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モバイルパスとなったユーレイルパス(モバイルパス基礎編)
2022.12.12
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ヨーロッパへ旅行に行くとき、何ヵ国かまとめて観光する方も多いですよね。今回は、1枚持っていればヨーロッパ周遊に大活躍の「ユーレイルグローバルパス」(以下、ユーレイルパスと表記)について、どういったチケットなのかと購入方法を紹介します。
こちらの記事では、ヨーロッパを周遊する場合のチケットについて説明しています。
1ヵ国内でユーレイルパスを利用する場合は、記事下部のよくある質問をご覧ください。
目次
ユーレイルパスとは、ヨーロッパ各地にある各鉄道に乗り降りすることができる、オールインワンの鉄道チケットです。ユーレイルパスを持っていれば、鉄道を乗り換える際にも、国を移動した際にもチケットをあらためて購入する必要がありません。
ユーレイルパスは以下の33ヵ国で利用することができます。
オーストリア、ベルギー、ボスニア・ヘルツェゴビナ、ブルガリア、クロアチア、チェコ共和国、デンマーク、エストニア、フィンランド、フランス、ドイツ、イギリス、ギリシャ、ハンガリー、アイルランド、イタリア、ラトビア、リトアニア、ルクセンブルク、モンテネグロ、オランダ、北マケドニア、ノルウェー、ポーランド、ポルトガル、ルーマニア、セルビア、スロバキア、スロベニア、スペイン、スウェーデン、スイス、トルコ
ユーレイルパスは、大きく分けて以下の2種類があります。
それぞれ、どういったチケットなのかを見ていきましょう。
このチケットは、有効期間内に乗車できる回数が決まっています。例えば「使用日数15日間・有効期間2ヵ月」のチケットであれば、2ヵ月以内に15回列車に乗ることができます。毎日連続で使ってもよし、その日の気分に合わせて乗車日を変えてもよし、柔軟に予定を組みたい方にはおすすめです。
こちらのチケットは以下の5種類用意されています。
こちらは、有効期限内に毎日連続で乗車する方向けのチケットです。例えば「15日間」のチケットであれば、15日間毎日鉄道に乗ることができます。旅行期間が限られている方、スケジュールを事前にしっかり決めておきたい方にはこちらのチケットがおすすめです。また、乗車日が柔軟ではない分、1のチケットに比べチケット代はお得に設定されています。
こちらのチケットは以下の5種類用意されています。
まずは行きたい国・地域が何ヵ所くらいあるのかを確認しましょう。目的地が3~8ヵ所くらいであれば、1の「使用日数4~7日間」チケットのどれかがおすすめです。10ヵ所以上であれば、目的地数・旅行日数に応じて1の「使用日数10、15日間」チケットや、2のチケットを選ぶとよいでしょう。
そのうえで、1の「使用日数15日間・有効期間2ヵ月」と2の「15日間」チケットで迷った場合、余裕をもってスケジュールを柔軟に調整しながら観光したいという方は1、できるだけ移動にかけるお金を節約したい方、旅行日数が限られていてとにかく毎日列車に乗ってたくさん観光したいという方は2がおすすめです。
料金タイプは大人(28歳以上)、シニア(60歳以上)、ユース(12歳~27歳)の3つ設定されています。11歳以下の子供は大人1名につき2名まで無料(無料チケットの発行が必要)です。ユースの場合は、利用開始時点で12歳~27歳である必要があります。
また、チケット購入時に座席クラス(1等、2等)の選択が必要です。1等は幅広い座席やアメニティ、無料のWi-Fiなどの提供があります。
それでは、各ユーレイルパスの料金(1名分)を確認してみましょう。
左は1等、右は2等の料金です。
2023年4月時点の料金となります。最新情報は必ず公式サイトにてご確認ください。
2023年4月時点で、1ドルは134円です。
大人 | シニア | ユース | |
使用日数4日間・有効期間1ヵ月間 | 358ドル / 281ドル | 322ドル / 253ドル | 268ドル / 211ドル |
使用日数5日間・有効期間1カ月間 | 410ドル / 323ドル | 368ドル / 291ドル | 307ドル / 243ドル |
使用日数7日間・有効期間1カ月間 | 486ドル / 384ドル | 437ドル / 346ドル | 365ドル / 288ドル |
使用日数10日間・有効期間2カ月間 | 582ドル / 459ドル | 524ドル / 413ドル | 437ドル / 344ドル |
使用日数15日間・有効期間2ヵ月間 | 716ドル / 565ドル | 644ドル / 508ドル | 537ドル / 424ドル |
大人 | シニア | ユース | |
15日間 | 643ドル / 507ドル | 579ドル / 457ドル | 483ドル / 380ドル |
22日間 | 752ドル / 593ドル | 677ドル / 533ドル | 565ドル / 445ドル |
1ヵ月間 | 973ドル / 767ドル | 876ドル / 690ドル | 730ドル / 576ドル |
2ヵ月間 | 1063ドル / 837ドル | 957ドル / 753ドル | 797ドル / 627ドル |
3ヵ月間 | 1310ドル /1032ドル | 1179ドル / 930ドル | 983ドル / 775ドル |
Eurail.comのサイトにアクセスします。
①の料金タイプ(ユース、大人、小児、シニア)と人数を選択します。
※小児を選択する場合、大人1名につき2名まで無料となりますが、大人と同様にチケットの購入・発券が必要です。
②のクラスから、1等か2等かを選択します。
①のご注文内容で、チケットの種類や人数に誤りがないかを確認します。人数が誤っていた場合、このページで変更が可能です。
②の配送・送料で、チケットをメール(モバイルパス)で受け取るか、紙のチケットを発行するかを選択します。「紙のパス」を選択した場合、受け取る場所によって別途配送料がかかります。ユーレイルパスの出発駅で受け取る場合は10ドル、日本へ配送する場合は25ドルかかります。モバイルパスの場合は、購入後すぐに受け取ることができ、紛失した場合でも再発行が可能なので、特にこだわりが無ければモバイルパスをおすすめします。
「Plusへアップグレード」を選択すると、1チケットにつき27ドルでキャンセル補償をつけることができます。Plusをつけない場合でも、キャンセル時にチケット料金の85%が払い戻しされます。
Eurail.comのアカウントを持っている場合はログイン、アカウントがなければ「今すぐ登録」からアカウントを作成します。
支払方法はクレジットカード、AlipayやPayPalなどの決済システムが利用可能です。情報を入力したら、「支払う $○○」ボタンを押して決済完了となれば、購入確定となります。
モバイルパスを選択した場合は、決済完了後に旅行者情報で入力したメールアドレス宛てにチケットが送られてきますので確認しておきましょう。
モバイルパスチケットを購入した場合、実際に使うためには公式アプリのインストールが必要です。以下の記事にて使い方を詳しく説明していますので、合わせてご覧ください。
以上、ユーレイルパスの概要と購入方法を紹介しました。ユーレイルパスがあれば、各鉄道会社のチケットを購入したり、決められた時間に乗車するために急いで行動したりする必要がありません。自分の旅程に合ったユーレイルパスを購入して、ヨーロッパ旅行を楽しみましょう。
トップ画像:©iStock