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海外旅行のためのパッキング術!コツをおさえて楽々、きっちり荷造り

地球の歩き方編集室

地球の歩き方編集室

更新日
2025年12月3日
公開日
2025年12月3日
©iStock

旅行は計画作りから楽しみが始まりますが、パッキングに頭を悩ませる方は少なくないことでしょう。どんなものを揃えて持っていくか、どのように荷造りすればいいのか。考えることが多く、出発直前の忙しいときにはストレスを感じるかもしれません。しかし、パッキングはコツをおさえていれば、それほど悩むことなく準備することが可能です。シンプルかつ手間いらずのパッキング術をご紹介します。

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目次

パッキングがうまくできれば旅のストレスも軽減できる

旅慣れてくれば、パッキングも荷ほどきも楽にできるようになる

パッキングは一種のパズルのようなものです。旅先によって持っていくべきものが変わるので、その都度、衣類やアイテムを考え、スーツケースに収めなければなりません。しかし、1週間程度の海外旅行であれば、スーツケースの大きさはおのずと決まってくるため、その器に合わせて詰めればいいだけのこと。以下のパターンに従って荷造りしましょう。

慣れないうちは荷物リストを作って荷物をピックアップ

荷物リストを作っておけば、旅行から戻ったときに、必要だったもの、持っていかなくても問題なかったものなどが仕分けできます。リストを更新することで、自分にとって必要なものを次第に絞り込むことができます。最初は面倒に思うかもしれませんが、慣れればリストなしで、すぐに荷造りできるようになります。

移動が多いときは全日数分の替え下着を

移動が多い旅の場合、宿にいられる時間も短く、洗濯に時間を使うのはもったいない! 10日を超える旅なら洗濯を前提に考えたほうがいいですが、毎日のように移動する1週間程度の旅なら、全日数分の替え下着を準備してしまいましょう。

荷物仕分けはシンプルに

荷造りは、詰め方だけでなく、荷ほどきするときに、どの袋に何が入っているかがぱっとわかるようにすることも重要。荷物を分けるときは、アイテムのジャンル(衣類、化粧品、旅行グッズ、現地購入の物品……)ごとに袋詰めしましょう。詰めるときに考えなくていいし、取り出すときも簡単です。

小分け袋(トラベルポーチ)を活用すれば楽に整理できる

洗面具をまとめるのに便利なポーチも販売されている

仕分けした荷物を、まず小分け袋(トラベルポーチ)に入れましょう。スーツケースへのパッキングも、小分け袋を組み合わせて入れるだけで済むので、簡単に行えます。

準備しておくといい便利グッズ

衣類や洗面具、化粧品など必要最低限のものに加え、以下のようなものを準備しておきましょう。小分け袋やパッカブルバッグがあれば、おみやげを購入した際の持ち帰りが楽になります。

小分け袋(トラベルポーチ)

ビニール袋で代用もできるが、旅行用のトラベルポーチがあればなお便利

大小2種類(小は大サイズのちょうど2分の1が望ましい)の小分け袋を利用することがおすすめ。色分けしたり、さまざまな形の袋を使ったりすれば、より効率的に荷造りできそうな気がしますが、どの袋にどんなものを入れるかで新たな迷いが生じてしまうかもしれません。できるだけシンプルに考えましょう。

パッカブルバッグ

機内持ち込みサイズのスーツケースなら、30L程度のパッカブルバッグでも、すべての物品を収めることができる

折り畳みができるリュックやボストンバッグなどがあれば、お土産をスーツケースに入れ、はみ出した衣類をそちらのバッグに詰めることができます。ボストンバッグであれば、30L前後の容量があれば、かなりの分量を収納できます。

プチプチシート

往路はスーツケースの中の隙間を埋めるため、復路はお土産を包むために使うことができます。

防水性のある大きめの袋

北欧の宿では、洗面台に水を溜めることができず、大きなビニール袋に洗濯物を入れて洗った

洗濯物や液だれが心配な荷物を入れるとき、洗面台やバスタブでの洗濯が難しいときに利用できます。

フリース素材の上着、ラッシュガード

暑い場所を訪れるときは半袖があれば十分と思われるかもしれませんが、東南アジアでは寒くてたまらないくらい冷房が効いている場所が多いうえ、地域によっては、夜になると急激に気温が下がります。防寒着や日除けという本来の目的でも利用できますが、フリースなら壊れ物を包む用途にも使えます。ラフに扱うことができる上着があると何かと便利です。

S字フックと洗濯ばさみ、針金ハンガー

S字フックがあれば、洗面所でちょっとしたものを乾かしておくのにも使えます。洗濯ばさみは本来の目的のほか、メモを挟んで立てておくことも。針金ハンガーは、あえて変形させて使うことで、洗濯物を立体的な形で干すこともできます。

