
「茶源郷」。茶畑風景広がる和束町。
2016.4.27
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宇治茶といえば京都府内で生産・加工されるお茶として有名ですが、その主産地が和束(わづか)町です。古くは鎌倉時代から茶栽培が行われてきたという茶畑は、現在も高品質な宇治茶として知られると同時に景観の美しさも魅力。今回は桃源郷ならぬ茶源郷を訪ねて、知られざる和束町の魅力をご紹介します。
和束町は奈良平城京と宇治平等院とのほぼ中間にある京都府南部にあるまちです。京都府民であればお茶の産地であることは常識なのですが、その生産量と茶畑の絶景は意外と知られていません。撮影に訪れたのは5月の中旬で、お天気にも恵まれて美しい景色が広がっていました。町内にはいたるところに茶畑がありますが、まずは最も有名な「石寺の茶畑」へ。石寺地区は茶畑の合間に瓦葺きの家屋が点在し茶畑景観と集落が一体となった景観が広がります。江戸時代は果樹と水田が主な地域で、茶畑は近代以降に広がりました。この茶畑と暮らしの景観は、2008年に京都府景観資産第1号に登録され、2015年には日本遺産に認定されました。
次は「白栖(しらす)・撰原(えりはら)の茶畑」を訪れました。急傾斜の山肌に合わせてパッチワークのように畝が巡らされまさに山畑。身近なお茶の生産地がこれほど幻想的だとは知りませんでした。余談ですが和束町で生産されたお茶を和束茶といい、高品質なお茶で知られています。また、茶畑で見かける黒い覆いは遮光ネットで、主に碾茶やかぶせ茶を育てるためのもの。これらの茶畑はお茶農家さんの私有地なので絶対に無断で立ち入らないように気をつけましょう。
じっくり落ち着いて茶畑を堪能したい方におすすめなのが「天空カフェ」。和束運動公園内の山の上にある貸切展望室で、京都の高台寺の茶室(傘亭)をモチーフに京都府産のヒノキや杉を使って建てられました。利用するには「和束茶カフェ」で利用受付と鍵の受け取りが必要です。
利用料はひとり60分550円(小学生以下は無料)で事前予約も可。持込OKなので絶景を楽しみながら寛ぐことができますよ。
散策を楽しんだ後は休憩&補給タイム。「和束茶カフェ」は生産者こだわりの和束茶や関連商品がなんと100種類以上そろうスポット。お茶の佃煮やお茶のふりかけ、お茶のクッキーなど、地元和束産のお茶に特化した商品も。
和束茶を使ったドリンクやスイーツ、お茶セットなどのカフェメニューもあり、イートインスペースで楽しめます。また、レンタサイクルの受付や地図などのパンフレットも完備しているので、観光の拠点として利用したいですね。この日も訪日外国人がサイクリングやハイキングを楽しんでおられました。
お隣の「交流ステーション和束の郷」は和束町唯一の直売所で、地場産野菜をはじめ加工品や手工芸品などをそろえます。観光客はもちろん地元の方々の交流の場としても賑わっています。
■和束茶カフェ
住所:京都府相楽郡和束町白栖大狭間35
電話番号:0774-78-4180
アクセス:JR大和路線「加茂駅」から奈良交通バス(和束小杉行き)で「和束山の家」下車、徒歩5分
営業時間:10:00~17:00(L.O.16:30。冬期は16:30まで)
定休日:無休(年末年始除く)
駐車場:約80台(サイクルハンガーあり)
instagram:https://www.instagram.com/wazukacha.cafe/
■交流ステーション和束の郷
住所:京都府相楽郡和束町白栖大狭間35
電話番号:0774-39-7790
営業時間:平日10:00~15:00、土日祝10:00~16:00(時期、場合により変動あり)
定休日:毎週月曜日(祝日の場合、翌火曜日定休)
instagram:https://www.instagram.com/wazukanosato/
今回の「乙な京都™」はいかがだったでしょうか。文中でも述べましたが観光地でありながら仕事場であり、集落でもあります。自家用車でお越しの場合は、和束茶カフェに駐車してバスやレンタサイクル、徒歩で移動しましょう。私も次はロードバイクで行ってみようかな。最後にお気に入りの一枚を。