87. サマルカンド観光モデルコース!見所いっぱいの世界遺産都市を満喫するおすすめプラン紹介

公開日 : 2023年01月20日
最終更新 :

サローム(こんにちは)!

前回の記事では、サマルカンドという町がたどってきた歴史や見るべき遺産についてご紹介しました(86. 「青の都」「東方の真珠」私が住む町サマルカンドはどんな都市?)。じゃあどんなルートで観光地を見て回ればいいの? というわけで、2日間の日程でモデルプランを組んでみました。ウズベキスタンへいらっしゃる旅行者の方の誰もが憧れるであろう、サマルカンドブルーと呼ばれる色鮮やかな青のイスラム建築を中心に、見るべき観光地を余すことなく盛り込んだプランです。ぜひご参考下さいませ!
なおそれぞれ観光地やおすすめレストラン、交通手段についてはのちほど個別で特集記事を作成する予定ですので、そちらもあわせてご覧ください。また各観光地の入場料は3万~6万5000スムで、ウズベキスタン在住者はアクレディテーションカードを提示することで現地人価格で入ることができます。

午前中にサマルカンド駅に到着、翌日夕方サマルカンド駅を出発というスケジュールを想定してプランを立ててみます。タシケントやブハラから列車で来る方が大半かと思いますが、タシケントからは朝に4~5便、ブハラからは早朝に1便の高速列車アフラシャブ号が走っており、これを利用すると早く快適に移動できるので便利。駅では大勢のタクシー運転手が手ぐすね引いて待ち構えおり、旅行者と見るや間違いなく吹っ掛けてくるので、タクシーアプリ「ヤンデックスタクシー」で配車するのが無難です。また荷物が少なければバスやトラムを利用することもできます。

ホテルに荷物を置いたら、さっそくかの有名なレギスタン広場へ出かけましょう。これを見るためにウズベキスタン(サマルカンド)に来た! という方も多いのではないでしょうか。

レギスタン広場 ティラカリ・メドレセとシェルドル・メドレセ

ウルグベク・メドレセ、ティラカリ・メドレセ、シェルドル・メドレセという3つのメドレセ(神学校)からなるレギスタン広場。ぜひ注目してほしいスポットはウルグベク・メドレセのタイル工房やティラカリ・メドレセの黄金の礼拝所などですが、なんせスケールがでかい建築物なので、見とれるだけで時間が経ってしまうかもしれません。またかつて学生の寄宿舎だった部屋は現在お土産屋となっており、日本語で声をかけてくる店主もいて思わず足を止めてしまいます。このレギスタン広場だけで2時間ほどの滞在時間を見ておいたほうがいいかもしれません。
(※レギスタン広場の特集記事はこちら:96. サマルカンド観光の中心 3つの神学校が織りなす壮大な景観「レギスタン広場」

レギスタン広場 ティラカリ・メドレセの黄金の礼拝所
首が痛くなるまでずっと見上げてしまうティラカリ・メドレセの黄金の礼拝所の天井

レギスタン広場はレストランや食堂が多くランチには困りませんが、完全にツーリスト向けのお店もあり味の割には高くつくことも。そんな中でおすすめは、『地球の歩き方』にも載っているレギスタン広場から徒歩10分ほどのシャロフ・ボボ・オシハナ(シャロフ・ボボ・オシュホナスィ、Sharof Bobo Oshxonasi)。観光客より地元客の方が多いプロフ屋さんですが、このようなお店の方が間違いなく外れがないのです。プロフ(オシュ)はこの国を代表する料理だけあって地域ごとに味が違います。ぜひサマルカンドプロフの味を確かめてください。昼過ぎには売り切れになってしまうこともある人気店なので、12時から1時の間に行くことをおすすめします!
(※サマルカンドのプロフ屋さんの特集記事はこちら:138. サマルカンドで美味しいプロフが食べたい!地元民が愛するサマルカンドプロフの名店3選

シャロフ・ボボ・オシハナ サマルカンドプロフ

レギスタン広場とシャロフ・ボボ・オシハナの間から延びる歩行者天国のカリモフ通り(旧名タシケント通り)を少し行くと右手に現れるのが、ハッピーバード・アートギャラリー。ここはスザニや木工細工、細密画など伝統工芸の工房が集まるハンドクラフトセンターで、敏腕の職人さんが自慢の品を売っています。実際に作品を作っている様子が見られたり、作業体験・ワークショップができたりすることも。ここでぜひお気に入りの工芸品や雑貨を見つけてください。
(※ハッピーバード・アートギャラリーの特集記事はこちら:119. 職人たちの手仕事が見学できる工房が集まるハッピーバード・アートギャラリー サマルカンドで雑貨土産を買うならここ!

