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北アフリカで人気の観光地であるモロッコ。スークでカラフルな工芸品から自分好みの一品を探したり、マラケシュのジャマ・エル・フナ広場に夜になると現れる屋台街を楽しんでみよう。彫刻が美しいハッサン2世モスクも必見だ。また、モロッコ料理の代名詞であるタジン鍋を使った煮込み料理をはじめ、魅力的なグルメがめじろ押しだ。今回は、そんなモロッコを訪れるなら必見スポットを10ヵ所紹介する。モロッコならではの歴史や文化を存分に体感すれば、旅がより豊かなものになるはずだ。
日が沈むとともに、ジャマ・エル・フナ広場は劇的に変貌する。昼間はスパイスやおみやげが並ぶ市場だが、夜になると一転して幻想的な雰囲気に。広場に次々と屋台が並び始め、ケバブやタジンの香りが漂ってくる。蛇使いや講釈師、音楽家たちが集まり、さながら祭りのように広場全体が活気づく。観光客はもちろん、地元の人々も一緒になって楽しむ独特の空間は、まさにモロッコの生きた文化そのものだ。
豪奢な庭園と精巧な装飾が施されたバヒア宮殿は、マラケシュでも人気の観光スポット。大宰相の私邸として19世紀に建てられた。カラフルなタイルや彫刻が施された壁や柱など、芸術的な装飾が施されている。また、広大な庭園はオレンジやジャスミンの香りに包まれ、散策するだけで心癒やされる。
ル・ジャルダン・スークレは、まさに都会のオアシスと呼ぶにふさわしい場所。ここは宮殿を改修した博物館であり、庭園は青々とした木々が美しい癒やし空間が広がっている。庭園内にはカフェやギャラリーも併設されており、静かなひとときを過ごしてみよう。
大西洋の波打ち際にそびえるハッサン2世モスクは、カサブランカの象徴的存在だ。このモスクは世界でトップ10に入るほどの大きさを誇り、ミナレットの高さは200mに達する。近代建築技術と伝統的なイスラム建築が見事に融合しており、特に内部の装飾は目を見張る美しさ。ハッサン2世モスクは観光客にも門戸を開いており、内部を見学できるツアーが開催されている。
ブー・ジュルード門をくぐると、迷路のような細い路地が複雑に絡み合うフェズのメディナ(フェズ・エル・バリ)が広がる。このエリアはユネスコの世界文化遺産にも登録されており、数百年の歴史を誇るタンネリ(革の染色工場)の独特な香りや、古びたモスクの厳かな雰囲気が漂う。見どころ満載だが、夢中になりすぎで迷ってしまわないように。
アトラス山脈のふもとにあるアイト・ベン・ハッドゥは、クサルと呼ばれる要塞化(カスバ化)された村のひとつで、ユネスコの世界文化遺産にも登録されている。集落全体が赤土のカスバ(要塞)で構成されており、太陽の光を浴びると独特の赤茶色が一層鮮やかに映える。その姿から、最も美しいクサルのひとつといわれている。また、数多くの映画のロケ地としても有名。
ティスーカ山とメッグ山の山肌に広がる町シャウエンは、建物が青色で彩られた、どこを切り取っても写真映えする町。高台にあるスペイン・モスク(ジャマ・ブザアファ)からは、シャウエンの町を一望できる。夕暮れ時に見せる青い家々や山々の壮大な景色は息をのむほど美しい。
ラバトに位置するウダイヤのカスバ(要塞)は、堅牢な姿が特徴の城塞。ウダイヤ門をくぐるとまるで迷路のような狭い路地が続き、青い扉や壁に囲まれた美しい庭園、オリーブの木が立ち並ぶ中庭を散策しながら独特な雰囲気を楽しむことができる。カスバの端にある展望台からは、ラバトの町や大西洋を一望できる。
ムーレイ・イスマイル廟は、17世紀末~18世紀初頭にかけてモロッコを統治した王ムーレイ・イスマイルの遺体が安置されている。内部には繊細なタイルワークや壮麗な天井の彫刻が施されている。廟の周囲には静かな庭園が広がり、霊廟にふさわしい神聖で荘厳な雰囲気が漂っている。観光客でも見学可能。
1769年までポルトガルの支配下にあったアル・ジャディーダでは、ヨーロッパの名残が感じられる。ポルトガル都市と呼ばれる城塞都市は、ユネスコの世界文化遺産に登録されている。特に注目すべきはポルトガルの貯水槽で、天窓から光が差し込むと一層幻想的な雰囲気になる。
夜のマラケシュに現れる屋台街、カサブランカの壮麗なモスク、シャウエンの写真映えする青い町、特色のあるメディナなど、モロッコを訪れれば色彩豊かな絶景に出合えるだろう。また、アイト・ベン・ハッドゥやウダイヤのカスバといった、歴史を感じさせる観光スポットも点在している。歴史に触れ、文化を学び、そしてその美しさに感動する、そんな旅をモロッコで体験してみてほしい。