【南アフリカ】もはやサメのテーマパーク!ウシャカマリンワールド
2025.3.3
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ヨハネスブルグにある遊園地『ゴールド・リーフ・シティ』と、同じ敷地内にある『アパルトヘイト博物館』で毎年障害物レースが開催されています。各施設が閉園した後の夜18時から開始するこのイベントでは、ジェットコースターのレールの上を歩いたり、塀の上によじ登ったり、博物館の中を走ったりと、普通ならやってはいけないことだらけなスリリングな体験ができます。
ヨハネスブルグは、1880年代に金が発見されたことがきっかけで急速に経済発展してできた町です。ゴールド・リーフ・シティは、その頃の時代が再現された金の採掘がテーマの遊園地です。実際の金鉱跡地に建てられており、当時の金鉱採掘の様子が再現された地下洞窟を見学できるツアーがあったり、園内のあちこちに金鉱採掘にまつわる大型機械や道具が展示されています。ヨハネスブルグの金鉱採掘の歴史を学べるだけではなく、遊園地なのでスリル系から子供向けまでさまざまなアトラクションもあり、観光客から地元のファミリーまで誰もが楽しめる施設です。
今回のレースではアパルトヘイト博物館もコースに入っています。こちらは1948年〜1994年まで続いた人種隔離政策『アパルトヘイト』の実態が展示されている博物館です。入り口は当時の様子を再現して『白人専用』と『非白人専用』と分かれています。アパルトヘイト撤廃に尽力した、南アフリカが誇る偉大な人物ネルソン・マンデラ氏についての資料も多く展示されています。
2つともヨハネスブルグを代表する大人気の観光地です。ここで毎年、年に1度だけ障害物レースが開催されています。ゴールド・リーフ・シティとアパルトヘイト博物館は隣接しており、同じ敷地内に建っています。今回のレースはゴールド・リーフ・シティ内の広場から出発し、駐車場を通り、アパルトヘイト博物館内を走り、またゴールド・リーフ・シティに戻ってきてゴールとなります。距離は5.5キロで、障害物は22箇所用意されています。
レースは各施設の営業時間が終了した後に開催されるため、遊園地に遊びにきている一般のゲストはいません。敷地内にいるのはレースの参加者とスタッフのみです。
夜間のレースなので、参加者はヘッドライトの装着が推奨されています。
それでは、インパクトの強かった障害物のいくつかを順を追ってご紹介していきます。
まず広場をスタートして順路通りに走るのですが、遊園地なので道が広く、地面は舗装されていて平で、なだらかな坂もありとても走りやすかったです。
1つ目の障害物は通路の塀でした。足をひっかけるところが全くなく、150センチ程度の高さがあります。1つ目の障害物でいきなり難易度が高く、もう心が折れそうになりましたが後から来た人が助けてくれたため、なんとかクリアできました。私はひとりでの参加でしたが、このように助けが必要な障害物がいくつかあったためそのたびに苦労しました。
このレースではこういった園内の塀や柵がこの後も何度も障害物として登場しました。
次に見えてきたのはジェットコースターです。ジェットコースターの下で参加者が障害物に挑戦している様子が見えます。そこに行くにはジェットコースターの手前にある煉瓦造りの塀をよじ登る必要がありました。普段ひとが立ち入ることのないエリアなので階段などなくて当然です。
このあたりのエリアでは網の下でほふく前進したり、低いバーをくぐったりと障害物レースらしいメニューをこなしました。
その後、ジェットコースターのキューラインの柵を乗り越えました。柵を乗り越えたらジャンプして降ります。
この辺りから日が暮れ始め、誰もいない薄暗い遊園地はホラー映画の世界に入り込んだようでした。スタッフもほとんどおらず、他の参加者にもあまり遭遇しませんでした。
大人気の宙吊り型ジェットコースター、アナコンダの乗り場を通ります。
駐車場のエリアまで進んできました。この駐車場にもいくつか障害物があり、ここでは大きいタイヤを持ち運んだり、10キロの土嚢を持って芝生の坂道を登ったり、モンキーバー(うんてい)などをこなしました。
駐車場を通ったらいよいよアパルトヘイト博物館のあるエリアへ入っていきます。博物館周辺はかなり暗く、スタッフもいなかったため閉館後の博物館に不法侵入しているようなドキドキ感がありました。順路を示す矢印は小さな紙で、地面にちょこんと直置きされています。ヘッドライトで地面を照らして小さな矢印を探しながら進みましたが何度か迷いました。
館内は明かりがついていたので矢印が見えやすく、順路を迷うことはありませんでした。スクリーンの映像などが全て通常通りに流れおり、ガラガラの館内にネルソン・マンデラ氏の声や国歌が響いていました。
