100. ウズベキスタン旅行モデルプラン紹介。人気の観光都市を効率よく巡る周遊コースの決定版!

公開日 : 2023年04月11日
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サローム(こんにちは)!
一昨年12月に地球の歩き方タシケント特派員になって以来ウズベキスタン情報をお伝えし続け、これにてめでたく(?)100回目の記事となります。いつもブログをご覧いただいている皆様、本当にありがとうございます! 現在サマルカンド観光案内所で旅行者の方のお世話をしたり、時々街歩きのご案内をしたりしていますが、このブログを見ていますと言われることも多く嬉しいやら恥ずかしいやらです。

さて、今年こそウズベキスタンを旅行したい! というトラベラーが待ち望んでいたであろう最新版ガイドブックが、ついに今月(2023年4月)「地球の歩き方」から発行されます。ウズベキスタンの情報盛りだくさんの『地球の歩き方 Plat ウズベキスタン サマルカンド ブハラ ヒヴァ タシケント【2023新版】』がそのガイドブック。この『地球の歩き方 Plat』はおなじみの本家『地球の歩き方』シリーズより写真や地図が豊富なカジュアルに読めるシリーズで、私も愛用しています。ウズベキスタン編は以前は2019年に発行されたので、コロナ禍を挟んで約4年ぶりの出版となります。

その発行を記念して、旅行計画を立てている誰もが知りたいウズベキスタン必見情報を3つの記事に分けてお送りしましょう。まずはこの広い国をどうやって効率的にまわればいいの? というわけで観光モデルコースをご紹介。
ウズベキスタン旅行界にとってはめでたい出来事が続きますが、今月より成田発金曜午前、タシケント発木曜夜というスケジュールでウズベキスタン航空の直行便が就航します。この便利なフライトを利用すると仮定して、6泊8日の日程でプランを立ててみましょう。なお従来の最短ルートだった韓国乗り継ぎの大韓航空・アシアナ航空便を利用するとこの日程に当てはめるのは難しいですが、5泊7日や7泊9日といったスケジュールで滞在することができます。

タシケント空港 ウズベキスタン航空機体
コロナ禍までは週2便運航だったウズベキスタン航空成田便。私が唯一乗ったのはコロナ禍初頭にこの国から退避するときでした...。

ウズベキスタンの旅行プランは、西の果てにある砂漠の中の世界遺産都市ヒヴァ(ヒバ)を入れると入れないとではせわしさが全く異なります。少々疲れてもいいのでヒヴァも見てみたい! という欲張りさん向けプランと、サマルカンドやブハラをじっくり見たいのでヒヴァはパス、というのんびりさん向けプランの2つをご用意してみました。それでは旅程を詳しくご紹介いたしましょう。

●1日目

ウズベキスタン航空日本直行便の2023年4月現在のスケジュールは、成田11:05発・タシケント16:10着。着後タシケントで夕食に行けるほどの余裕がありそうですね。韓国乗継便だとタシケント着が19~20時頃となることが多いです。
以前はタシケント空港の到着ロビーを出ると白タク運転手に群がられ、タクシーアプリやホテル送迎がないと市内への移動は難易度高めでしたが、去年ようやく空港公式プリペイド式タクシーサービスが誕生して移動がかなり楽に。日中なら路線バスでも市内へアクセスできます。両替やキャッシングも忘れずに空港で行いましょう(※参考記事:72. タシケント空港国際線ターミナルガイド!市内へのアクセス・両替・お店情報etc)。もし翌日の朝飛行機でヒヴァへ向かうなら、空港至近の宿か、空港に比較的近い繁華街である地下鉄オイベック駅近くのエリアにホテルを取られることをおすすめします。

