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アメリカでは長いこと、東ならニューヨーク、西ならカリフォルニアの都市部など、日本人が多く居住するエリア以外で日本食材の入手や純粋な和食を味わうことは容易ではありませんでした。しかし、約20年ほど前から日本式のラーメンがブームとなり、寿司の人気も定着したことから、郊外の中小都市でもラーメン店や寿司店が増え、日本食材を一部扱うスーパーも増えてきました。そんなアメリカの和食事情の現在の「リアル」をレポートします。
アメリカに20数年以上住む身として、最近感じることは、寿司とラーメンの認知度が格段に上がってきたことです。10数年前ニューヨークのマンハッタンに一風堂や一蘭など有名ラーメン店が開店したときも大きな話題になっていましたが、地方都市でも最近は日本で食べるものと遜色ないラーメンを味わえるお店が増えてきました。ラーメンをランチタイムに提供する寿司屋もあれば、ラーメン専門店、日本風居酒屋などもあり、とりわけラーメン人気店の入口はいつも行列になるほどの盛況です。
Food Channelという料理専門テレビチャンネルで吹替版「料理の鉄人」が放送され始めた頃から「旨味(うまみ)」「出汁(だし)」「パン粉(ぱんこ)」といった言葉もそのまま定着し、料理人たちが短時間で料理の技を競い合うフードバトル番組も毎日見られるようになりました。
寿司に関しても、大型スーパーの一角にはカリフォルニアロールだけでなく、握り寿司やいなり寿司も揃えた寿司パックが並べられており、手軽に食べられるようになりました。
ワシントンDCのチャイナタウンには回転寿司の「くら寿司」があり、日本と同じような回転寿司の作法を楽しむことができます。
■メリーランド州にあるラーメン専門店の一例
アキララーメン(Akira Ramen & Izakaya)
ラーメンウツケ(Ramen Utsuke)
日本食材が欲しいとき、ワシントンDCエリア(バージニア州北部、メリーランド州を含む)の場合、一般的な方法は1.日系のスーパー、2.韓国系スーパー(Hマートやロッテなど)、3.オンラインショップ(Weee!など)があります。
日系のスーパーは韓国系と比べて小規模で店舗も多くはありませんが、ワシントンDCにはHana Market「ハナ・マーケット」、メリーランド州ロックビルにあるMaruichi 「マルイチ」、バージニア州のタイソンズにはMarufuji「マルフジ」スーパーなどがあります。
韓国系のスーパー(Hマート、ロッテスーパーなど)になると、地元のスーパーと同じくらいの大型店舗で、日本、韓国、中華関連の生鮮食材も豊富に扱っています。
日系スーパー、韓国系スーパーともに比較的人口の多い郊外の中都市に集中しているため、そこからも距離がある地域になると、3つ目の選択肢であるオンラインショップがやはりお手軽になります。
ウォルマートWalmartやウェグマンズWegmansなどの米系スーパーでも、醤油や即席ラーメンはもちろんのこと、みりんや米酢、昨今では「スシライス」と称して日本のおコメと同じ短粒米の取扱いが増えてきました。アジア系スーパーに比べるとまだまだ種類は少ないですが、豆腐や白菜、もやしなどを米系スーパーで買えることもあります。
■日本食を扱う主なスーパー
ハナ・マーケット(ワシントンDC)
マルイチ(メリーランド州ロックビル)オンライン販売もあり
マルフジ(バージニア州タイソンほか)
Hマート(バージニア州フェアファックスほか)オンライン販売もあり
Weee!(アジア食材オンラインショップ)
長年アメリカに暮らしていると、「和食」が食べられるレストランの増加は嬉しいことです。
一方、「和食」の認知度としてはまだまだと感じる場面もあり、例えば小さな田舎町の道路沿いで見かける「アジア料理」のレストランの中には、和食、中華、韓国料理、ベトナム料理、タイ料理のメニューが同列に並び、一見どの国の料理専門店かわかりにくいこともあります。
また「海外あるある」なのでしょうか、カジュアルな寿司屋や日本食レストランでは、定食を頼むとメインが来る前にサラダと味噌汁(レンゲ付き)が提供されることがあります。御飯と味噌汁を一緒に食べる日本の食習慣からみれば、違和感を感じますが、サラダとスープの提供は他の西洋料理では一般的なので、そのスタイルを踏襲しているのではないかと思います。
アメリカの地方都市でもラーメンや寿司が増え、オンラインで日本食材が手に入るようになってきたとはいえ、まだ特定のメーカーや種類の商品を選ぶことはは容易ではありません。でも、工夫次第である程度自分が食べたいものに近づくことはできます。「無いものを嘆くより、手に入るモノを工夫して楽しむ」ことを日々心がけています。