ハッピーバードアートギャラリー スザニ工房
部屋を埋め尽くすスザニに圧倒される、ハッピーバード・アートギャラリー内グロムさんのスザニ工房

レギスタン広場から南西に徒歩15~20分、緑豊かな公園の向こうにあるのがグル・アミール廟。また見事な青のイスラム建築がお出ましです。ここはサマルカンドを都に大帝国を築き上げた英雄ティムールが眠る霊廟で、外観もさることながら廟内部の黄金の装飾は本当に見事なものです。夕方に行くと夕焼けがドームに綺麗に映え、暗くなるとライトアップもされます。
(※グル・アミール廟の特集記事はこちら:97. 青のドームが美しい、英雄ティムールが葬られたサマルカンドのグル・アミール(ティムール廟)

グル・アミール廟 内部

夕食はぜひシャシリク(お酒が飲める方はwithビール)を。旧市街に泊まっている方はビビハニム・モスク近くのバブル・シャシリクハナ(カフェ・ボーブル、Kafe Bobur)、新市街にお泊まりの方やタクシーが利用できる方はビール工場近くの飲み屋街にあるボーチカ(Bochka)に行ってみるのはどうでしょうか。いずれも『地球の歩き方』掲載の有名店で、ジューシーなお肉とビールが最高にマッチします。特に暑くて乾燥している夏場に飲むビールはこの上ない至福です。
(※カフェ・ボーブルの特集記事はこちら:113. サマルカンド観光エリアど真ん中で肉とビールを!ローカルなシャシリク屋カフェ・ボーブル
(※ボーチカや飲み屋街の特集記事はこちら:107. ビール好きなら絶対行きたい!サマルカンドのパブストリートとおすすめ飲み屋

バブル・シャシリクハナ シャシリク
大人数でわいわい食べるにはもってこいのシャシリク。タシケントに比べるとお酒を出すシャシリク屋が多いのもうれしい

またレギスタン広場は夜ライトアップされ、日中とはまた違った美しい姿が見られるので、再度訪れてみるのもおすすめです。ビールを飲みすぎてから行くと感動が薄れてしまうかもしれないので、飲みすぎないようご注意を...。

夜のレギスタン広場

翌日朝いちで訪れてほしいのが、サマルカンドで一番美しい場所との呼び声も高いシャーヒズィンダ廟群。というのもここは細い一本道に沿って青い華麗な霊廟が建ち並んでおり、さらにその美しさから近年写真映えスポットと化しているので、時間帯によっては観光客でごった返し、撮影待ち渋滞が発生するほどなのです。冬場は8時から、それ以外の時期は7時から開いているので、できるだけ早めに行って旅行者が少ないうちに観光するのがベストです(他の観光地にも当てはまりますが、特にオンシーズンの土日はウズベク人の観光客や遠足学生などで非常に混雑します)。または夕焼けがきれいに見えるスポットでもあるので、混雑覚悟で夕方に行ってみてもいいかもしれません。
(※シャーヒズィンダ廟群の特集記事はこちら:99. 美しい青の霊廟が両側から迫ってくる!これぞサマルカンドブルーの歴史遺産シャーヒズィンダ廟群

シャーヒズィンダ廟群

シャーヒズィンダ廟群からは徒歩でテラスからの眺望が美しいハズラティ・ヒズル・モスクへ、さらにサマルカンド市民の台所シヨブ・バザールへ。食料品から日用品、お土産まで何でも売っており、買い物スポットとしても観光地としても楽しめます。月曜休みなのでご注意。
シヨブバザール前にはティムールゆかりの歴史建築の一つ、巨大なモスクのビビハニムモスクがあるので、こちらも忘れず見学しましょう。
(※ビビハニムモスクの特集記事はこちら:98. ティムールが残したロマンあふれるサマルカンドの巨大建築ビビハニム・モスク
(※シヨブバザールの特集記事はこちら:106. サマルカンド最大級の市場・シヨブバザールでシルクロード交易の面影を感じよう