タシケント空港 到着ロビー
到着ロビーにタクシーカウンターとSIMカード購入カウンターができて便利になったタシケント空港

●2日目

ヒヴァに行きたい欲張りさん向けプランでは、この日の早朝さっそくヒヴァ近くの都市ウルゲンチへ国内線で向かいましょう(日によっては午後の便もあり)。この便は特にオンシーズンにはかなり混み合うので、余裕をもってチケット手配を。もし日程に余裕があるなら、タシケントからヒヴァに直行する夜行列車で向かってもいいかもしれません。なおタシケントからサマルカンド、ブハラ、ヒヴァとどんどん西に向かっていくルート順序でもいいのですが、万一ヒヴァでトラブルが起きた際タシケントに戻るのが遅れてしまい帰国便に乗れなくなる可能性も考えられるので、まず一気にヒヴァまで行ってしまうことをおすすめします。

ヒヴァの町は二重の城壁に囲まれており、内側の城壁に囲まれた内城イチャン・カラにかつての王国ヒヴァ・ハン国の宮殿やモスク、メドレセなどがぎゅっと詰まっています。サマルカンドやブハラとは全く異なる趣の町で、イチャン・カラを歩いていると迫力あるイスラム建築が次から次へと目に飛び込んでくるのです。主な見どころはすべて徒歩で回ることができ、あまり時間をかけることなく観光ができます。このヒヴァがあるホラズム地方の名物、香草を練りこんだ麺料理シュヴィト・オシュと卵が入った餃子トゥフム・バラクという2大ホラズム料理を味わうのも忘れずに。
(※参考記事:122. ヒヴァ観光モデルコース!貴重なイスラム建築が集まる旧市街イチャンカラを徹底散策

カルタ・ミノル
実は唯一行ったのが11年前というヒヴァ。そろそろ再訪しなくては...。

のんびりさん向けプランでは、この日高速列車アフラシアブ号(アフラシャブ号、アフロシヨブ号とも表記)でタシケントからブハラへ移動。2023年4月現在タシケント―ブハラ間を運行するアフラシアブ号は朝に2本・18時台に1本の1日3便。もし乗れれば朝の便、フライトの疲れを取った後向かうなら遅い便で。ブハラまでの所要時間は約4時間です。

●3日目

ヒヴァ泊のプランなら、この日はブハラへ移動。毎日ではないもののウルゲンチからブハラへの国内線もあるので、日にちが合えばこの日も空路で行くのが快適です。例えば日本直行便を利用してこのプランをたどった場合この日は日曜にあたりますが、2023年4月現在、日曜は8時台発と21時台発の2便運航しているようです。

また以前は鉄道路線がなく、陸路で行くなら砂漠を車で突っ切るしかなかったこの区間ですが、現在はイチャン・カラから徒歩15分の場所にヒヴァ駅もでき、直通列車が運行しています。2023年4月現在、朝8時台にヒヴァを出る列車が毎日運行、所要時間8時間弱。日によっては14時台や16時台に出る列車もあります。
ただいずれも寝台列車扱いになっている列車で、日中は寝台をボックス席やコンパートメントとして利用することになります。また1等にあたる2人個室寝台リュクスには冷暖房がついているものの、2等にあたる4人個室寝台クペや3等開放寝台プラツカルトは冷暖房なしなので、特に真夏にこの砂漠地帯を走行するのはなかなかの苦行になるかもしれません...。

寝台列車車内 3等開放寝台プラツカルト
通路を挟んで4人寝台と2人寝台が並ぶ3等寝台プラツカルト。2人旅で日中に乗るなら2人寝台を確保しておくと向かい合わせで座れる

前日にブハラ入りしたなら、この日はゆっくりブハラ観光。土色のイスラム建築が建ち並んでいるのが印象的なブハラ旧市街はコンパクトな広さで、交通機関を使わずに見どころをめぐることができます。
(※参考記事:108. ブハラ観光モデルコース!シルクロードの面影を色濃く残す古都を堪能する1日プランをご案内