館内に障害物は設置されておらず、せっかくなのでちょっと展示を見たりなどしながら順路に従って進みました。私は歩きましたが、もちろん館内を本気のスピードで走っている人もいました。普通なら博物館内を走っていたら怒られますが、レースなので今日はオッケーです。
駐車場を通ってもう1度遊園地に戻ってきました。また道なき道を進んで行きます。このあたりは特に暗く、照明もないのでヘッドライトなしでは進めなかったと思います。
岩と岩の間を通れとの指示が出てきました。その先はちょっとした崖だったのでジャンプして飛び降りました。
また塀をよじ登ったり飛び降りたりを繰り返し、ウォーターライドのアトラクションのコースに入りました。普段はボートが通る水路ですが、配慮されて水量は少し減らされています。それでもふくらはぎくらいまで水に浸かりながら、ジャバジャバ進んで行きます。
進んだ先にはロープが吊るされており、壁をよじ登るという障害物が待ち受けていました。上に引っ張り上げてくれる人がいましたが、足をかけるところがほとんどなく、足元がかなり滑るので苦労しました。
水路をなんとか脱出し、少し進むとまた別のアトラクションに入りました。ライド型のアトラクションの乗り場です。ホームから線路に降りて、またよじ登って反対側のホームから先へ進めとのことでした。
その後、また別のアトラクションの乗り場へ進んでいきました。こちらはジョジエクスプレスという大人気アトラクションで、ウォーターライド型のジェットコースターです。
順路の矢印はトンネルの中を示しているので、線路の上を歩いてトンネルの中へ進みます。トンネルの中からは何やら軽快なマリンバの演奏が爆音で聞こえます。ウォーターライドなので、線路の下には水が溜まっていました。
トンネルをくぐると一気に水深が深くなり、お尻くらいまで水に浸かりました。
ここは当時の金鉱採掘の作業の様子が再現された空間で、作業人のマネキンがところどころに設置されています。普段、この空間はジェットコースターに乗って通るので一瞬で通り過ぎてしまいます。せっかくなので歩いてじっくり見学しました。
参加者が怖がらないようにとの配慮からか、ミラーボールのようなカラフルな光がちらついており、更に爆音でマリンバのアフリカンな音楽が洞窟内に響き渡っていてパーティー会場のような雰囲気が演出されていました。
金鉱の洞窟を脱出し、こんどはまた別のアトラクションの線路の上を歩きました。下は池になっていて
、高さもそこそこある線路でした。
また柵を乗り越えます。
だんだんゴールが近づいてきました。
ついにゴールです。最後は子供用のビニールのアスレチックをよじ登るのですが、先ほどの水の障害物の後なので、先に通った参加者の靴で泥まみれになっていてものすごく滑ってかなり難易度が高かったです。
ゴール後はスタッフからメダルとドリンクを受け取り終了です。
18時20分にスタートし、帰ってきたのは19時40分でした。後日、WEBサイトで参加者全員のタイムが確認できるのですが、1位は28分9秒の男性でした。驚異的な記録です。
この障害物レースはジャンプシティチャレンジ(JUMP CITY CHALLENGE)というイベント企画会社が運営しています。ヨハネスブルグでは今回のゴールドリーフシティ会場で毎年10月ごろ開催しています。チケットは以下の公式WEBサイトで事前に購入し、当日にSMSでエントリー番号と入場用のバーコードが送られてきます。当日はエントリー番号順のスタートとなるので、早く購入すればするほど早くスタートできます。荷物はR30で預けられますが、現金払いのみなのでご注意ください。
遊園地の敷地の中にホテルも併設しているので、そこに宿泊すれば旅行者の方でも安全に参加しやすいイベントかと思います。観光地の裏側を見たい方、いかがでしょうか。
◾️JUMP CITY CHALLENGE
参加費:R340
◾️ゴールド・リーフ・シティ
◾️アパルトヘイト博物館
https://www.apartheidmuseum.org/
ヨハネスブルグ以外では、ダーバンでもジャンプシティチャレンジによる障害物レースが毎年開催されています。
ダーバンでは、ウシャカマリンワールドという大型複合施設で開催されます。大型プールと水族館のある、ダーバン観光の目玉施設です。次回は2026年の5月に開催が決まっています。
こちらのレースに参加したことはまだありませんが、施設自体は別の記事でご紹介しているのでよければご一読ください。レースではウォータースライダーもコースに入っているようです。
また、ダーバンではキングスパークスタジアムという大型スタジアムでも開催されます。