【ペルー】野生のカカオ!アマゾンのスーパーフード「マハンボ」とは
2025.8.20
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リマから飛行機と車を乗り継いで約4時間。ペルー北部の熱帯雨林地域「セルバ」に属する町、リオハ。この町では、雨季となる10月頃になると、地中から飛び立つ大型の羽アリ、「Siquisapa(シキサパ)」を獲って食べる独特の文化があります。今回は現地で「季節限定の珍味」、そして「地域文化の象徴」として親しまれている、このシキサパを食べる文化についてご紹介します。
リオハをはじめ、サンマルティン州を中心とするセルバの地域で食べられているのが、「シキサパ」といわれる大型の羽アリ。この「シキサパ」という名称は、ケチュア語の ”Siqui(シキ)=お尻・腹部” に由来されるとされており、大きなお尻を持つアリという意味を持っています。そしてその名の通り、「シキサパ」は普通のアリと比べてかなり大型の羽アリです。
雨季になると、地中の蟻塚から羽アリが一斉に飛び立つ「交尾のフライト」の時期を迎えます。
そのタイミングこそ、シキサパのまさに“旬”。10月頃になると、市場にはバケツいっぱいのアリを売る人たちがずらりと並びます。この時期になると、道路の脇を歩いている人をよく見かけるなと思っていたのですが、どうやら彼らはアリを収穫している地元の人々だったようです。
このアリを食用とする習慣は、主にペルー北部のセルバ地域での伝統的な昆虫食文化のひとつです。収穫期となる10月には、毎年サンマルティン州モヨバンバのヤタロ(Yataló)という町では、「Festival de la Hormiga Siquisapa(アリ祭り)」が開催されるほど、この地域の伝統文化として地元の人々の誇りなっています。第10回目となる今年は、10月24日~26日に開催予定。会場ではアリを使ったさまざまな料理や飲み物が並び、地元の人々の誇りとして受け継がれています。
最も一般的な食べ方としては、アリの羽を取ってそのまま揚げてスナック感覚で食べるスタイル。味はエビなどの甲殻類のように香ばしい味です。市場でも気軽に購入できますが、家庭では自分たちでアリを採ってきて、家で調理して楽しむそうです。
他にもセルバ地域の代表料理である「パタコネス(揚げバナナ)」にアリを添えたものやアリ入りのお酒、中には以前紹介したアイスクリームなど、ジャンルを問わず様々な創作アリ料理も登場しています。
10月はセルバ地域の雨季の始まり、そしてアリの旬の時期。
市場やイベントなどで見かけたら、ぜひ勇気を出して一度チャレンジしてみてください。
きっと、セルバの自然と文化の豊かさを味覚で感じられるはずです。