フランスの田舎で市街地にはない文化やグルメを体験。パリ発着のおすすめファームトリップ

公開日 : 2022年12月05日
最終更新 :

パリから列車旅をした人は気づいたかもしれませんが、フランスでは、都心から少し離れるだけで畑が一面に広がり景色が一変します。そこでパリから日帰りで行ける、その土地ならではの文化やグルメを楽しめる個性的な地方の町を選んでみました。

パリ近郊にある白カビチーズの産地、モー

マルヌ川とモーの町並み ©iStock
マルヌ川とモーの町並み ©iStock

フランスの代表的なチーズにブリ・ド・モーという種類があります。「モー」という町で造られる「ブリ」という白カビのチーズのことなのですが、じつはそのモーはパリ・東駅から列車で約40分の日帰り圏内にあります。

モーはセーヌ川の支流であるマルヌ川沿いにある町。町の主要スポットだけなら徒歩で巡れます。まず訪れたいのがブリ・ド・モーの博物館「メゾン・デュ・ブリ・ド・モー」。ここではブリ・ド・モーの歴史や製造方法などを学べます。観光局もここにあります。博物館近くにあるサンテティエンヌ大聖堂も訪れてみましょう。

ブリ・ド・モーは滑らかで食べやすい ©iStock
ブリ・ド・モーは滑らかで食べやすい ©iStock

モーの町中にもチーズ店はありますが、マルシェへ行けば近郊からブリ・ド・モーを作っているチーズ農家が、産直で販売しているスタンドに出合えます。マルシェは大聖堂からマルヌ川を渡った先。営業時間は8:00〜17:00ですが食料品は13:00までなので注意が必要です。チーズと合わせてつまめるものをホテルなどに持ち帰って、その日の晩にワインと一緒に楽しんでもいいですね!

Maison du Brie de Meaux(メゾン・デュ・ブリ・ド・モー)
住所
5 Place Charles de Gaulle 77100 Meaux
Marché du quartier du Marché(市場地区のマルシェ)
住所
Place du marché Quartier du marché 77100 Meaux

カジノの町アンギャン・レ・バンで運試し

アンギャン湖 ©iStock
アンギャン湖 ©iStock

パリ・北駅からトランシリアンH線で約20分揺られた先に、カジノの町があることを知っていますか。北郊外にあるアンギャン湖畔はホテル、スパ、カジノなどを備えたバリエールグループの施設とともに小さなリゾート地の雰囲気を漂わせています。アンギャン・レ・バン駅から10分程歩くと湖畔に到着。その周囲にカジノ・バリエールを始めアミューズメント施設が立ち並んでいます。

カジノといってもアンギャン・レ・バンのカジノは服装もスマートカジュアル。敷居は高くありません。入場は18歳以上で身分証(パスポートなど)の提示が必要です。ルーレット、ポーカー、スロットなど定番のゲームが並んでいます。スパ・ディアーヌ・バリエールは同地で湧き出る鉱泉を利用。ジャクジー付きの大きな温浴施設でゆっくりできます。ハマムやサウナ、エステ、プール、ジムなども併設されています。

湖の周辺には散策路が広がっている ©iStock
湖の周辺には散策路が広がっている ©iStock

カジノとスパと聞くと大人のリゾートと思いがちですが、湖でのボート遊びなどファミリーも多いです。パリから近場でフランスのカジノ&スパリゾートに少し触れてみたい時は足を運んでみてください。

Barriere
住所
3 Avenue de Ceinture 95880 Enghien-les-Bains
Spa Diane Barrière - Enghien-les-Bains(スパ・ディアーヌ・アンギャン・レ・バン)
住所
87 Rue du Général de Gaulle 95880 Enghien-les-Bains

狩猟のために建てられた城の町コンピエーニュ

庭園側からみたコンピエーニュ城 ©iStock
庭園側からみたコンピエーニュ城 ©iStock

パリ・北駅から列車で50分程ほど北東へ向かった先のコンピエーニュ城は、フランスが君主制を敷いていた時期の最後に建てられた城です。その前に広がるのがコンピエーニュの町です。

城は狩猟が好きだったルイ15世が建設を始めました。設計はヴェルサイユ宮殿のプチ・トリアノンを担当したアンジュ=ジャック・ガブリエルです。しかし完成する前にルイ16世の治世でフランス革命が起こるとフランスの君主制は終焉へ。城は荒れ果てますが、その後ナポレオン1世やナポレオン3世がこの城を好んだことから宮殿は修復されました。

城の裏手には広大な庭園が広がりとても気持ちがいいです。近くのパン屋さんでサンドイッチなどを買ってピクニックするには最適の場所です。

コンピエーニュはパリから手軽に行けますので、せっかくならコンピエーニュ駅からバスで20分程行った先にあるピエルフォンもセットで。中世の城のイメージそのままの美しいピエルフォン城は見応えがあります。

ピエルフォンの町並みとピエルフォン城 ©iStock
ピエルフォンの町並みとピエルフォン城 ©iStock

シャンパーニュの町エペルネーで楽しむワイナリー巡り

シャンパンの製造で有名なシャンパーニュ地方において、ランスと共に中心地としてシャンパンメーカーが集積するのがエペルネーです。約2万人の人口の町に世界的に有名なシャンパンメーカーがいくつも本社を構えています。

エペルネーでの楽しみ方は何といってもワイナリー巡り。町の中心部にあるシャンパーニュ大通りにはモエ・エ・シャンドンをはじめペリエ・ジュエ、ポル・ロジェ、ドゥ・ヴノージュ、メルシエなどの会社が並びます。各ワイナリーはメゾン見学やショップ、試飲スペースなどを設けており(内容は各メーカーによる)試飲をしながら散策を楽しめます。

モエ・エ・シャンドンの敷地内にあるドン・ペリニヨンの像
モエ・エ・シャンドンの敷地内にあるドン・ペリニヨンの像

お酒以外では係留気球でエペルネー上空から町を眺められる「ル・バルーン・デペルネー」やこの地方の歴史文化を学べるエペルネー・シャンパーニュワイン地域考古学博物館があります。

エペルネーは住民ひとり当たりの収入がフランスで最も高いといわれており、シャンパーニュ大通りを中心に町は綺麗に整備されています。パリ・東駅から列車で約1時間30分の距離にあり日帰りで気軽にシャンパンの本場を訪れることができます。

Le Ballon d’Epernay(ル・バルーン・デペルネー)
住所
Esplanade Charles de Gaulle 51200 Épernay
Musée du vin de Champagne et d'Archéologie régionale d'Epernay(エペルネー・シャンパーニュワイン地域考古学博物館)
住所
Château Perrier 13 avenue de Champagne 51200 Épernay

筆者

フランス特派員

守隨 亨延

パリ在住ジャーナリスト(フランス外務省発行記者証所持)。渡航経験は欧州を中心に約60カ国800都市です。

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