フランス文化が詰まったパリの珠玉図書館へ

パリには新旧様々な図書館があります。もっとも規模が大きなものだと、ベルシー地区にある国立図書館フランソワ・ミッテラン館(新館)。一方で同国立図書館の旧館であるリシュリュー館は、豪華な装飾がこれぞ欧州の伝統ある図書館といった趣です。トップに上げた写真はパリ第4(ソルボンヌ)大学の図書館です。
今回はパリの美しい図書館をいくつか紹介したいと思います。
1つ目は5区にあるサント・ジュヌヴィエーヴ図書館。フランスの偉人たちが眠る建物パンテオンの隣にあり、周囲はパリ大学群や難関校のアンリ4世高等学校、ルイ・ル・グラン高等学校が立ち並ぶ文教地区です。設計はアンリ・ラブルーストが行い、同図書館は彼の代表作になりました。ラブルーストは国立図書館リシュリュー館もデザインしています。一般に開放されています。

サント・ジュヌヴィエーヴ図書館から西へ歩きましょう。5区から6区に行政区が変わり、リュクサンブール公園が広がります。その一角に元老院(上院議会)が入るリュクサンブール宮があるのですが、この宮殿内にメディシス図書館はあります。

リュクサンブール宮は、元々イタリアからフランス王室に嫁ぎ、ルイ13世の母となったマリー・ド・メディシスの宮殿として改装されました。内装は彼女が幼い頃過ごしたフィレンツェ・メディチ家のピッティ宮殿を模しています。同図書館の天井画はドラクロワによる作品です。元王室の宮殿だけあって装飾も絢爛豪華ですね。入館には事前登録が必要です。
リュクサンブール宮から北へセーヌ川方向へ行くと、フランス学士院があります。その中にあるマザラン図書館はフランス最古の公共図書館です。マザランは5歳で即位したルイ14世の実質的な宰相を務めた枢機卿です。同図書館は彼の個人コレクションを収めるための場所として設立されました。この図書館も前述の2館に負けず劣らず、美しい内装で訪れる人々を圧倒します。月〜金曜の10時〜18時に一般に開放されています。

図書館の入館には登録が必要ですし、観光でふらっと訪れづらい場合も多いですが、フランス文化が詰まった空間は、どれも一見の価値あるところばかりです。

筆者
フランス特派員
守隨 亨延
パリ在住ジャーナリスト(フランス外務省発行記者証所持)。渡航経験は欧州を中心に約60カ国800都市です。
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