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似ているようで実は違う!北欧4ヵ国の伝統料理

地球の歩き方ウェブ運営チーム

地球の歩き方ウェブ運営チーム

更新日
2024年7月12日
公開日
2024年7月12日
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一般的にデンマーク、ノルウェー、スウェーデン、フィンランドの4ヵ国からなる北欧諸国。ひと口に「北欧料理」といっても、地形、風土、歴史も違う4ヵ国にはそれぞれ異なる食文化が根付いています。各国の伝統グルメ事情と定番の料理をご紹介します。

1.デンマークの伝統グルメ

「パンケーキのよう」と形容されるデンマークの国土は、最高所でも海抜170mほどしかありません。広大な平地は牛や豚を飼育するのにぴったりで、実はヨーロッパでも有数の酪農王国としても知られています。

また、多くの島々や半島で構成される国だけあって、魚介類も豊富です。サーモンのほかニシン、カレイなどさまざまな魚介類が味わえます。

©︎iStock こぶしほどの大きさのフリッカデーラ。スモーブローの具としても定番です

伝統料理は数々ありますが、肉料理ではデンマーク風ハンバーグのフリッカデーラ(Frikadeller)や豚の三枚肉を使ったローストポーク、フレスケスタイ(Flæskesteg)などが有名です。こうした伝統料理は、パンの上に具材をたっぷりのせたオープンサンド、スモーブロー(Smørrebrød)で味わうことができます。

©︎iStock 肉や魚などさまざまな具材をのせるスモーブロー。ウナギをのせたものもあります

また、軽食で忘れてならないのはデニッシュ・ペストリー。日本でもおなじみの菓子パンですが、発祥はデンマーク。なお現地では「ウィナーブロード(Wienerbrød)」=ウィーンのパンと呼ばれています。

©︎iStock 朝食やカフェタイムにぴったりのデニッシュ・ペストリー。定番はカスタードやジャムなど

2.ノルウェーの伝統グルメ

©︎iStock ノルウェーの家庭の味でもあるフォーリコール

フィヨルドに代表される険しい地形が続くノルウェーでは、古くから山岳部でも飼いやすいヤギを使った料理が親しまれてきました。ヤギ肉とキャベツを煮込んだフォーリコール(Fårikål)は、ノルウェー料理の大定番。クセが強く、野趣あふれる味わいです。また、ヤイオスト(Geitost)というヤギ乳のチーズも有名。

©︎iStock バカラオ。濃厚なトマトスープが淡白なタラの味を引き立てる

魚介類ではサーモンが定番ですが、西部のロフォーテン諸島などで作られる干ダラは世界でも最高品質として知られています。干ダラをトマトソースで煮込んだバカラオ(Bacalao)は、現地に行ったらぜひ食べてみましょう。うま味が凝縮されたタラの身は、噛むほどに味わい深く絶品です。

©︎iStock 思ったほどクセもなく食べやすいタシュケトンガ

ちょっと変わったところでは、タシュケトンガ(Torsketunger)というタラの舌を揚げた料理があげられます。外はカリッとしていますが、中はふんわり。希少なのでメニューにある店は限られますが、見かけたらぜひチャレンジを。北部ラップランドではトナカイの肉もよく食べられます。

3.スウェーデンの伝統グルメ

日本で最も親しまれているスウェーデンの食事といえば、ヴァイキング料理でしょう。取り放題の食事形式を指し、スウェーデンが発祥とされています。なお、現地ではスモーゴスボード(Smörgåsbord)といいます。サーモンやニシンの前菜に温かいメイン料理、デザートまでが食べ放題で楽しめます。

©︎iStock 賽の目にした野菜や肉を炒めたピュッティパンナ。目玉焼きを添えるのが伝統のスタイル

ほか単体の料理として有名なのは、ショットブラール(Köttbullar)というミートボールや、肉野菜炒めのピュッティパンナ(Pyttipanna)。伝統料理の店はもちろん、パブなどでもよく見かける家庭の味です。

©︎iStock 夏にスウェーデンに行ったらぜひ食べたいクロフトル。時期にはスモーゴスボードのメニューになることもしばしば

スウェーデンの夏の風物詩となっているのが、クロフトル(Kräftor)というザリガニです。8月に解禁され、初日には各地で「ザリガニパーティー」という食事会が催されます。ディルというハーブと一緒に、茹で上がった真っ赤なザリガニを身から出るつゆとともにすすりながら食べます。またノルウェーと同じく、北部ラップランドではトナカイ肉が名物です。

4.フィンランドの伝統グルメ

フィンランドの料理は、かつての領主国であるスウェーデンとロシアの影響を受けているものが多く見かけられます。

©︎iStock カフェランチでもよく登場するロヒケイット。シチューではないのであっさり味

代表的なものとしては、ミートボールやスモークサーモン、酢漬けの二シンなど。なお、肉料理にはベリーソース、魚料理にはディルが使われるのも特徴です。前菜やランチの定番は温かいスープ。ロヒケイット(Lohikeitto)というサーモンのクリームスープのほか、さまざまなキノコのスープが人気です。

©︎iStock カレリアパイは玉子やスモークサーモンをのせて食べます

また毎週木曜にはヘルネケイット(Hernekeitto)というエンドウマメのスープを食べる習慣があります。

ほか、小さなひだがついた形が特徴的なカレリアパイ(Karjalanpiirakka)や北部ラップランドのトナカイ肉など地方色豊かな料理も味わいたいところ。

©︎iStock トナカイ肉の煮込み。マッシュポテトの上にのせ、ベリーソースを添えるのがフィンランド流

ほかにもフィンランドいえば、ベリー王国。ブルーベリーやリンゴンベリー、クラウドベリーなど種類豊富なベリーは、ケーキやパイ、ジュースなどで味わうのがおすすめです。

まとめ

北欧4ヵ国それぞれの食文化と、伝統料理を紹介しました。現地では上記以外にもさまざまな料理が味わえますので、北欧ならではの郷土の味を楽しんでみてください!

TEXT:グルーポ・ピコ 田中健作
PHOTO:iStock

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