イギリスでのドライブとレンタカーの基本

公開日 : 2023年01月20日
最終更新 :

海外でレンタカーを借りることができれば、交通機関の時間に自分を合わせることなく、好きな場所に好きな時間だけいられる。ただ、国や地域ごとに運転ルールが異なったり、日本のクルマと海外のクルマで勝手が違った、なんて体験をした方は多いのでは? ここではイギリス旅行の際のレンタカーとドライブの基本をお伝えします。

イギリスの交通ルール

ハンドル・走行レーンの違い

バスレーンに注意
©iStock バスレーンに注意

日本が明治時代にイギリスやフランスなどの法整備を参考にしていたのは有名な話です。日本は道路交通の法整備に際してイギリスを参考にしたと言われており、イギリスも日本と同様に右ハンドル左側通行で追い越し車線は右側となっています。ですので、日本人にとっては他のヨーロッパ諸国より運転しやすいといえるでしょう。
日本人がイギリスで気を付けたいのはバスレーンです。バスレーン自体は日本のバスレーンと違って道路の色が変わっていることが多いので気付きやすいですが、走行しても良い時間がレーンごとに決められています。特に朝夕のラッシュ時には、一般車はバスレーンを走行することができないので、普段バスレーンに慣れていない方は、監視カメラも常時作動しているので、気をつけましょう。また、「KEEP CLEAR (ここは空けておきなさい)」と書かれた道路は駐停車禁止です。道路標示を見落とさないよう注意しましょう。

速度はマイル表示

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スピード違反の取締りは大変厳しいです。イギリスはマイル表示(1mile=1.6km)なので速度計の1.6倍がkm/hになります。

イギリスの道路はM40、A4、B1202といったように、アルファベットと番号がついていますが、制限速度はモーターウェイ(M=高速道路)で時速70マイル(時速112km/h)、Aがつく主要道路(主要都市を結ぶ幹線道路)は時速60マイル(時速96km/h)、Bがつく道路(主に市街地)は時速30マイル(時速48km/h)となっています。

イギリスにはいたるところに監視カメラが設置されていて、スピード違反をしている時は取り締まられなくても、後日スピード違反の通知が届きます。そこには「あなたの車がスピード違反をした。あなたが車を運転していたなら、その旨連絡せよ。ほかの誰かが運転していたのなら、運転していた人の詳細を報告せよ」と書かれています。通知には自分の名前を署名し返送する用紙がついているので、返送してその用紙が受理されるとしばらくして「罰金請求書」が届きます。支払いは小切手を郵送し支払います。滞在日数が限られている旅行者にとってこれらの手続きは非常に面倒なので、制限速度はしっかり守りましょう。

イギリスの車道の交差点「ラウンドアバウト」

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イギリスはラウンドアバウトという時計回りに回る環状の交差点が多いです。ラウンドアバウトでは、

  1. 右からの車(既にラウンドアバウトに侵入している車)が優先
  2. ラウンドアバウト内では停車禁止
  3. ラウンドアバウトを出る時には左ウィンカーを出し外へ出る

という点をおさえておきましょう。 ラウンドアバウト以外の交差点での優先規則はないので、その都度「GIVE WAY(道を譲れ)」「STOP(止まれ)」の標識に従い、走行します。

横断歩道に関しては、頂上に黄色い点滅灯がついた白黒の縞の棒が立つゼブラクロッシングと呼ばれる横断歩道は歩行者優先なので、歩行者がいる場合は必ず一時停止しなければいけません。

イギリスの駐車事情

 路上駐車メーター 
©iStock 路上駐車メーター 

イギリスでは駐車違反に大変厳しく、民間の交通監視員(traffic warden)が常時巡回しています。チケットを切っている現場に遭遇し、見逃してもらおうと懇願しても言い訳は通用しないので注意しましょう。

イギリスで車を停車する時はまず歩道に沿ってひかれた赤または黄色の線を見ます。
この線が
・2本線の道は24時間駐停車禁止。
・1本線の道は駐停車許可時間が決められているので、標識を見て、駐車可能な時間かどうか確かめて駐車する
・線がない道路は24時間駐車可能
となっています。