S字フックがあれば、ちょっとしたものを引っかけておける
トラブル事例
オーストラリアへ旅行したときのこと。最初の到着地で荷物を受け取ったところ、スーツケースの角が大きく割れ、そのまま使用することができない状態になっていました。航空会社に破損の申告を行ったところ、代わりにと貸してくれたのは、古くて鍵もかからない大きめのスーツケース。その場で荷造りし直す必要がありましたが、ほとんどの荷物を小分け袋にまとめていたので、再荷造りは数分で完了。予定を崩さずに旅を続けることができました。

これだけは必ず機内持ち込みに

「なくなったら嫌だ、すごく困る」と思うものは、機内持ち込みにしましょう。特に帰国時は旅先での用事が済んだからと、スーツケースにしまってしまうものが多いですが、ロストバゲージや盗難に遭う可能性は常にあります。お土産も、アクセサリーや記念の品として購入したようなものがあれば、手持ちにすることをおすすめします。

機内持ち込み手荷物にすべきもの

  • 貴重品や現金
  • 服用が必要な医薬品
  • リチウムイオンバッテリー
  • デジタルカメラの充電器、メモリーカード
  • スマホ用の充電コード、充電器、海外用プラグアダプター

航空機の頭上のロッカーに入れた荷物から貴重品が盗まれるという被害が生じています。現金や高価なアクセサリーは、身につけて管理しましょう。

トラブル事例
イタリアからアムステルダム経由で帰国したときのこと。ソフトケースが届かず、ロストバゲージとして手続きし、後日手元に届きました。鍵がなくなっており、ソフトケースの中をあらためたような痕跡があったので、確認してみたところ、当時はまだ現地でしか使えなかったGSM方式の携帯電話がなくなっていることが判明。空港内の窃盗犯に盗まれたようで、よく見ると封筒も開けて現金がないかどうか物色した跡がありました。現金や携帯電話以外の貴重品は手持ちにしていたため、被害はその携帯電話のみ。しかし現地購入価格が高額な機種だったため、残念な思いをしました。

荷物の選び方と仕分け方

絶対に必要と思うものをまず揃える

荷物をランダムに揃えていると、肝心なものを忘れていることも! まずは「絶対にこれは必要」と思うものをまとめてしまいましょう。早めに準備していれば、紛失や破損に気づいた場合、買い直しする時間的余裕も得られます。

衣類は上着、ボトムス、下着と仕分けして持っていくものを絞る

ジャンルごとにまとめておけば、荷ほどきするときも迷わずに出すことができる

どんなものを着るか検討する段階では、あれこれコーディネートしてもいいですが、荷造り段階では、トップスやボトムス、下着、上着などと、仕分けしておくことをおすすめします。急な天候変化や汚損により、コーディネートが崩れる可能性もありますので、日ごとにまとめるのはリスキーです。

慣れない場所への旅行の場合、迷ったら持っていく

荷物を少なくするためには「迷ったら持っていかない」がセオリーですが、土地勘のない場所に行く場合は、現地で入手できるかどうかもわかりません。特に短期の旅行では、必需品探しの買い物は時間のロスにつながります。迷ったら持っていきましょう。

リゾート地滞在なら荷物を少なめに、現地調達を考えるのもあり

リゾート地での滞在なら、時間的に余裕があり、地元マーケットを散歩する時間もあるでしょう。あえて荷物を少なめにして、地元で買い物を楽しむのもいいと思います。ただし水着は、サイズやデザインの違いで、着られるものを見つけるのが難しいこともあるので、日本で準備しておいたほうが無難です。

現地の物価高に備えるには何が必要?

日本ではそれほど高額でなくても、海外では高額だという商品はけっこうあります。日焼け止めやティッシュペーパー、電池などは日本から持っていきましょう。

荷造りの手順と詰め方

大きさが揃うようにまとめていく

シャツなどは購入したときの状態で畳んでおくとちょうどいい。前身頃に靴下を挟むと隙間が埋められる

まずは、小分け袋に収納することを前提に、衣類を分けて畳みましょう。シャツやワンピースなどは大きめの袋に、Tシャツや下着類などは小さな袋に入れると、まとめやすくなります。

小分け袋(トラベルポーチ)に入れる

いよいよ小分け袋に入れます。シャツ類は襟元にハンカチなどを挟むと、形が崩れにくくなります。下着類は筒状に丸めて収納すると隙間を埋めることができます。男物のシャツを畳むと、ボタンホールのある前立てと呼ばれる部分が厚くなります。何枚も重ねるとサイドの前身頃の部分がくぼんでしまいますので、ここに靴下を配置するなどして、厚みを調整しましょう。

そのまま重ねると端がつぶれてしまうが(写真下段)、前身頃に靴下を挟むことで、形を整えることができる(写真上段)

