イタリアの首都はどこ？ローマの基本情報や人気観光スポットを紹介

ローマはイタリア中部ラツィオ州の中心に位置する、イタリアの首都。ローマ市内の中心部をテヴェレ川（テベレ川）が流れ、ティレニア海に注いでいます。テヴェレ川の西側・右岸には、カトリックの総本山バチカン市国が位置しており、東側・左岸にはローマ建国伝説の発祥の地であるパラティーノの丘をはじめ7つの丘が広がっています。

ローマの歴史は紀元前8世紀頃から始まったといわれ、117年のトラヤヌス帝の時代にはローマ帝国として地中海世界を支配しました。帝国は東西に分裂したのち、5世紀に西ローマ帝国が滅亡し、衰退しますが、中世以降はローマ教皇の宗教的中心地として栄えました。19世紀にはイタリア統一運動のさなかでローマがイタリア王国の首都となり、1920〜30年代にはムッソリーニ率いるファシズム政権が誕生。ローマは政治、宗教、文化の中心として歴史の大舞台に立ち続けました。

ローマの町の中心部は直径約5kmで、端から端まで徒歩2～3時間ほどの範囲の中に見どころが点在しています。悠久の歴史を刻む古代ローマの遺跡群やイタリア美術の作品の数々、本場イタリア料理を味わう美食巡りやショッピングエリアでの買い物など、さまざまな楽しみ方ができるのが魅力。また、バチカン市国にアクセスしやすい点も特徴です。

ローマは比較的安心して出歩ける町ではあるものの、夜の外出、裏路地や観光客が集まる中心部のエリア、地下鉄の駅構内では、スリや置き引き、強盗などの犯罪に注意が必要です。特に、テルミニ駅やヴェネツィア広場周辺を訪れる際は、荷物に気を配りながら行動するようにしましょう。昼夜を問わず、狭い路地などには入らずに大通りを歩くことも大切です。また、男女問わず、深夜は出歩かないほうがよいでしょう。テルミニ駅東側のエスクイリーノやエウル地区も、夜は人通りが少ないので注意。

日本とローマの標準時の時差は8時間で、ローマが日本よりも8時間遅れています。イタリア国内での時差は存在しないため、国内の移動時に時差を気にする必要はありません。なお、イタリアではサマータイムを実施しており、実施期間は毎年3月最終日曜日の午前2時～10月最終日曜日の午前3時まで、実施中は日本との時差が7時間になります。

ローマは地中海性気候で、日本と同様に四季があります。夏は雨が少なく乾燥し、梅雨はありませんが、冬にやや雨が多い傾向です。ローマの気温は東京と似ていますが、近年は日本と同じく季節外れの暑さや寒さが続くことがあり、注意が必要です。昼夜の寒暖差や屋内外の温度差があるため、1枚羽織るものがあると便利です。また、緯度が高いので夏は夜遅くまで明るいのも特徴。日本よりも日差しが強いので、帽子やサングラスなどのアイテムを携帯するのがおすすめです。

ローマには、以下ふたつの空港があり、フィウミチーノ空港には日本から直行便が運航しています。

• フィウミチーノ空港
• チャンピーノ空港

日本からローマの所要時間は、直行便を利用すると約15時間。フィウミチーノ空港からローマ市内までは、電車や長距離バス、タクシーなどでアクセスできます。チャンピーノ空港からローマ市内までは、バス＋地下鉄、長距離バス、タクシーでアクセスできます。

ローマ市内の移動手段は、おもに地下鉄、バス、トラムがあります。市内の公共交通機関はATACという会社が運営しており、切符は共通で1回券、24時間券、48時間券、72時間券、1週間券。また、ATACの交通機関が時間内乗り放題になるローマ・パスもあります。

地下鉄は観光地へのアクセスがよく、渋滞に巻き込まれることもないため便利な交通手段です。A線～C線の3路線があります。

• A線：東西を結び、テルミニ駅やバチカン市国最寄りのチプロ駅やオッタヴィアーノ駅などを通る
• B線：北東から南西方向を結び、コロッセオ駅やテルミニ駅などを通る
• C線：東部郊外から中心部を結ぶ新しい路線で、東側のローマ郊外をカバー。現在も延伸工事中

オレンジ色や緑色をしたバスがローマ市内を走行しており、真夜中まで運行しています。詳しい路線図はキオスクなどで販売しています。バス乗り場は、道端にある「Fermata」というマークが目印です。

乗車したら、切符を機械の矢印に合わせて打刻機に入れます。ローマ・パスを使用する場合は、最初の乗車時のみ打刻機にかざす必要があります。

観光コースからは少し離れたところを通ることから、市民の足として利用されているトラム。2025年7月現在6路線が運行していますが、聖堂巡りに便利な3番やバチカン市国方面から北部をぐるっと回る19番を利用するのがおすすめです。

コロッセオは古代ローマの円形闘技場で、ローマを代表する観光スポット。かつては剣闘士の試合や猛獣との戦い、時には公開処刑などが行われました。迫力のある石造りの巨大建築で、アーチや地下施設など高度な建築技術が使われており、見ごたえたっぷり！

コロッセオとともに訪れたいのが、古代ローマ時代の政治、宗教、商業の中心地であったフォロ・ロマーノ。かつて神殿や公会堂などが集まっていた広場で、紀元前6世紀ごろから使用され始め、ローマ帝国の繁栄とともに発展しました。現在は多くの遺跡が残り、凱旋門やバジリカなどを見学できます。歴史に思いをはせることができる、ローマの代表的な史跡のひとつです。

トレヴィの泉は、1762年に完成したローマにある最も有名なバロック様式の噴水。バロック芸術の傑作といわれ、海神ネプチューンの像が中心にそびえ立っています。後ろ向きになってコインを泉に投げ入れると再びローマを訪れることができるという言い伝えがあり、観光客に人気のスポットです。

イタリアの首都・ローマの基本情報から人気観光スポットまで、ローマの特徴や魅力をご紹介しました。この記事を参考に、ぜひローマ旅行を計画してみてはいかがでしょうか？