カラーンミナレット
ブハラのシンボルのカラーン・ミナレットは町のどこからでも見ることができる

●4日目

列車の時間までブハラ観光。その後サマルカンドに向かいましょう。おすすめは午後に出発する高速列車アフラシアブ号で、2023年4月現在15時台に2本出ています。所要時間はたったの1時間半、ウズベキスタン版新幹線とも称されるアフラシアブ号ならではの速さです。

サマルカンド駅 アフラシアブ号
ウズベキスタンの看板列車アフラシアブ号

●5日目

おそらくこのサマルカンドの町にあこがれてウズベキスタン旅行を決めた方も多いのではないでしょうか。というわけでこの日は一日サマルカンド観光。青の都の別名にふさわしい美しいブルーの歴史建築を心行くまでお楽しみください。
なおサマルカンドの町は見所が広範囲に散らばっており、観光の際どこかで交通機関を利用することになるかもしれません。当然ながらガイドやドライバーを手配するのが最も楽ですが、自力でまわる予定の方はタクシーを効率よく利用しましょう。バス移動は難易度やや高めですが、チャレンジしたい方は先日執筆したサマルカンド交通情報についての記事(88. サマルカンド市内タクシー・バス・トラム乗車方法紹介!自作バス路線図も掲載)に自作バス路線図を載せておりますのでご参考にどうぞ。
(※参考記事:87. サマルカンド観光モデルコース!見所いっぱいの世界遺産都市を満喫するおすすめプラン紹介

レギスタン広場
サマルカンドを訪れる旅行者が必ず立ち寄るであろうレギスタン広場

●6日目

列車でタシケントに戻りましょう。サマルカンドをまだまだ見たい方は遅い便で、タシケントでもたっぷり時間を取りたい方は早めの便で。2023年4月現在の列車スケジュールでは、高速列車アフラシャブ号は朝6時台に1本、16~17時台に3~4本。朝8時台にはアフラシャブ号の次に速い列車シャルク号とナサフ号がそれぞれ1本ずつ出ており、こちらもおすすめです。所要時間はアフラシアブ号なら2時間強、シャルク号・ナサフ号なら4時間弱。
タシケント駅は地下鉄に接続しており便利。夜行列車は主にタシケント南駅に到着するので、間違えないようご注意を(※参考記事:83. ウズベキスタン各地への旅はここから始まる タシケント駅徹底解説!)。

シャルク号車内
シャルク号の車内は2等でも1列+2列の座席配列で快適

●7日目

ウズベキスタン最終日はフライトまでタシケント観光。見どころをめぐるのも楽しみですが、買い残したお土産があればここで調達を。このブログでもたびたびタシケントのお土産スポットを紹介しましたが、地方都市にはなかったセンスあふれる手工芸品やファッション商品が待っているかもしれません。タイミングが合えば、アートバザール(毎月1回日曜開催)やヴォストーチヌィ・バザール(毎週日曜開催)、蚤の市ヤンギアバッドバザール(アンティーク売り場は毎週週末開催)といった曜日限定バザールにもぜひ訪れてみましょう。
(※参考記事:55. タシケント観光モデルコース!ウズベキスタンの首都を最大限楽しむ旅行ルートをご紹介

チョルスーバザール 2階からの眺め
何時間でも見てまわれるタシケント最大級の市場チョルスーバザール

空港へはタクシーアプリが使えるならタクシー配車、使えなければホテルで送迎を頼むのがおすすめ。時間と心に余裕をもって空港へ向かいましょう。
成田行き直行便のスケジュールは、2023年4月現在タシケント22:05発・成田9:40着。韓国乗継便の場合も、タシケント発は夜または深夜になります。というわけでご旅行お疲れ様でした、一路帰国の途へ。

