード観光のベストシーズンは春から夏。特に7~8月はほとんど雨が降らないので、屋外を観光するのにも適しています。

マドリードの空港と市内へのアクセス方法

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マドリード近郊にはマドリード・バラハス空港があります。東京・成田空港から直行便が運航しており、所要時間は約16時間

マドリード・バラハス空港からマドリード市内までは、地下鉄や近郊線、空港バス、タクシーでアクセスできます。 

マドリードのおすすめ観光スポット

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プエルタ・デル・ソル

プエルタ・デル・ソルはマドリード旧市街の中心にある広場で、スペインの国道の起点である「ゼロ地点」が置かれていることで知られています。広場には時計台やクマとイチゴノキの像などがあり、多くの人々でにぎわいます。周囲にはショップやカフェが立ち並び、昼夜を問わず活気あふれるスポットです。

王宮(マドリード王宮)

マドリード王宮は、小高い丘に建つスペイン王室の宮殿。豪華な建築と壮麗な内部装飾が見どころで、列柱の間や玉座の間、王室礼拝堂など内部の見学も可能です。武具や美術品の展示も充実しており、絢爛豪華な王国の歴史を感じられる点も魅力。

プラド美術館

プラド美術館は、スペインを代表する美術館で、世界的にも有名なスペインの巨匠ベラスケスやゴヤなどの名作を数多く所蔵しています。コレクションは3万点以上に及び、ヨーロッパ美術の歴史を体系的に鑑賞できます。時間をかけてゆっくりと鑑賞したい美術館です。

芸術と建築の町「バルセロナ」

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バルセロナは、地中海の青い海と独自の文化が魅力の活気あふれる都市。建築家アントニ・ガウディが手がけた独創的な建築群が点在し、町全体が芸術作品のように感じられます。中世の面影を残す石畳の路地に歴史ある建築物が建ち並ぶ旧市街では、ショッピングやグルメを堪能できます。中心部から少し足を延ばせばビーチが広がり、自然散策から、芸術観賞や歴史探訪まで、さまざまな過ごし方を楽しめます。

バルセロナの基本情報

都市名
バルセロナ
面積
約101平方キロメートル
日本からの直行便
なし
日本との時差
-8時間(サマータイム期間中は-7時間)

バルセロナの気候とベストシーズン

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バルセロナは1年を通じて雨が少なく、温暖な気候が特徴。夏は暑くはなりますが内陸部と比べると落ち着いており、冬の寒さも穏やかです。

バルセロナ観光のベストシーズンは、リゾートを満喫できる夏。混雑を避けたいなら、春か秋がおすすめです。

バルセロナの空港と市内へのアクセス方法

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バルセロナ近郊にはバルセロナ・エル・プラット空港があり、空港からバルセロナ市内までは、バスや地下鉄、近郊線、タクシーなどで移動可能です。

なお、2025年10月現在、日本からバルセロナ・エル・プラット空港への直行便は運航していません。ヨーロッパや中東、アジアの空港で乗り継ぐ方法や、マドリードから高速列車でアクセスする方法などがあります。

バルセロナのおすすめ観光スポット

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サグラダ・ファミリア聖堂

サグラダ・ファミリア聖堂は、アントニ・ガウディが手がけた大聖堂で、バルセロナを象徴する建造物のひとつ。外観はキリストの生涯を表現した精緻な彫刻が施され、圧倒的な存在感を放っています。聖堂内部は、天井まで樹木のように伸びる柱や色鮮やかなステンドグラスが幻想的な空間を作り出しています。現在も建造が続く世界遺産で、バルセロナ観光の必訪スポットです。

グエル公園

グエル公園は、ガウディが手がけた独創的なデザインの公園。色鮮やかなモザイクタイルで装飾されたトカゲの噴水や波打つベンチなどが印象的で、まるで童話の世界に迷い込んだかのような雰囲気を楽しめます。バルセロナの町並みや地中海を一望できる絶景ポイントとしても人気!

カタルーニャ音楽堂

カタルーニャ音楽堂は、有機的なデザインが特徴のモデルニスモ建築のなかで最も美しいとされる音楽堂。最大の見どころは、2階の大ホール。天井のドームや壁面の細部にまで施された彫刻、色鮮やかなステンドグラスは息をのむ美しさです。現在もコンサートホールとして使用されています。

スペイン第3の都市「バレンシア」

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バレンシアは、スペイン東部に位置する地中海沿いの都市。町には歴史的建造物だけでなく、近未来をイメージした建築群「芸術・科学都市」もあり、歴史と近代が融合した美しい町並みを楽しめます。また、毎年3月にはスペイン3大祭りのひとつである「火祭り」が行われ、華やかなオブジェや壮大な花火が町を彩ります。年間をとおして温暖な気候で、地中海沿いのビーチリゾートとしても人気を集めています。

バレンシアの基本情報

都市名
バレンシア
面積
約135平方キロメートル
日本からの直行便
なし
日本との時差
-8時間(サマータイム期間中は-7時間)

