
【イタリア】ボローニャのメイン広場・ピアッツァマッジョーレを紹介③
ボローニャのメイン広場、ピアッツァマッジョーレシリーズの第3弾です。
本日は「パラッツォ・エンツォ」を背にして右側の建物、市役所を紹介します。
すでにあったアックルージ塔(時計台)の周りを覆うように1278年から建設を開始し、15世紀半ばまで増築されました。
覇権が移り変わる中でも増築を繰り返したことにより、帝国時代・教皇領時代の歴史や装飾がたくさんつまっています。
「【イタリア】ボローニャのメイン広場・ピアッツァマッジョーレを紹介①」は、こちら。
「【イタリア】ボローニャのメイン広場・ピアッツァマッジョーレを紹介②」は、こちら。
現在は市役者・結婚式・会議・コンサート・展示会など

市役所として今でも使われています!
会議室はとても豪華で、美術館のようです。使われていない時は、無料で入れます。

モニター画面・マイクは現代的ですね。

ボローニャの市役所で結婚をする場合は、「赤い広間」というところでサインをし、こちらの階段を下ります。
結婚式をやっていない時は上り下りが自由にできるので、新婚旅行やカップルでボローニャに来た際には思い出に記念撮影してもいいでしょう。
ボローニャの人なら誰でも知っているスポットです。

上の階にはピアノがあるコンサート会場があったり、ボローニャの歴史的なシーンを描いた絵画などが飾られていたりします。
365日24時間営業の薬屋さんもあり
覚えておきたいのは、市役所の入り口付近には薬局もあります。こちらの薬局は24時間365日営業しています。
イタリアの祝日等で他の薬局がしまっていても市役所の薬局だけはやっているので、急に具合が悪くなったときに便利です。

【歴史萌え】カール5世の戴冠式が行われた場所でもある!
ボローニャの市役所で1530年、スペイン王のカール5世がイタリアの王(神聖ローマ皇帝)として戴冠式が行われた場所でもあります。
当時の教皇がカール5世に冠を与えていますが、覇権を取られて屈辱の戴冠式であったと考えられています。

カール5世はヴェルディが作曲したオペラ「ドン・カルロ」の祖父にあたる人物です。歴史好きな人はもちろん、オペラ好きな人ならわくわくする場所ではないでしょうか。
ボローニャに限らず、カール5世の戴冠は有名な歴史的行事のため、他の街でも見かけることがありますよ。
市役所の中にはには、どれくらいの人が集まったのか、お金はどれくらい使ったのかなど、当時の戴冠式の様子が細かく記録されています。

【本日のマルコの裏ボローニャ話】ボローニャの人たちが250年前についた嘘!

ボローニャは力のある市民が統治していた時代・教皇が統治していた時代・帝国が統治していた時代など時代によって支配者が変わっていたため、市役所の装飾も教皇時代のものと帝国時代のものがよく見ると混ざっています。
市役所のメインエントランスの上には、ブロンズ像が飾られています。頭に飾られている大きな帽子(ティアラ)から、ローマ教皇の像であることがわかります。なぜなら、19世紀か20世紀の頭までは教皇が儀式の際には被っていたものだからです。

19世紀頭にはナポレオンの登場により、ボローニャも共和政になります。ナポレオンの影響がある共和政時代では厳しくキリスト教は非難されました。教会は空っぽにされ、贅沢なものはすべて政府に没収され、教会を表すシンボルは破壊されました。
では、なぜこの銅像は残っているのでしょうか?
それは当時のボローニャの人たちの知恵のおかげです。
ナポレオン派の人たちが、「この銅像は誰?」と聞いた時、ボローニャの人達は「サンペロ―ニオだよ!」と答えたためです。
もちろんウソです。
サンペトローニオは5世紀にボローニャの司教だった人です。ローマ教皇と関係ありません。
「あぁ、街の守護聖人の像なのね。じゃあ残していいよ。」
と言われて、壊しませんでした。
メイン広場に銅像があることもあり、ナポレオン派の人たちはすっかり信じてしまったのですね。
ただし250年前にボローニャの人たちがついた嘘のせいで、今でも、この像がサンペトローニオだと信じている人たちが一部います。
※本物のサンペトローニオ像はボローニャのシンボルである2つの塔にあります。現在は修復中で移動しています

教皇の銅像を壊されないためについた嘘が、今でも信じられているのは面白いですね。
それでは、また次回に続きます。
Arrivederci!

筆者
イタリア特派員
望月 唯
ボローニャ在住のメゾソプラノ歌手です。ボローニャ生まれのピアニスト・マルコと一緒にボローニャの歴史や裏話を紹介します。
【記載内容について】
「地球の歩き方」ホームページに掲載されている情報は、ご利用の際の状況に適しているか、すべて利用者ご自身の責任で判断していただいたうえでご活用ください。
掲載情報は、できるだけ最新で正確なものを掲載するように努めています。しかし、取材後・掲載後に現地の規則や手続きなど各種情報が変更されることがあります。また解釈に見解の相違が生じることもあります。
本ホームページを利用して生じた損失や不都合などについて、弊社は一切責任を負わないものとします。
※情報修正・更新依頼はこちら
【リンク先の情報について】
「地球の歩き方」ホームページから他のウェブサイトなどへリンクをしている場合があります。
リンク先のコンテンツ情報は弊社が運営管理しているものではありません。
ご利用の際は、すべて利用者ご自身の責任で判断したうえでご活用ください。
弊社では情報の信頼性、その利用によって生じた損失や不都合などについて、一切責任を負わないものとします。