【京都】光秀ゆかりの地に建つ「福知山城」
2025.1.27
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京都市内には織田信長公ゆかりの地や社寺が数多くありますが、今回は法華宗本門流の大本山でもある本能寺をご紹介します。信長公を偲んで数多くの方が訪れる「信長御廟」も見どころですが、伝来の宝物を展示・公開している「大寶殿宝物館」もぜひ。特に信長公の愛刀や森蘭丸所持の大太刀などの名刀は必見です。
日本史上最も衝撃的なクーデターと言える「本能寺の変」で有名な本能寺ですが、日蓮大聖人の教えを広める法華宗本門流の大本山であることは意外と知られていません。創建は1415年(応永22年)で日隆聖人が油小路高辻と五条坊門の間の地に寺門を開き本応寺と号しました。以来「本能寺の変」を含めて5度の火災に遭遇し、7度の堂宇再建を経て現在にいたります。寺町商店街に面する表門から境内に足を踏み入れると、壮大な本堂が視界を覆います。
ちなみに1433年(永享5年)から「本能寺」の寺名に変わりましたが、正式には「能」という字ではありません。度重なる火災遭遇から火(匕)を嫌ったために、字を変えたと言われています。ぜひ表門横の石柱で確かめてください。
本堂と7軒連なる塔頭寺院の間を歩くと、「信長御廟」が現れます。信長公の自刃後、三男信孝の命によって建てられた供養塔に思わず合掌。石塔の下には信長公が使用していた刀が眠っているとか。
正式な記録によると、信長公は合計4回本能寺に滞在しました。理由は3つあると言われています。まずは天皇家との関わりを深めるため。当時、天皇家の親戚であった日承上人から仏教の教えを受け、天皇家とのつながりを築こうとしました。また「本能寺の変」当時の本能寺は高い塀と深い堀があり、堅牢性の高い建物だったようです。最後は鉄砲と火薬の調達です。大阪堺や種子島に多くの信者がいた本能寺を通じて鉄砲や火薬の交易を促したと言われています。歴史ロマンを感じるエピソードです。
上述したように戦乱や災難によって消失と再建を繰り返してきた本能ですが、災禍を免れた貴重な宝物がたくさんあります。表門右側にある「大寶殿宝物館」では貴重な宝物の数々を展示・公開されています。企画展も随時開催されており、現在は「歴史と学ぶ日本刀展〜奈良時代から現代まで〜」を8月31日まで開催中。見どころは歴史ある名刀から美しい現代刀の展示です。
個人的には備前長船の刀(室町時代)が気になりましたが、森蘭丸所持と伝わる刀と大太刀に興味を惹かれました。特に大太刀は105cmの大きさも迫力があり、実戦用ならではの質実剛健な雰囲気に息を飲みました。
信長公所蔵の茶道具や書状、「三足の蛙」香炉などの名品もぜひ。ありがたいことに撮影OKなので心ゆくまでどうぞ。また3階の特設会場ではドキュメンタリー映画「日本刀の美」(75分)を毎日14時から上映中(チケット税込1300円)。次の予定がある方は1階でDVD(税込2000円)も販売しているのでぜひ。
■本能寺
住所:京都市中京区寺町通御池下ル下本能寺前町522
電話番号:075-231-5335
アクセス:京都市営地下鉄東西線 「市役所前駅」下車すぐ。市バス・京都バス 「河原町三条停」下車すぐ。阪急京都線 「河原町駅」下車、徒歩約10分
参拝時間:6:00〜17:00
参拝料金:無料
URL:https://www.kyoto-honnouji.jp
■大寶殿宝物館
開館時間:9:00〜17:00(入館は16:30まで)
休館日:年末年始・展示替え日
料金:一般700円、中・高校生500円、小学生300円、修学旅行生300円、身体障害者300円、ホテル本能寺利用者500円、団体(一般30名様以上)600円
今回の「乙な京都™」はいかがだったでしょうか。寺町商店街に面し、京都市役所からすぐという立地から身近すぎる存在ですが、国内外で起きている刀剣ブームを肌で感じました。そして、幾多の災禍から再興を遂げた信仰の不屈の力。読売巨人軍じゃないですが、本能寺は永遠に不滅です。