シヨブ・バザール
活気あふれるシヨブ・バザールからビビハニム・モスクの青のドームを望む

このシヨブバザール内や周辺も食堂が多いですが、おすすめは今度の記事で紹介予定のIkat Boutiques Cafe & Restaurant。オーナーはウズベク人と日本人のご夫婦で、ウズベク料理のご飯やカフェメニューが楽しめます。お土産にぴったりのかわいいオリジナル雑貨もここで販売しているほか、旅行会社も経営されているのでツアーの相談なども可能。日本人には心強いお店です。
(※お店の特集記事はこちら:89. 日本人・ウズベク人夫婦経営のカフェ Ikat Boutiques Cafeはサマルカンド旅の心強い味方

またこの数軒隣には私がボランティアスタッフとして活動している観光案内所(103. 特派員が活動中のサマルカンド観光案内所ご紹介!学生スタッフがガイドする街歩きミニツアーも開催)もあるので、お時間がある方はぜひお越しください! 日本語やツーリズムを学ぶ学生と共にお待ちしております。彼らがガイドとしてご案内する街歩き・文化体験ミニツアーも販売中です。

Ikat Boutiques Cafe & Restaurant 雑貨商品
日本でも使いやすい小物雑貨を販売しているIkat Boutiques Cafe & Restaurant
サマルカンド観光案内所
サマルカンドで観光学・語学を学ぶ学生たちの実習先としてオープンしている観光案内所。皆様のお越しをお待ちしております!

まだまだ時間も体力もある方は、バスやタクシーで町の東側のアフラシャブ(アフラシアブ)の丘周辺の見所、ウルグベク天文台やアフラシャブ博物館、ダニエル廟へも行ってみては。2日間ならこのエリアに行くか行かないかぐらいでぴったりの行程かと思います。体力や気分に合わせて訪問場所を削ったり入れ替えたりしてくださいね。

ウルグベク天文台 ウルグベク像
ティムールの孫で、君主としても天文学者としても名をはせたウルグベク

とはいえサマルカンドは滞在すればするほど楽しみが増える町で、旅程に余裕があるなら何泊しても飽きることがありません。例えばもう1日増えるなら、郊外の見所のコニギルメロス紙すき工房や最近オープンした注目の施設シルクロード・サマルカンド、または新市街にある帝政ロシア時代の建物が美しい郷土史博物館(Regional Studies Museum)や教会、ワインテイスティングができるワイン工場(Khovrenko Winery)などに行くのはどうでしょう。

コニギルメロス紙すき工房 紙すきの実演
昔ながらの製法で「サマルカンドペーパー」を作っているコニギルメロス紙すき工房では、紙すきの様子を見学できる
郷土史博物館 ユダヤ人貿易商邸宅
ユダヤ人貿易商邸宅を改装した郷土史博物館は内部の装飾が美しい

世界遺産に登録されたウズベキスタン最大の観光都市だけあって、観光地には事欠かさないサマルカンド。見所を効率よく巡って、この町の魅力を味わいつくしてくださいね。なお他の記事ではタシケント(55. タシケント観光モデルコース!ウズベキスタンの首都を最大限楽しむ旅行ルートをご紹介)やブハラ(108. ブハラ観光モデルコース!シルクロードの面影を色濃く残す古都を堪能する1日プランをご案内)、ヒヴァの観光モデルプラン(122. ヒヴァ観光モデルコース!貴重なイスラム建築が集まる旧市街イチャンカラを徹底散策)もご紹介しているので、ぜひあわせてご覧下さいませ。

それではコルシュグンチャ・ハイル(また会う日まで)!

筆者

ウズベキスタン特派員

伊藤 卓巳

根っからのスタン系大好き人間です。まだまだ知られていないウズベキスタンの魅力や情報を、サマルカンドより愛をこめてお伝えします!

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