黄金の都 シカン(DVD)
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リマから飛行機で約1時間。ランバイエケ州にある町「チクラヨ」は、ペルーの3つの気候帯(セルバ・コスタ・シエラ)のうち、海岸砂漠地帯である「コスタ」に位置しています。最近では、新ローマ教皇がかつて暮らしていた町としても注目を集めています。このチクラヨの隣町・フェレニャフェにあるのが、自然と歴史が共存する国立歴史保護区「ポマの森」。今回はその魅力をご紹介します。
この保護区は、世界最大級のアルガロボの群生する乾燥林(Bosque seco)として知られています。固有種を含む多様な鳥類や爬虫類、メガネグマなども確認されており、生物多様性の非常に高い地域。気候変動や森の減少によって絶滅の危機に瀕している「コルタラマ」は保護区のイメージキャラクターにもなっています。
「ポマの森」は、自然環境だけでなく文化的にも非常に重要で、国立歴史保護区という名の通り、生物多様性と文化遺産が融合した特別な場所。ペルーを代表するマチュピチュも、この国立歴史保護区に分類されています。保護区の総面積は約5,800ヘクタール。広大な敷地を巡るには、車やモトカー(三輪バイク)での移動が一般的ですが、ツアー会社による乗馬やサイクリングツアーなどもあります。
保護区内には、モチェ王国衰退後の紀元800年頃~1100年頃のシカン文化のピラミッド群が30以上点在しています。そしてこのシカン文化を語る上で欠かせない存在が、日本人考古学者の島田泉先生。「シカン」の名づけ親としても知られています。1978年から約30年に渡り発掘調査を続け、1991年には保護区にある「Huaca Loro(ロロ神殿)」にて「シカン王」の黄金の仮面を発見。この発見は世紀の大発見として世界的に注目されました。日本でも国立科学博物館をはじめ全国各地で「黄金の都 シカン発掘展」が巡回展示され、島田先生らによる発掘調査の様子を追ったTBS製作のドキュメンタリー作品も制作されています。興味のある方は是非チェックしてみてください。
森の中央には Río La Leche(リオ・ラ・レチェ、「牛乳の川」の意) が流れています。雨季(11月~4月頃)になると川の水量が増し、森が二分されることもあるそうです。そのため、乾季にはこの川を歩いて渡り、ピラミッド群まで向かうことができますが、雨季で渡れない場合はルートを変更する必要があります。
当日受付にて川の状態を確認してみましょう。
チクラヨの中心地から「ポマの森」の入り口となるビジターセンターまでは約50㎞、車で約1時間20分ほど。最も手軽なのは、ツアー会社やタクシー(チクラヨではUberも利用可能)を利用する方法です。コストを抑えたい場合は、コンビと呼ばれる乗り合いバンもおすすめ。チクラヨの停留所から入口付近までは片道6~7ソル(約240~280円)ほどで行けます。(Bosque de Pómac / Batán Grancde / Santa Clara行きのうちのどれか)乗車の際に運転手にBosque de Pómac(ボスケ・デ・ポマック)と降車希望を伝えれば、入口近くで降ろしてもらえます。コンビの乗り方については、過去のブログにてご紹介しているのでチェックしてみてください。
帰りの際は、停留所はありませんが、定期的に道路を通るコンビに手を挙げれば乗車できます。ちなみに、帰り道途中の「Museo Nacional de Sicán(シカン博物館)」で下車し、「ポマの森」と合わせて見学するのもおすすめです。
【国立歴史自然保護区 ポマの森】
◆営業時間
8:30am – 5:30pm
◆入場料
– 外国籍 30ソル(大人・子ども一律)
– ペルー国籍 11ソル(大人)/5ソル(子ども)
– ランバイエケ在住 5ソル(大人)/3ソル(子ども)
※5歳以下、65歳以上は入場無料(ペルー在住者のみ)
※毎月第一日曜は無料開放日(ペルー在住者のみ)
「ポマの森」と合わせて訪れたいのが、「国立シカン博物館(Museo Nacional de Sicán)」。
【国立シカン博物館】
◆営業時間
9:00am – 5:00pm(月曜定休)
◆入場料
– 一般 8ソル
– 大学生 3ソル
– 小中学生以下 1ソル
※60歳以上、障害のある方、教職員の方は身分証ご提示で50%割
※毎月第一日曜は無料開放日
保護区に点在するピラミッド群からの出土品はすべてこちらの博物館に所蔵されており、古代シカン文明の歴史や人々の生活の様子について詳しく知ることができます。また、先にご紹介した日本人考古学者・島田泉先生が発掘した「Huaca Loro(ロロ神殿)」の黄金の仮面などの展示は必見。館内では島田先生の発掘の様子を紹介するビデオも視聴できます。
いかがでしたでしょうか。今回はペルー北部に位置する、国立歴史自然保護区「ポマの森」についてご紹介しました。マチュピチュやナスカの地上絵以外にも、他にも多くの見どころがあるペルー。
ぜひ少し足を延ばして、この特別な場所にも訪れてみてはいかがでしょうか。