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【ヘルシンキ】乳児連れフィンエアーでの欧州フライト&乗継、パリ・名古屋往復

守隨 亨延

守隨 亨延

フランス特派員

更新日
2025年9月23日
公開日
2025年9月23日
©︎Yukinobu Shuzui

ヘルシンキのヴァンター空港を拠点とするフィンランドの航空会社フィンエアー。名古屋にある中部国際空港へ乗り入れる数少ない欧州系航空会社の一つです。そのフィンエアーを使って、1歳未満の乳児を伴いパリ・名古屋をエコノミークラスで移動。要点をまとめました。

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フィンエアーとは

©︎Yukinobu Shuzui 日本とヘルシンキを結ぶフライトに乗るともらえる北極点通過証と子供向けのムーミンのシール

フィンランドの首都・ヘルシンキの空の玄関口であるヴァンター空港を拠点にするフィンランドのフラッグ・キャリアです。日本でいう日本航空(JAL)のような立ち位置の会社。日本国内では羽田、成田、関西、中部の各空港とヘルシンキを直行便で繋いでいます(2025年9月現在)。

パリから名古屋へ行く場合、直行便はなく必ず1回はどこかの空港で乗り継ぎが必要です。日系航空会社のJALやANAの場合は羽田になりますが、今回のフィンエアーではパリ・ヘルシンキ、ヘルシンキ・名古屋と乗り継ぎことになります。フィンエアーは航空連合の一つ「ワンワールド」に加盟しているため、同じく同連合に加盟しているJALでマイルを貯めることもできます。

北欧にあるフィンランドは、北極圏を飛ぶことによって直線距離でヨーロッパの中で日本と近い距離にあります。現在はロシアとウクライナの紛争が起きているため、多くの航空会社がロシア空域を飛べなくなりましたが、それ以前は日本の各空港とヘルシンキを9時間強で繋いでいました(現在は約13時間)。

フライトの時間は増えましたが、今回のパリから名古屋のようにヨーロッパへ飛ぶには1回はどこかで乗り継ぎが必要な空港から移動する旅客にとっては、ロシア空域が飛べなくなった今でも選択肢として有力な航空会社になります。

バシネット席の予約方法

©︎Yukinobu Shuzui 離陸後に設置されたバシネット

座席を伴わない2歳未満の乳幼児の航空運賃は、大人の10%です。規定内(身長70cm、9kg)の大きさであれば乳児用の座席装着型ベッドであるバシネットを使うことができます。

バシネットが取り付けられる席は限られており、フィンエアー発券による名古屋とヘルシンキを結ぶ機体においては1席のみ(2025年9月現在)。早めの予約をおすすめします。

以前バシネットを利用してANAでパリ・羽田間を往復した際は、バシネット対応座席の指定は無料でしたが、フィンエアーの場合は1フライトごとに航空券とは別に座席指定料がかかります(2025年8月および9月のヘルシンキ・名古屋の片道を、バシネットが付けられる最前列指定だと1万8020円)。パリ・ヘルシンキ間の短距離路線も1フライトごとに座席指定料がかかります(2025年8月および9月のパリ・ヘルシンキの片道で1490円:短距離路線の場合、バシネット席は無いことが多いです)。

つまり、ヘルシンキ・名古屋を往復する2フライトだけでも1名約3万6000円の追加になります(たとえば夫婦2名で隣同士に座ることを確定させようとすると、その倍)。航空券単体の値段では安くても、座席指定を入れると割高になる場合もあるかもしれません。航空券を買う際は、その辺りも比べながら選ぶと失敗しません。

バシネットの予約は、フィンエアーの場合、まず航空券の予約をしてからフィンエアーに電話。バシネット席の空席確認をします。バシネット席が取れない時は購入を控えるのであれば、バシネット席の空きが無いとわかった時点で、航空券の料金は払わず予約自体をキャンセルします。

フライト当日の流れ

ヴァンター空港のトイレとそのオムツ台

フィンエアーのエコノミークラスはサービスの簡素化が進んでおり、座席を伴わない2歳未満の旅客に対しての乳幼児用機内食の提供はありません。一方で、乳幼児向けの食事の持ち込み(液体物含む)については制限はないため、あらかじめ用意をしておきましょう。

空港の制限区域内に入る際の手荷物検査においても、乳幼児の食事などについては液体物100mlの制限はありません。検査場を通解する際には、係員にこれは乳幼児用の食事だと一言伝えておくとスムーズです。

2歳未満の乳幼児を連れている場合、搭乗ゲートでの優先搭乗に該当します。他の旅客より早く機内へ入れますので、機内が混み合う前にフライト中に必要なものをカバンから出したり、長距離フライトの準備を整えましょう。離陸に際しては、子供用のシートベルトを大人のシートベルトに通して、膝の上に座らせます。

離陸の際は、気圧の変化に伴う子供の耳抜きが必要です。寝ている場合はそのままで問題ありませんが、起きている場合は授乳かおしゃぶりをあげて自然に耳抜きができるように整えます。離陸後、機内のシートベルト着用サインが消えた後に、客室乗務員がバシネットを組み立ててくれます。

ヴァンター空港でのシェンゲン出入国

©︎Yukinobu Shuzui 出入国ゲートへの案内板

フランスとフィンランドはいずれもシェンゲン協定締結国ですので、行き来は自由にできます。そして日本行きのフライトなど、シェンゲン協定締結国の圏内からシェンゲン圏外の国へ出る際(またはシェンゲン圏内の国へ入国する際)には、その最終出発地(最初の入国地)でパスポートのチェックがあります。

フランスに暮らしている人やフランスに頻繁に来ている人は感じているかもしれませんが、パリ・シャルル・ド・ゴール空港の出入国は他のEU諸国に比べて係員のチェックや質問が緩い印象です。しかしフィンランドのヴァンター空港はフランスと比べれば厳格です。そのためパスポート以外にビザや滞在許可証(ヨーロッパ在住者の場合)などが必要な人は、しっかりと準備しましょう。

フランス在住者の場合で未成年者を伴う場合は、DCEM(滞在許可証を取得することができない未成年者向けの証明書類)も携行しましょう。準備を怠ると出入国で時間がかかったり、場合によっては通過ができません。

最後に、ヘルシンキ・名古屋間のフライトは、ヘルシンキから名古屋へ行く便が深夜にヘルシンキ発、名古屋からヘルシンキに行く便が早朝にヘルシンキ着です。そのためヴァンター空港内のムーミンショップが営業時間外です!乗り継ぎ時にムーミンショップへは立ち寄れないため、その点は残念です。

乳幼児を伴うフライトは、大変なことも多いですが、分からないことがあれば空港係員の人や客室乗務員の人たちも相談に乗ってくれます。少しでも参考になれば幸いです。

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