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【アメリカ・サンフランシスコ】名門の芝 ― オリンピッククラブ・レイクコース

美丸(Mimaru)

美丸(Mimaru)

アメリカ・カリフォルニア州特派員

更新日
2025年8月19日
公開日
2025年8月19日

サンフランシスコ観光といえば、ゴールデンゲートブリッジやフィッシャーマンズワーフを思い浮かべる方が多いかもしれません。けれども、深い霧に包まれた丘の上に広がる「オリンピッククラブ」をご存じでしょうか。ここはアメリカでも最古級のアスレチッククラブ。世界のゴルフ史に幾度も名を刻んできた超名門コースなのです。先日行われたアマチュアトーナメントの最終日、機会があったので久しぶりに観戦。また思わぬ出来事もあったドラマチックな1日のお話しです。

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歴史的トーナメントを見守ってきたクラブハウス

伝統のクラブハウス

柔らかなクリーム色の外壁と大きな窓が並ぶクラシカルな建築様式。正面の芝生の丘から見上げるアングルがコース全体を見渡せそうでとても象徴的です。1920年代に建てられた建物で、全米オープンや数々の歴史的トーナメントを見守ってきた場所です。中にはレストラン、ロッカールーム、トロフィールームなどがあり、クラブの歴史を物語る写真や記念品が飾られているのですが、大会中はクラブハウス内部には入れませんでした。残念…

数々の歴史が生まれた名門コース

  • 7番ホール。ティーショット
  • フェアウエーを歩いてみた

オリンピッククラブの創設は1860年に遡ります。サンフランシスコダウンタウンには「シティクラブ」があり、太平洋を望む丘陵地帯には「レイクサイドクラブ」があります。会員制を守り続けており、メンバーと一緒でじゃないとプレーができず、またそのメンバーシップもキャンセル待ちなのだそうです。普段は観光客が立ち入ることはできませんが、大会開催時には外部の人々も芝の上を歩けます、選手と共に名門コースの雰囲気を体感できるのが魅力です(目の前にあのプレヤーが歩いているんです)。

 メインの「レイクコース」は、全米オープンを5度開催してきた世界屈指の舞台。狭いフェアウェイとパインの巨木が囲み、かなり深いラフ。サンフランシスコ特有の海風と霧。過酷な自然環境が選手を試す設計は、ここがただの丘陵コースのゴルフ場ではないと感じさせます。大袈裟なようですが、ラフの深さは半端ないです。

全米オープンがこの地で開催されたのは1955年、1966年、1987年、1998年、そして2012年。無名選手がレジェンドを破る大番狂わせとなった知る人ぞ知る大会が1955年。1998年は自身も18番ホールで終日各選手のホールアウトを見守り、18ホールグリーンと共に翌年のカレンダーに載った、知ってる人しか知らない思い出があります。近年では2021年に全米女子オープンが開催。絶頂期のタイガーでさえ雄叫びをあげたくほどの難コースに世界のトッププレーヤーが挑んでいます。

次回の全米オープンは、2032年に予定されていて再びゴルフファンの注目が集まります。1箇所たりとも平地のないコースぜひぜひあの有名選手と一緒に歩いてみませんか。

その場じゃなければ見られない18番ホールの計測

  • すでにトナーナメントスタートしている。計測開始
  • 最終日のピンポジションはここ!

臨場感あふれるシーンはやはり現場じゃないと味わえません。試合は始まっているけど、まだ最終ホールまではきていないお昼前。18番ホールグリーン上を計測している人がいました。ピンポジション(カップの位置)を作る作業。ちょっと珍しかったのでご紹介。

アクセス情報とまとめ

  • 天下のゴルフコースの最寄りバス停にしては静かすぎた
  • 確かに丘陵地。レイクコースのイメージそのものパー5打ち下ろし

歩き方特派員として、公共交通機関で会場まで行ってみることにしました。オリンピッククラブを検索してGoogleマップ片手にいざ出発。ディリーシティー駅前からサムトランズ#120で20分くらいと表示されていました。1998年はみんなで車に乗って遠くの駐車場に停めて歩いてきたのですが、それにしても遠すぎな気がする案内です…。目的地に降りて歩いてみた。ゴルフ場らしきものが見当たらない。確かに丘陵地帯でゴルフ場には適していそうですが、住宅地のど真ん中。ディリーシティー駅の振り出しに戻る羽目。

オリンピッククラブは、サンフランシスコダウンタウンから車で約20分。タクシーやライドシェアを利用すれば便利です(苦笑)。公共交通ではBARTでディリーシティー駅まで行き、そこから車で数分の距離ですが、観戦時は臨時シャトルバスが運行されることもあります。今大会も案内に添ってライドシェアの降車地からシャトルバスを利用しました。

いかがでしたか?ゴルフ場に入るまでが路頭に迷いそうなドラマがあり挫けそうになりましたが、親切なバスドライバーさんや住宅地を散歩していたお母さんに励まされ、名門コースのフェアウエーを今大会の優勝者と歩くことができました。もし皆さんが、大会にあわせて訪れるなら、事前にチケット情報やアクセス手段を確認しておくとかなり安心です。

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