以上、タシケント・サマルカンド・ブハラ(・ヒヴァ)という定番都市を周遊するプランをご紹介しましたが、日程が長くなればなるほどあるほど旅行の幅が広がるのがウズベキスタンのいいところ。例えば1日追加できるなら...
・サマルカンドから日帰りでティムールの生地の世界遺産都市シャフリサーブスへ(※参考記事:35. 小さな町が生んだ偉大な英雄。ティムールの故郷シャフリサーブスへ
・ブハラとサマルカンドのほぼ中間地点にあるヌラタのユルタキャンプ滞在&アイダルクル湖で水遊び
・ヒヴァからのエクスカーションとして行ける、アヤズカラなどキジルクム砂漠の中のカラ(古城)めぐり&ユルタキャンプステイ

2日以上追加できるなら...
・タシケントから東へ向かい、伝統工芸品を求めてフェルガナ盆地の各町訪問(※参考記事:15. シルクの町マルギランの伝統工芸を支える工房、ヨドゥゴルリク・シルク工場)、16. 陶芸の町リシタンの新名所!国際陶器センターでリシタン焼の魅力にふれる
・主都ヌクスのサヴィツキー美術館や、アラル海の船の墓場がある町ムイナクが有名な、「スタンの中のスタン」カラカルパクスタン共和国へ
・貴重な仏教遺跡を見学しに、ウズベキスタンの南の果て・アフガニスタン国境沿いの町テルメズへ(※参考記事:27. アレキサンダー大王も三蔵法師もやってきた!テルメズ周辺のいにしえの遺跡めぐり

といった追加プランが考えられます。ぜひご興味に合わせて素敵な旅行プランを練ってくださいね。

船の墓場
船の墓場ではアラル海の干ばつにより出現した奇妙な光景が見られる

なお全ての旅程にいえることですが、ウズベキスタンの列車はとにかく混みやすいので早め早めのチケット予約を。基本的に乗車日の45日前から予約が可能になりますが、特にオンシーズンは乗車日の1か月以上前から席が埋まってしまうこともあります。例えば今この原稿を書いているのは4月初めですが、日本人旅行者の方がたくさん訪れると思われるゴールデンウイーク期間はすでに多くの列車の席が売り切れになっています。ウズベキスタン鉄道公式サイトから列車時刻の検索やオンラインでの切符購入が可能ですが、カードが使えずウェブ決済ができない場合は現地代理店に問い合わせてでも席を確保しておくことを強くお勧めします。
もし目当ての列車がいずれも満席の場合は、予定していたルートを逆回りにしてみましょう。それでも厳しければ、車で都市間を移動することになります。ガッツがある方は各都市間を運行している長距離バスや乗り合いタクシーに挑戦してみてもいいですが、不安なら現地旅行会社や宿泊ホテルに問い合わせてチャータータクシーを手配するのが確実です。

また駅から市内中心部への移動は、ヤンデックスタクシーなどのタクシーアプリなどが使えるならそちらで配車、なければホテルに送迎を頼むのがベスト。ただブハラ駅に関しては市内から15kmほど離れており、まだタクシー登録台数が少ないのもあって、駅到着後アプリで配車しようとしても車が出払ってしまうこともあるのでご注意を。どの駅前にもたむろしており旅行者を見るや声をかけてくる白タク運転手は、吹っかけてくることが多いです(現地人価格なら各都市駅から市内中心部まで2~3万スムほど)。日中ならバスでも市内中心部へ向かうことができ、タシケント駅では地下鉄、サマルカンド駅ではトラムも接続しています。荷物が少ない方やできるだけ移動代を安く上げたい方はご検討を。

なお大体の観光地は毎日営業していますが(年末年始や一部の祝日はクローズすることも)、バザールは基本的にどの町でも月曜がお休み。バザール見学をしたいなら月曜日にかぶらないように旅程を立てましょう。

次回の記事では旅行中にぜひ買いたいウズベキスタンのお土産について徹底解説する予定です。こちらもどうぞお楽しみに。
それではオク・ヨル(良い旅を)!

筆者

ウズベキスタン特派員

伊藤 卓巳

根っからのスタン系大好き人間です。まだまだ知られていないウズベキスタンの魅力や情報を、サマルカンドより愛をこめてお伝えします!

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