キーワードで検索
シアトルを出発して一夜明け目が覚めたらまもなくサクラメントに到着。カーテンを開けるとアメリカンリバーが見え、木々の間に朝日が差し込んでいました。サンフランシスコに到着するまでの数時間。またまたラウンジで過ごすことにしました。ラウンジカーへ向かえば、同じように眠気まなこの人たちが窓辺に集まり、無言で景色を楽しんでました。コーストスターライトの旅の”早起きは三文の徳”小さなご褒美。サンフランシスコへもう一走り!
レンガ造りの駅舎にはアメリカ鉄道史を物語る堂々とした風格があります。ここから乗り込んでくるのは旅行者だけでなく通勤客もあり、日常の街のリズムがありました。私は2時間ほどで降車しますが、LAに向かう長距離列車の旅行者にとってはまだ朝の序章です。
朝食は、ダイニングカーの予約は必要なく直接に行けばOKです。私はカフェで朝一番の淹れたてコーヒーを持ってサクラメントのランドマーク”タワーブリッジ”を撮影する密かなミッション開始。
と言うのは、乗り鉄友さんが、コーストスターライトから見た橋をうまく撮影できなかったとを悔んでいて、そんなに難しいタイミングなのか?ならば挑戦してみようと思ったわけです。
サクラメント川にかかるタワーブリッジ。この橋は一旦サクラメント到着前に一瞬通り過ぎます。ここで撮影し安心して駅で停車。出発してすぐに再びゴールデンブリッジが大きく現れます②ので、ここで急いでもタイミングが合わず最初の写真①みたいになっちゃうんですね。
タワーブリッジが完成したのは、ゴールデンゲートブリッジより古く1935年です。見事なまでの金色は一度見たら忘れないほど印象に残ります。船が通過する時、道路が真上に上がる”垂直リフト方式”サクラメントの人口増加に伴い、ウエストサクラメントとサクラメントを繋ぐ橋として作られました。今でも現役のタワーブリッジが稼働する様子は、機会があったら是非とも見てみたい!
サクラメントを出発すると、列車はカリフォルニアの乾いた丘陵地帯を走り始め、サクラメント・デルタに差しかかります。入り組んだ水路脇を渡る鉄橋からは、びっくりするほどの水鳥の群れが見え、朝霧のなかで羽を休める鳥やゆったりと羽ばたきながら空へ舞い上がる様に目を奪われます。車窓からバードウォッチング!湿地帯に広がる豊かな生態系は、アメリカ西海岸の自然の懐の深さを感じますが、あれよあれよと夏の霧が一気に空を覆い、サンフランシスコに近づいているのを知らせてくれます。
初めてみる水鳥の様子に感動していると、バンクーバーから乗車してきたと言う男性が、「この列車では海が見えると聞いていますがいつ見えるんでしょうか?」とラウンジでいろんな人に尋ねて回っていました。誰かがもうすぐ湾が見えるから安心してと涙目の青年に微笑む。ほどなくサンパブロ・サンフランシスコ湾が曇り空の下に現れました。
ベイエリアの工業地帯から住宅街が車窓に現れました。ロサンゼルスへと向かう長大な旅の中で、ちょっとの区間にすぎないものの、この風景は都市と自然のコントラストが見事に映し出されていて、何回見ても飽きません。
エメリービル駅で下車し、ホーム脇のコネクティングバスに乗り換え、ベイブリッジを渡ると霧に包まれたダウンタウン。まさに”霧の街サンフランシスコ”に帰ってきました。
大陸縦断鉄道旅の一部にすぎませんが、鉄道で移動する楽しみは十分に感じられます。長年ベイエリアに住んでいながら、あの水鳥たちの朝の風景は初めてみたこともあり、バンクーバーからの鉄道旅二日目、豊かな自然がまだまだ残っているのが分かった一番の記憶として残ること間違いないです。
アムトラック公式サイト:https://www.amtrak.com/home.html