路上パーキングも存在しています。パーキングでは、駐車可能な枠の中に車を止めましょう。枠ごとにメーターがついている場合とパーキングチケットを機械で購入し、フロントガラスの前にチケットを置くシステムの2通りの方法があります。パーキングメーターには最高駐車可能時間が決められているところもあり、規定時間を少しでも過ぎるとすぐに違反チケットを切られてしまうので、長く駐車する場合はNCPなど屋内駐車場を利用した方が安心です。そのほか、タイヤをクランプで止められたり、レッカー移動されてしまうこともあります。罰金請求書はすぐに発行され、不服がなければ小切手で支払う。不服である場合は 「不服申し立て」をすることができます。

イギリスのガソリンスタンドの利用方法

ガソリンの入れ方、支払い方

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ヨーロッパではどの国でも給油はセルフサービス方式が一般的。有鉛ガソリンは売られていない国が多く、だいたい3種類のガソリンがあります。レンタカーを借りるときに、借りた車に適したガソリンの単語を現地の言葉で教えてもらい、合わせてノズルの色を聞いておきましょう。

イギリスの例では以下のようになっています。

・緑色のノズル → unleaded petrol 無鉛ガソリン
・赤色のノズル →  unleaded 4star petrol 無鉛スーパー、プレミアムという名前がついていることも多い
(赤がないスタンドもあるので、注意してください。)
・黒色ノズル → diesel ディーゼル

セルフの給油方法は日本とそう変わりません。支払いは、使用した機械にクレジットカードまたはお金を入れる方法と、ガソリンスタンドにある事務所で支払う方法があります。事務所でノズルの番号を言うと値段を教えてくれます。
大手スーパーにはガソリンスタンドが併設されている所が多く、高速道路のスタンドに比べ、割安となっています。(これに関しては日本と同じですね)また日用品や食料品を置いてあるスタンドも多いので、多目的に利用できます。

レンタカーの借り方・返し方

国際免許証の取得は忘れずに

予約以外で国内で終わらせておく作業は国際免許の取得のみです。なお、イギリス入国から1年間は、日本の運転免許証のみでも運転できます。ただし、レンタカーを借りる際に、免許証の内容を翻訳しなくてはならない場合もあるので、国際運転免許証があったほうが便利です。また、運転できる車種が制限される可能性もあります。

レンタカーを借りる

 空港のレンタカー受付カウンター
©iStock 空港のレンタカー受付カウンター

レンタカーは空港や主要なホテルなどで予約可能です。ただしレンタカー会社によって年齢が制限されていることもあるので事前に確認しましょう。利用する日程が決まっている場合は日本から予約していくと安心です。イギリスでは、マニュアル車が一般的でオートマチック車の取扱台数が少ないため、事前に予約することでオートマチック車を確保できます。さらに保険契約などの細かなやりとりは一定以上の語学力が無い限り、日本語で済ませておけるのも利点です。

現地で借りる場合には、覚えておきたいキーワードがふたつあります。ひとつは“UM(Unlimited Mileage)”。走行距離無制限の意味で、申し込んだ期間内なら何km 走ろうと追加料金を請求されないということ。もうひとつは“H/L(Hire here/Leave there)” 別名one way rental。いわゆる乗り捨てを指します。

エイビスAvis、ハーツHertzなどが大手レンタカー会社として有名です。こうした会社は支店もたくさんあり、空港に予約カウンターをもっていることが多いです。乗り捨ての都市の選択の幅が広く、故障などがあっても、すみやかに修理や車の交換をしてくれます。
これに対して、Enterprise.co.uk などマイナーなところでは、車がややくたびれていたりすることがあるが料金はそのぶん安い。料金は、“UM” か“H/L” か、大手の会社か中小かで違ってくるので、自分の旅に合ったものを選びましょう。

イギリスの主なレンタカー会社

イギリスでレンタカーを借りる時は保険加入を!

契約の際に、きちんとしておきたいのが保険です。保険にはLDW/CDW(車両損害補償)、PA(I 搭乗者傷害保険)、PEC(携行品保険)、LIS(追加自動車損害賠償保険)などがあるが、ぜひ加入しましょう。また、契約書の保険の欄にサインするとき、ドライバーが複数なら、ドライバー全員のサインをしましょう。保険はサインのある人が運転していた場合しか適用されないので要注意。

筆者

地球の歩き方ウェブ運営チーム

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