パラティーナ美術館

Galleria Palatina/ガッレリーア パラティーナ

ラファエッロ・ファン必見

  • ピッティ宮の2階に位置し、歴代大公の収集したルネッサンスやバロック期のコレクションを中心に絵画や彫刻を展示
  • 主であった大公の好みのままに、ほぼ当時の状態で飾られている。
  • ラファエッロのコレクションは質量ともに秀逸

歴代トスカーナ大公のコレクションを公開したもので、ルネッサンスからバロックにかけての選りすぐりの作品が収められていて、ラファエッロとティツィアーノの作品には優れた物が多い。特にラファエッロは重要な作品が何点もあり、ファンの巡礼地となっている。またP.ダ・コルトーナらによる天井のフレスコ画をはじめとして内部は基本的には当時の姿をとどめている。展示の順序が時代や作風、作家別などに分けられていないので、やや見学しにくいかもしれないが、それだけにプライベートなコレクションの様子をよく伝えているともいえる。

美術館は中庭から右の階段を上った2階にある。
入口付近は重要な作品は少ないので、大公やその妃の好みが反映された当時の美しい室内装飾や調度を楽しもう。マリア・ルイザの浴室Bagno di Maria Luisa(第10室)やホームコンサートが催されたという音楽の間Sala della Musica(第15室)などもおもしろい。

展示の仕方が美しい、ラファエッロの作品
展示の仕方が美しい、ラファエッロの作品

ポッチェッティのギャラリーGalleria del Poccetti(第16室):ルーベンス『バッキンガム公爵の肖像』。
プロメテウスの間Sala di Prometeo(第17室):フィリッポ・リッピの『聖母子』Madonna con Gesù Bambino、ボッティチェッリの「美しきシモネッタLa Bella Simonetta」と呼ばれる『女性の肖像画』Ritratto femminileなど。
正義の間Sala della Giustizia(第19室):ティツィアーノの『V.モスティの肖像』Ritratto del Mosti、『キリストの復活』。
フローラの間Sala di Flora(第20室):A.デル・サルト『ヨセフの生涯』、
キューピッドの間Sala dei Putti(第21室):ルーベンス『3美神』、
ユリシーズの間Sala di Ulisse(第22室):ラファエッロ『布張り窓の聖母子』Madonna col Bambino,S.Giovannino e due Santeほか。
ジュピター教育の間Sala dell'Educazione di Giove(第24室):カラヴァッジョの『眠るキューピッド』Amore Dormienteなど。
イリアスの間Sala dell' Iliade(第27室):ラファエッロ『身重の女の肖像』La Gravida。
サトゥルヌスの間Sala di Saturno(第28室):とりわけラファエッロの作品が充実しており、この美術館で見逃せない部屋だ。ラファエッロの『大公の聖母』Madonna del Granduca、『小椅子の聖母』Madonna della Seggiola、『天蓋の聖母』Madonna detta del Baldacchino、『アニョロ・ドーニの肖像』Ritratto di Agnolo Doniなどが並ぶ。
ジュピターの間Sala di Giove(第29室):ラファエッロの『ヴェールの女』La Velata、F.バルトロメオの『ピエタ』Pietà/Compianto su Cristo morto、A.デル・サルトの『聖ジョヴァンニーノ』S.Giovanni Battista、ジョルジョーネの『人間の3つの時代』Le treetà del' Uomo、ブロンツィーノ『G.デッラ・ローヴェレの肖像』Guidobaldo della Rovereなど。
マルスの間Sala di Marte(第30室):ルーベンスの『戦争の結末』Le Conseguenze della Guerra、『4人の哲学者』I Quattro Filosofi、ファン・ダイクの『G.ベンティヴォリオ枢機卿の肖像』Ritratto del Cardinale Bentivoglio、ティントレット『L.コルナーロの肖像』、ティツィアーノ『イッポリト・デ・メディチ(枢機卿)の肖像』Ippolito de' Mediciなどが見られる。
アポロの間Sala di Apollo(第31室):ティツィアーノの『若者の肖像』Ritratto Virile、『マグダラのマリア』La Maddalena、サルトの『キリストの哀悼』Compianto sul Cristomorto(Pietà di Luco)、グイド・レーニの『クレオパトラ』Cleopatraなどがある。
ヴィーナスの間Sala di Venere(第32室):カノーヴァの傑作である『ヴィーナス』Venereが飾られていることから名づけられ、天井のフレスコ装飾はP.ダ・コルトーナによるバロック初期の作品だ。ティツィアーノの『法王ジュリオ2世の肖像』Ritratto di Papa Giulio Ⅱ、『美しき女』La Bella、『P.アレティーノの肖像』Ritratto di Pietro Aretinoなど。ジョルジョーネの影響を受けていた頃のティツィアーノの手によるとされる『コンチェルト』Concertoは印象的な作品だ。

ヴィーナスの間に飾られるカノーヴァ作の『ヴィーナス』
ヴィーナスの間に飾られるカノーヴァ作の『ヴィーナス』

ピッティ宮(パラティーナ美術館、君主の居室)館内図

チケットの料金と種類

パラティーナ美術館(君主の居室を含む)、大公の宝物庫Tesoro del Granduchi(旧銀器博物館)、近代美術館、衣装博物館の共通券(当日限り有効)

3~10月 €17
(8:45までにピッティ宮の切符売り場で切符を購入し、8:55までに入場すると入場料が€17→13€に)
11~2月 €10
(8:59までにピッティ宮の切符売り場で切符を購入し、9:25までに入場すると入場料が€17→半額に。)

※オーディオガイド1人用€8、2人用€13(日本語あり)
※毎月第1㊐は無料

ウッフィツィ美術館+ピッティ宮(上記全て)+ボーボリ庭園との共通券(3日間有効)

3~10月 €38
11~2月 €18

購入方法

・当日窓口で購入
 →朝一番で訪問すればほぼ並ぶ事はない。

・オンラインで事前日時指定予約※予約金別途+€3
 →オンライン購入サイト

・フィレンツェカードを利用
 →切符売り場(建物正面右側)に行かずに、そのまま入場口から入り、中庭左奥のブックショップで入場切符と交換。中庭のセキュリティチェックを通過して、階段を上がるとパラティーナ美術館。

写真

基本情報

電話番号
055-2388709
開いている時間
8:15~18:50※切符売り場は18:05まで、18:30より退出開始
料金
パラティーナ美術館(君主の居室を含む)、大公の宝物庫Tesoro del Granduchi(旧銀器博物館)、近代美術館、衣装博物館の共通券(当日限り有効)
3~10月 €16 11~2月 €10
※ウッフィツィ美術館+ピッティ宮(上記全て)+ボーボリ庭園との共通券
3~10月€38、11~2月€18(3日間有効)
最終更新 :

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