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【パリ】乳児を連れての国際線フライト、フランスのシャルル・ド・ゴール空港の場合

守隨 亨延

守隨 亨延

フランス特派員

更新日
2025年2月15日
公開日
2025年2月15日
©︎Yukinobu Shuzui

何らかの事情で乳児を連れて国際線フライトに乗らなければならないこともあるかもしれません。東京の羽田空港とパリのシャルル・ド・ゴール空港を飛ぶ飛行機に乗った際の流れを、まとめてみました。

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日程が決まったらフライトの予約は早めに

©︎ANAのエコノミークラスに設置したバシネット Yukinobu Shuzui

乳児を連れて長距離フライトをする場合、「バシネット」と呼ばれる座席前に備え付けられる赤ちゃん用ベッドがあると便利です。これは航空会社側に用意してもらう設備で、飛行機に搭乗後に機内の離陸サインが消えた後に、客室乗務員によって設置されます。

ただしバシネットはどの席でも付けられるわけではなく、エコノミークラスであれば機内の仕切り壁のすぐ後ろにあたる、そのブロックの最前列の席でしか対応できません。そのためフライトの日程が決まったら、早めに航空券の購入とバシネットの予約をしましょう。

私が実際に体験したANAの場合(2025年1月時点)、バシネットの予約は航空券購入後に、LINEを使ったANAメッセージサービスアカウントを用いて予約します(以下、各ANAのルールや仕組みについてはANAのウェブサイトをご参照ください)。自動応答で選択肢が出てきますので、それに沿って搭乗日や便名、利用者名などを回答していくとバシネットの申し込みができ、バシネットに対応できる席に空きがあれば予約が完了します。

子供用の食事の予約もできます。なおバシネットの利用は子供の大きさも関係します。詳しくは航空会社の規定を参照してください。私個人の使用感で言うと、スムーズに手配できて便利でした。

バシネットを確保できれば、ひとまずはほっとします。

パリ市内から空港までの移動

©︎Yukinobu Shuzui

日本国内での移動については、日本語でさまざまな情報があると思いますので、今回はパリ市内からシャルル・ド・ゴール空港に乳児を連れて移動する際のポイントを書いていきます。

乳児を連れての移動の場合、抱っこひもやベビーカーなどを使うと思うのですが、赤ちゃんだけでなく荷物もありますので、タクシーを利用がおすすめです。地下鉄と空港バス、またはRER線を使ってのパリ市内から空港移動も良いですが、パリ市内の地下鉄駅は古い建築物である構造上、バリアフリーへの改築に対応できない駅が多いため、子供と荷物を抱えての移動が大変です。

パリ市内からシャルル・ド・ゴール空港までは、タクシーは定額料金となっています。予約を入れていない場合、チャイルドシートを備えたタクシーにタイミングよく巡りあうことは稀です。ただ、タクシーは例外的にチャイルドシードが無くても乗ることができます(もちろん安全面での不安要素は増えます)。

Uberなどのライドシェアも良いですが、タクシーの場合はバスレーンを走ることができますので、少し割高になってもタクシーが便利です。タクシー会社「G7」はUberのようなアプリもあり、スマホのGPSで場所を指定しての即時配車も可能です。

シャルル・ド・ゴール空港での待ち時間

©︎Yukinobu Shuzui シャルル・ド・ゴール空港第1ターミナル

ベビー用のミルクなどは保安検査を通る際の「液体物は100mlまで」のルールの適用外です。また運賃がかからない乳児を伴う場合でも、チェックイン時は荷物を一つ多く預けることができます(ANAの場合、たとえば夫婦各1個で計2個の場合、計3個まで)。

シャルル・ド・ゴール空港では、子供(身長110cm以下)がいる場合、優先レーンを通ることができます。優先レーンの前まで行けば、係員が案内してくれます。

出国して搭乗を待つ制限エリア(免税店などがある区域)では、授乳室などを利用できます。ANAが発着する第1ターミナルでは、子供用ベッドと大人用のソファー、座った際に目線が隠れる仕切りを備えた授乳室があります。そこで搭乗時間まで待つことができます。

飛行機に乗り込む際は、優先搭乗ができます。

旅行者向けの情報ではないのですが、フランスの滞在許可証を持ちフランスに居住している外国人の場合(フランス国籍ではない場合)は、未成年者向けの移動許可証であるDCEM(Document de circulation pour étranger mineur)をフランスの警察に申請して事前に取得しましょう。申請は両親のフランスの滞在許可証がある場合に可能です。

フライト中の機内での過ごし方

©︎Yukinobu Shuzui 東京出発の便での子供向け機内食

東京とパリをつなぐフライトは、日本やフランスの航空会社はロシア上空を通れないため、13〜14時間かかります。

離発着時は、まだバシネットは使えません。そのため腕で子供を膝で抱えた状態で離発着を過ごします。離発着時は大人でも気圧の変化に伴う耳抜きが必要ですが、乳児の場合は器用にできません。そのため離発着時は子供を寝かせるか、授乳またはおしゃぶりを吸わせて、自然と耳抜きができる状態に持っていくといいかもしれませんね。

離陸後にシートベルトの点灯サインが消えると、客室乗務員がバシネットを設置してくれます。なおバシネットは着陸準備に入る前には片付けられます。

機内のトイレには、オムツ台があるトイレと、オムツ台のないトイレがあります。そのため事前にどのトイレでオムツ替えができるか確認しておきましょう。たとえばANAが東京・パリ便で現在使用している機材であるB787のエコノミークラスの場合は、前方と後方に1カ所ずつオムツ台のあるトイレがあります。

フライト中に子供の機嫌が悪くなり、大泣きすることも想定されますが、私の場合は家と比べて意外と静かにしてくれていました。それでも泣いた際には、ベルト着用サインが点灯していない時は、抱き抱えて歩くなどして対応をしました。

フライト中に困ったことがあれば客室乗務員の方々も相談に乗ってくれますし、搭乗時に周囲の座席の人々に一声かけておくと親身になってくれることも多いです。上記が少しでも事前準備の参考になれば幸いです。

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