バレンシアの気候とベストシーズン

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バレンシアは地中海性気候で、年間を通じて温暖で過ごしやすいのが特徴。夏は気温が30度前後まで上がりますが、湿度が低いため比較的快適に過ごせます。冬は平均気温が10度前後で、凍えるような寒さになる日はほとんどありません。年間をとおして晴天の日が多く、都市観光はもちろんビーチリゾートとしても多くの人が訪れます。

バレンシア観光のベストシーズンは春から夏。さわやかな天気が続き、町歩きや屋外での観光に最適です。

バレンシアの空港と市内へのアクセス方法

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バレンシア近郊にはバレンシア空港があり、空港からバレンシア市内までは、地下鉄やタクシーなどで移動可能です。

なお、2025年10月現在、日本からバレンシア空港への直行便は運航していません。ヨーロッパやスペインの主要空港を経由してアクセスする方法や、マドリードやバルセロナから列車もしくはバスで移動する方法などがあります。

バレンシアのおすすめ観光スポット

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カテドラル(バレンシア大聖堂)

カテドラルは、14世紀末に完成した大聖堂。ゴシック様式のほか、バロックや新古典様式など、様々な建築様式が混在した壮麗な建築が見どころです。南西角に立つミゲレテの塔からは、バレンシアの旧市街や地中海を一望できる絶景が広がります。

ラ・ロンハ・デ・ラ・セダ

ラ・ロンハ・デ・ラ・セダは、15世紀末に商品取引所として建てられたもので、世界遺産にも登録されています。フランボワイヤン・ゴシック様式の建物で、中世の城を思わせる外観もさることながら、天井を支えるらせん状の柱や透かし彫りで飾られた窓などの美しい細部が魅力です。向かいにあるスペイン最大規模の中央市場も必見!

芸術・科学都市

芸術・科学都市は、21世紀の科学都市をイメージしてデザインされた近未来的な建築群。スペイン人建築家サンティアゴ・カラトラバによる独創的なデザインが印象的で、ヨーロッパ最大級の水族館、科学博物館、プラネタリウム、オペラハウスなど多彩な施設が集結しています。大人から子供まで楽しめる観光スポットです。

フラメンコの本場「セビーリャ(セビリア)」

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セビーリャは貿易都市として栄えたアンダルシアの州都で、フラメンコと闘牛の本場として知られています。スペイン最大規模を誇るカテドラルやスペイン広場などの歴史的建造物が点在し、さまざまな文化が融合した美しい町並みが魅力的です。また、春に行われるセマナ・サンタ(聖週間)やフェリア(春祭り)の時期には町全体が熱気に包まれ、情熱の国・スペインらしいにぎわいを体感できます。

セビーリャの基本情報

都市名
セビーリャ
面積
約141平方キロメートル
日本からの直行便
なし
日本との時差
-8時間(サマータイム期間中は-7時間)

セビーリャの気候とベストシーズン

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セビーリャは、年間を通じて温暖な気候が特徴。特に夏は厳しい暑さで、7~8月は40度を超える日もあります。そのため、観光や散策は午前中や夕方の時間帯がおすすめ。冬の冷え込みは比較的穏やかで、平均気温は10度前後。年間を通じて雨は少なく、夏は乾燥した日が続きます。

セビーリャ観光のベストシーズンは春から秋。気候に恵まれ、屋外での観光や町歩きを楽しむのに最適です。

セビーリャの空港と市内へのアクセス方法

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セビーリャ近郊にはセビーリャ空港があり、空港からセビーリャ市内までは、バスやタクシーなどで移動可能です。

なお、2025年10月現在、日本からセビーリャ空港への直行便は運航していません。ヨーロッパやスペインの主要空港を経由してアクセスする方法や、マドリードやバルセロナから列車もしくはバスで移動する方法などがあります。

セビーリャのおすすめ観光スポット

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カテドラル(セビーリャ大聖堂)とヒラルダの塔

カテドラルは、1519年に完成したスペイン最大の大聖堂。内部にはコロンブスの墓や木製祭壇、ムリーリョやゴヤの絵画などの見どころがあります。隣接するヒラルダの塔は、かつてモスクのミナレット(尖塔)として建てられたもので、その後、鐘楼が付け加えられました。展望台からは、セビーリャ市街を一望できる絶景が広がっています。

スペイン広場

スペイン広場は、1929年の万国博覧会のために建設された壮大な建築で、半円形に広がる建物と美しい池が印象的。カラフルなタイルで装飾された58のベンチには、スペイン各県の特徴や歴史的場面が描かれています。セビーリャ市民の憩いの場として親しまれており、広場を囲む回廊や橋は写真映えするスポットとしても人気を集めています。

セビーリャ美術館

セビーリャ美術館は、中世から現代までのスペイン絵画を中心に所蔵する美術館。ムリーリョやスルバラン、ベラスケスといった巨匠の作品が充実し、特にムリーリョのコレクションは世界随一です。修道院を改装した建物も趣があり、回廊や中庭も美しい空間です。

まとめ

この記事では、スペインの主要4都市の特徴や見どころをご紹介しました。旅の目的に合わせて訪れる都市を選べば、スペイン旅行はより充実したものになるはずです。本記事を参考に、ぜひスペイン旅行を計画してみてはいかがでしょうか?

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