柔らかいものが外側にくるように詰める

いよいよスーツケースに詰めます。ケースに直接触れる部分には、衣類のように外側から衝撃を受けても破損の恐れがないものを配置しましょう。

重い物はキャスターのあるボトム近くに入れる

ペットボトルなどを持っていくなら、キャスター側の底に配置しよう

スーツケースを運ぶ場合、上のほうに重心があると、荷物が倒れやすくなります。重量物はキャスターの付いている下のほうに詰めます。

隙間なく詰めるのが大原則

ハンドル収納部分すぐ脇の隙間も埋めておく

わずかな隙間でも、その空きはデッドスペースになります。軽量のスーツケースの場合、ハンドルを収納する部分が盛り上がっていて、スーツケース内部に段差が生じています。この段差を埋めてから小分け袋を配置しましょう。

そのまま詰めてしまうと、三角形で囲んだスペースに無駄な空間(デッドスペース)が生じる
隙間を埋めておけば、デッドスペースが生じない

現地でのパッキング

現地でのパッキングも、基本的には出発前と同様に小分け袋を使うと楽にまとめることができます。行きと違うのは、おみやげが増えること。衣類であれば、それほど気を使わずに荷造りできますが、箱に入った菓子のように形崩れさせたくないものは、スーツケースに収めたほうが安心です。プチプチシートや洗濯物を緩衝材として使い、隙間ができないように埋めていきましょう。

帰国時の荷造りポイント

  • 使用済みの下着などは少しずつまとめて隙間に詰める
  • おみやげや化粧品などはスーツケース内に 
  • はみ出した衣類はパッカブルバッグに入れる
  • 貴重品(現金や金券、電子機器、アクセサリー)は必ず手持ちに 
  • 免税品は空港で申告、確認してもらう必要があることも

ロストバゲージやスーツケースの破損など、万が一に備えるパッキング術

心配しすぎる必要はありませんが、ロストバゲージやスーツケースの破損はしばしば起きています。筆者は数回体験しましたが、荷物は無事に手元に戻っていますし、旅も無事に続けることができました。しかし、備えがなければ現地ではピンチに陥っていたと思います。最低限の対策をまとめます。

1泊分の下着と最低限の洗面具、化粧品は必ず手持ちに

着ているもののほかに、もうひと組の下着があれば、毎日洗濯しながらでも着替えができます。必要とする洗面具や化粧品は人によって異なりますが、旅先で使い勝手のいいものを探すのは難しいことと思います。これさえあれば、というものを揃えて、機内持ち込みにしましょう。

紛失防止タグがあると荷物の追跡が可能なことも

気休めかもしれませんが、自分の荷物がどこにあるかがわかっていれば、不安も少しはやわらぎます。またタグの読み取り間違いで荷物がほかの空港に運ばれた場合、航空会社に所在地を伝えることもできます。

家族旅行の場合は、ほかの家族の1日分の荷物も自分の荷物に入れておくと安心

1泊分程度でもいいので、ほかの家族のスーツケースに荷物を分けておけば、ロストバゲージの際もあわてずに済みます。友人との旅行の場合は、お互いに同じサイズのトラベルポーチを用意しておき、チェックイン前に荷物交換してパッキングすれば、お互いにバックアップすることができます。

トラブル事例
日本が猛暑だった年の10月中旬に、シベリアに取材に行ったときのこと。日本出発時は気温28度という夏日でした。途中の空港で1泊する経由便だったため、万が一のロストバゲージのことを想定し、シベリアでも耐えられるよう、真冬の服装(厚手のフリースとマウンテンパーカー)と1泊分の下着類、洗面具を小さなバックパックに詰めて機内持ち込みにしました。シベリアの到着地はイルクーツクでしたが、不安が的中しスーツケースは届きませんでした。

到着地は「初雪が降ったよ」と現地の人が話す、真冬の天気でした。イルクーツクからさらに東のウラン・ウデという町に移動し、そこから毎日バイカル湖東岸を北上するという日程だったため、移動先で荷物を受け取ることは断念。4日後に再び戻るウラン・ウデに荷物を届けてもらうことにして、毎日洗濯をしながら過ごしました。

幸い、イルクーツクのわずかな自由時間のときにTシャツと靴下、パンツ、薄手のフリースを購入することができたため、十分な着替えを持った状態で過ごせました。結局、スーツケースと再会できたのは日本を出てから6日後。それでも取材に必要な撮影機材(カメラとレンズ、バッテリー、充電器)とバックアップ用機材は手持ちにしていたため、取材そのものは何ら問題なく終えることができました。
  • 日を追うごとに寒さが増し、-10度近い気温になった日もあった
  • ロストバゲージ直後の手荷物。カメラバッグと、1泊分の下着、洗面具が入った軽量バックパックのみが手元にあった

まとめ

パッキングは荷物の詰め方よりも、何を選び、どう小分けするかが肝心。「四角く小分けする」、「隙間を作らない」を心がければ、デッドスペースを作ることなくパッキングできるようになります。ローコストキャリア(LCC)のフライトを利用する場合、預け入れ荷物の重量を軽くすることも必要になります。スーツケースやバッグを新たに購入するときは、軽くて丈夫なものを選びましょう。

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