A29 地球の歩き方 北欧 デンマーク ノルウェー スウェーデン フィンランド 2025~2026
ガイドブック ガイドブック ヨーロッパ
2024.06.20 発売
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旅行・観光の基本情報
デンマークの歩き方
デンマークは、北欧のなかでも特に訪れるべき場所のひとつだ。豊かな歴史と文化、そして心地よい都市環境が調和し、どこかあたたかみのある国民性に触れることができる国である。首都コペンハーゲンはコンパクトで歩きやすく、世界的に有名な「リトル・マーメイド」像や、宮殿、そして現代的なデザインが共存する美しい都市だ。さらに、田園風景が広がるユトランド半島や、古き良き街並みが残るオーデンセなど、地方にも魅力が詰まっている。デンマークの魅力は、何といってもそのバランスにある。都市のにぎわいと、自然の静寂、古いものと新しいものが調和し、訪れる者に多様な体験を提供してくれる。さらに、デンマークの人々の暮らしぶりや「ヒュッゲ」と呼ばれる、あたたかさと心地よさを大切にするライフスタイルに触れることも、旅の大きな魅力だ。
デンマークを訪れたら、ぜひコペンハーゲンの「ストロイエ通り」を歩いてみてほしい。この通りはヨーロッパ最古の歩行者専用通りとして知られており、ショップ、カフェ、レストランが軒を連ねる。歩いているだけで、街の美しさと活気を感じることができる。気ままに店をのぞいたり、カフェでひと息ついたりする時間は、何よりの贅沢だ。特に夕方には、街全体が柔らかな光に包まれ、よりいっそうロマンチックな雰囲気が漂う。何も急がず、ただ歩き、感じる時間を楽しもう。
デンマークは、アートとデザインの分野でも世界的に有名だ。特にコペンハーゲンには、モダンな建築やインテリアデザインの魅力が随所に見られる。デンマーク・デザイン・ミュージアムを訪れると、デンマークが誇るデザインの歴史を学ぶことができる。また、市内のカフェやショップも、シンプルで機能的な北欧デザインの美しさを体感できる場所だ。さらに、ストリートアートやギャラリーも多く、街全体がアートのキャンバスとなっている。アート好きにはたまらない旅のハイライトとなるだろう。
ユトランド半島に足を延ばしてみよう。ここでは、デンマークの田園風景を満喫できる。緑豊かな丘陵地帯や、風車が点在する牧歌的な景色が広がっており、都会の喧騒から離れてリラックスするのに最適だ。さらに、エーベルトフトやリーベといった小さな町では、昔ながらの石畳の道や木造の家々が残り、まるで時が止まったかのような静かな雰囲気を味わえる。心地よい風に吹かれながら、自然の中を散策することで、心も体もリフレッシュされること間違いない。
デンマークには、見応えのある城が数多く点在している。フレデリクスボー城やクロンボー城など、中世からの歴史が息づく城を訪れてみるのも一興だ。これらの城は、美しい庭園とともに訪れる人々を魅了し、当時の貴族たちの生活に思いをはせることができる場所でもある。また、どの城も湖畔にたたずんでおり、その風景は写真に収める価値があるほどだ。壮麗な城の姿を目の当たりにすることで、歴史への興味がより一層深まるだろう。
デンマークの食文化も旅の楽しみのひとつだ。特におすすめしたいのは、オープンサンドウィッチ「スモーブロー」。薄く切ったライ麦パンの上に、新鮮な魚介類や肉、チーズなどを豪華にトッピングしたこの料理は、見た目も美しく、味も抜群だ。また、地元のビールや「アクアビット」という伝統的な蒸留酒とともに楽しむのもよいだろう。デンマークの料理は、素材の味を大切にしたシンプルで奥深い味わいが特徴で、どの料理も旅の思い出を豊かにしてくれるはずだ。
デンマーク王国
約4.3万平方キロメートル
約596万人
コペンハーゲン
福音ルーテル派(国教)
デンマーク語
成田や羽田からコペンハーゲンまでの直行便で約13〜14時間。また、乗り継ぎ便を利用する場合、ヘルシンキやフランクフルトを経由して約15〜16時間ほどかかることが多い。
北欧諸国のなかで最も南に位置し、ドイツと陸続きであるユトランド半島、コペンハーゲンのあるシェラン島、オーデンセのあるフュン島というふたつの島を合わせ、約500以上の島々からなる国。国土は最高地点でも海抜わずか173mしかなく、なだらか。美しい海岸や複雑な海岸線を有するフィヨルド、丘陵や森などの景色は変化に富む。沿岸を流れるメキシコ湾流のおかげで、緯度のわりに気候は温暖だが、四季も比較的はっきり分かれている。
以下は一般的な営業時間の目安。2012年に終業時間法が自由化し、コペンハーゲンでは土曜に営業時間を延長、日曜も営業するショップが増えた。
中央ヨーロッパ時間(CET)を採用しており、時差は8時間。日本時間から数えると、マイナス8時間となる。サマータイムは、3月最終日曜から10月の最終日曜まで。この時期は、1時間早い時間となり時差は7時間になるので、飛行機や列車などの乗り遅れに注意しよう。
年によって異なる移動祝祭日(※)に注意。
230V、50Hz。日本から電気製品を持っていくには変圧器が必要となる。プラグは丸2ピンのB、Cタイプ。
料金にサービス料が含まれている場合がほとんどのため、チップの習慣はない。ホテルやタクシーで大きな荷物を持ってもらうなど、特別な用事を頼んだときに、お礼として渡す程度。レストランでは、料金にサービス料が含まれていないときのみ、7〜10%程度のチップを渡す。
ほとんどの場所で、水道水を飲むことができる。心配なら、ホテルやコンビニでミネラルウォーターを購入しよう。ミネラルウォーターはほとんどが炭酸入りのため、苦手な人は確認してから購入するとよい。デンマーク語で炭酸入りは「Med Brus」、なしは「Uden Brus」。
ほとんどの商品に25%の付加価値税(VAT)が課せられているが、EU加盟国以外の国に居住している旅行者が「TAX FREE」の表示のある店で1日1店舗につき300.01クローネ以上の買い物をした場合、商品にかけられている付加価値税の最大19%が払い戻しになる。
他のヨーロッパ諸国と比べても治安は良好。しかし2004年以降は、旧東欧諸国のEU加盟後、置き引きや窃盗などの犯罪は増加の一途をたどっている。荷物から目を離さないように注意し、夜中のひとり歩きなどはやめよう。
飲酒とたばこは18歳未満の購入は禁止。カジノは18歳以上なら入場できる。レンタカー会社は、19歳ないし23歳以上などの制限を設けている場合もある。
日本と同じく、メートル法を採用している。重量もキログラム単位。