ノルマンディーを代表する町ルーアンとル・アーヴル、ガラリと変わる町並みと「印象派」の共通項を楽しむ
2024.5.29
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フランスは世界的な観光名所も多く、自然、文化・歴史、またはそれらを複合させた絶景スポットは多いです。その中でパリからアクセスしやすいノルマンディー地方にあるエトルタを紹介します。ここには多くの人々が魅了される海沿いの絶景が広がっています。
今回ご紹介するエトルタがあるノルマンディー地方は、パリの北西にあるパリっ子にとっては定番の行楽先です。ノルマンディー地方は、海に沿って切り立つ石灰岩の白い海岸線が有名ですが、その中でもエトルタの町は特に景観の美しい場所です。
エトルタからは、いくつかの奇岩を望めます。有名なのが「アヴァルの門」と呼ばれる崖の中央が海の侵食でくり抜かれた岩。そして、すぐ隣に立つ「針岩」です。これらはエトルタのみならずノルマンディー地方の代名詞として、さまざまな場所で紹介されています。
このエトルタの景観の美しさは、過去に多くの芸術家の題材にもされています。特に有名にしたのはモネ、ブーダン、クールベといった印象派の画家たち。彼らが描いた作品は、人々のノルマンディー地方への憧れを高めました。
モーリス・ルブランが書いた小説アルセーヌ・ルパン・シリーズ『奇巌城』の舞台としても知られています。近年はNetflixのドラマ「ルパン」として現代風アレンジでドラマ化されて再注目されました。
エトルタの海岸線は、どの時間帯も魅力的です。人々の営みが動き出した雰囲気の中で見る清々しい朝や、明るい光が差し込む日中においてコントラストを見せる石灰岩の城と岩壁の上を覆う緑。しかし特に見逃せないのが夕方です。
海に沈む夕日が白い石灰岩を照らして、岩肌をピンクに染めます。まるで加工したような鮮やかな具合に。色も夕陽の沈むペースによって変化していき、最後は暗くなり闇が訪れます。
見るなら夏をおすすめします。冬は、寒さと海沿いの強い風が吹きますので、岩壁上の遊歩道を気持ちよく歩くという気分にはあまりなれません。ただし夏は日没が21時過ぎ。そのため夕日を見るには、エトルタなど近くに泊まった方がしっかりと堪能できます。
エトルタには機能的で現代的なホテルから、ノルマンディー風の木組みの建物を用いたホテルまで、いろいろありますので、好みに合わせたホテル選びも楽しいですね。
エトルタがあるノルマンディー地方は、牛乳やバターなど酪農が盛んな地域です。日本でもお馴染みのカマンベールチーズも、元はノルマンディーにあるカマンベールで作られていたことが始まり。食事はそば粉を使ったクレープであるガレット。海沿いの地域では、ムール貝や牡蠣などの魚介類も採れます。
ブドウ作りが盛んなフランス中南部と比べて、ノルマンディーは冷涼。そのためブドウの代わりにリンゴ栽培が盛んです。そのため、この地方ではリンゴを原料としたシードルや、リンゴを使った蒸留酒であるカルヴァドスが造られています。シードルは上述のガレットにとても合います。
エトルタは行楽地であり高級別荘地のため、レストランは多いです。特に夏のハイシーズンは人が集まりますので、お目当てのお店がある場合は、予約をしてから訪れることをおすすめします。
このように魅力がたくさん詰まったエトルタは、ノルマンディー地方の港町ル・アーヴルからバスで約1時間で着きます。ル・アーヴルまではパリのサン・ラザール駅から約2時間です。パリ滞在だけでは物足りない方は、ぜひノルマンディー地方そしてエトルタを目的地に加えてみませんか。