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コートジボワール、進化する西アフリカの心臓 ~象牙海岸の交通改革~

JICA都市・地域開発グループ

JICA都市・地域開発グループ

国際協力機構

更新日
2025年7月18日
公開日
2025年7月18日

独立行政法人国際協力機構(JICA)
社会基盤部都市・地域開発グループ第一チーム 近藤竜平

地球の歩き方Web愛読者の皆様、ボンジュール(こんにちは)! JICAにて都市交通分野を担当してます近藤と申します。今回はJICAシリーズ初の西アフリカ仏語圏、コートジボワールにおけるJICAの取り組みについて紹介いたします!

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成長都市アビジャン、西アフリカのパリ

アフリカ大陸の西部、ギニア湾沿いに位置するコートジボワール共和国。国名はフランス語で「象牙海岸(Ivory Coast)」を意味し、その昔、象牙交易の一大拠点として栄えた歴史を持っています。1960年にフランスから独立し、現在の政治首都は内陸部にあるヤムスクロですが、実質的な経済・文化の中枢は、海に面した大都市アビジャン。人口は600万人を超え、西アフリカでも有数の大都市となり、高層ビルが立ち並ぶ一方で、カラフルな衣装の市民が行き交う伝統市場も健在。洗練された都市空間と人々の温かさが交差するこの都市は、「西アフリカのパリ」と呼ばれているそうです。

ラグーンに面したの独特の地形のアビジャン中心部(筆者撮影)
  • 水上交通(フェリー)も重要な交通手段(@istock)
  • 市場でパイナップルを売っている様子(@istock)

カカオからITまで

経済の原動力となっているのは、世界的にも知られる農産物。特にカカオの生産量は世界一を誇り、チョコレートの原料として世界中に供給されています。近年では農業に加え、IT産業や製造業の成長も著しく、アビジャンには新しい産業団地やモダンなオフィスビルが次々と誕生しています。その活気は、アフリカにおける「成長の星」としての地位を確固たるものにしています。

遠くに完成時にはアフリカ大陸一となるビル(421m)が建設中 (筆者撮影)

カカオの実はスーパーで野菜や果物と並んで売られていて、フルーツとしてそのままでも食べられています。カカオ豆の周りに付着している白い部分が果肉で、ライチにような甘酸っぱい味がするそうです。

ラグビーボールのようなカカオの実(筆者撮影)
  • 中の白い部分が果肉(@istock)
  • 値段は高いチョコレート (筆者撮影)

JICAの支援で進む都市交通改革

しかしこの急成長の裏で、新たな課題も浮かび上がっています。2000年代初頭の内戦と政情不安を乗り越え、国家としての安定を取り戻した今、都市の過密化や交通渋滞、インフラの老朽化、そして無秩序な都市開発が深刻化しているのです。このような課題に対し、日本の国際協力機構(JICA)はさまざまな形で支援を展開しています。

  • 乗り合いバス「Gbaka(バカ)」
  • 公共バス乗り場 (共に筆者撮影)

例えば、都市整備計画策定プロジェクト(SDUGA: Schéma Directeur d’Urbanisme du Grand Abidjan)では都市交通マスタープランを策定し、その提案に基づき、世界銀行とフランス開発庁、アフリカ開発銀行がBRTBus Rapid Transit:バス高速輸送システム)、フランス開発庁がMRTMass Rapid Transit:都市鉄道)の計画・支援を進めています。

また、資金協力にて整備された「日本コートジボワール友好・Shinzo Abe交差点」と称される立体交差点は、周辺の交通渋滞解消のみならず、西アフリカ成長リング回廊(CACAO)の物流改善にも寄与しています。

 

高さ17m、全長760m、幅9.7mの高架橋(高欄部の横断幕に両国の国旗が見える)(筆者撮影)

おわりに

日本から丸一日かかる西アフリカですが、皆様が知らない日本との関わりを知る第一歩となりましたら幸いです。成長が続くアフリカの都市も、今後も注目してみませんか。それでは、メルシーボークー(ありがとうございました。)!

※2025年6月現在、コートジボワール全土にレベル1~3の危険情報が発出されています。渡航の際は、必ず最新情報を確認してください。また入国時には、黄熱予防接種証明書(イエローカード)の提示が義務付けられています。

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