【レンヌ】宮殿が構えるエレガントな空間!サン・ジョルジュ庭園
レンヌ駅正面の道を直進すると目に留まる美しい庭園が、サン・ジョルジュ庭園です。決して有名観光地ではありませんが、レンヌを訪れたら是非とも一目見て欲しいお勧めの場所です!
17世紀に建てられたサン・ジョルジュ宮殿の歴史
6世紀にアラン三世公爵によって街の城壁の外側に設けられたベネディクト会大修道院。1670年、マグドレーヌ・ド・ラ・ファイエット執政官の命によってその修道院の敷地の中に建設されたのが、現在のサン・ジョルジュ宮殿です。サン・ピエール大聖堂なども手掛けた17世紀のレンヌを代表するラヴァル派の建築家、トゥガル・カリとピア・コルビノーの2人によって設計されました。
優雅さを感じるアーチが特徴的な建築
今日は街の行政組織によって使用されているため内部に入ることは出来ませんが、庭園からエレガントな外観を眺めることが出来ます。中央の屋根に注目すると円弧状にアーチを描く妻壁となっていて、王冠をあしらった大修道院の紋章と、正義と平和を示すアレゴリーによって飾られているのが印象的です。日が暮れると、石灰土で出来た高さのあるアーケードが特徴的な建物がライトアップされ、一層の存在感を放っています。
季節の花々に彩られる庭園
また、目の前のサン・ジョルジュ庭園は市民の公園として開放されています。幾何学模様を描くフランス式庭園となっており、一年を通じて季節の花々に彩られます。先日訪れた際には、さまざまな色や形のチューリップが可愛らしく並んで立ち寄る人々をもてなしていました。敷き詰められた砂利は歩くと心地よく、鳥のさえずりが楽し気に癒しの音色を奏でています。街の中心で自然と触れ合うことの出来る貴重な空間なので、古くから地元の人々に愛されています。
新たな人生を歩みだす魔法使いとの出会い
公園の中で異彩を放って佇んでいるのが、芸術家ジャン=ミッシェル・サヌジューアンが手掛けた石の彫刻です。2004年にレンヌ駅前広場でお披露目されましたが、駅舎改修に伴う大規模工事が始まったことから2015年にこの公園へと移設されました。『魔法使い』と名付けられ、「以前見つけた場所へと視線を向けながら、魔法使いは新しい人生を始めるのだ」と解説が付けられています。
駅からレンヌの中心部へと歩いて向かうには必ず通る場所の一つであります。ちょっと立ち寄って散歩をしたり、ベンチに座って少し休憩をしたり、のんびりと楽しい時間を過ごしてみてくださいね。
それでは、次回もとっておきの地元情報をお届けしたいと思いますので、楽しみにお待ち頂ければ嬉しいです。
〈文・写真:高津竜之介〉
筆者
フランス特派員
高津 竜之介
NPO法人「日本で最も美しい村」連合在フランス研究員。レンヌ第2大学言語学部非常勤講師。現在は同大学人文社会学研究科において「世界の最も美しい村の比較研究」をテーマに博士課程在籍中。
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