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【岐阜】晩秋の静寂に包まれる山頂の聖地 ― 白川町・大山白山神社へ

長月あき

長月あき

岐阜特派員

更新日
2025年12月1日
公開日
2025年12月1日

岐阜県の東南に位置し、山々と清流に囲まれた自然豊かなまち・白川町。町の面積の87%を山林が占め、中央を流れる飛騨川はその美しい景観で知られています。紅葉が終盤を迎えた週末、そんな白川町にある大山白山神社を訪れました。

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金幣社 大山白山神社とは

「金幣社 大山白山神社(きんぺいしゃ おおやまはくさんじんじゃ)」は、白川町の山中にひっそりと鎮座し、創建は718年と伝わる由緒ある神社です。白山信仰の流れをくむ神社のひとつです。

ちなみに“金幣社”とは、岐阜県神社庁が独自に設けている神社の等級制度(社格)のひとつ。白川町の道の駅「美濃白川ピアチェーレ」から車で約20分、標高862mの白山山頂に社殿が祀られています。

山頂のパワースポット

山頂へ向かう林道は舗装されているものの、ところどころすれ違いが難しい曲がりくねった道。晩秋の落葉シーズンは路面いっぱいに落ち葉が広がる箇所もあり、対向車が来ないことを祈りながらゆっくりと上りました。結局20分のはずが、気づけば30分ほどかかっていたような気がします。

ようやく到着すると、そこには山頂とは思えないほど広い駐車場が広がり、大きな鳥居が出迎えてくれます。日曜の昼間にもかかわらず駐車場には私一人。静寂の中、鳥のさえずりだけが響く森は、まさに“隠れたパワースポット”の雰囲気そのものです。

拝殿の天井絵の見学は要事前予約

鳥居から続く長い階段を、休み休み上っていきます。途中には「快晴の日には振り向けば名古屋方面が望めます」と書かれた立札が。快晴の日だったのですが、あいにく逆光だったのか、残念ながらこの日は見えませんでした。

階段を上りきると、凜とした佇まいの拝殿が現れます。今回の目的は、この拝殿の天井に描かれているという「天井絵」を見ること。しかし拝殿は鍵がかかっており中へ入れません。調べてみると、拝殿内の見学には事前予約が必要とのこと。ここに来て、自分の下調べ不足を反省…。

  • 拝殿
  • 窓の外から拝殿の中を覗き込む

それでも、拝殿周囲の銀杏がつくる黄色い絨毯や、晩秋の彩りは圧倒的な美しさ。落ち葉を踏む音がはっきり聞こえるほどの静けさで、山の神域に漂う神々しさを体いっぱいに感じられました。

奥の院から眺める絶景

拝殿の奥からさらに奥の院へ向かう道は、鬱蒼とした木々に囲まれた石段が続きます。歩きやすいよう、手すりが設置されているのがありがたいところ。石段自体は白川町指定有形文化財で、歴史を感じさせる趣があります。まさか崩してしまうようなことはないと思いつつ、念のため脇に作られた階段を歩かせてもらいました。こちらの方が歩きやすいですし。

階段の途中には、国の天然記念物に指定されている大杉があります。樹齢1200年以上といわれるその姿は圧巻。幹周りはなんと8.9メートルもあるのだとか。

奥の院をさらに進むと展望台が設置されており、御嶽山や加賀の白山の山並みを一望できます。思わず「わあっ!」と声が出たほどの絶景。周りに誰もいないので、つい声を出してしまっても気になりません。

 

アクセスと注意点

大山白山神社への林道は舗装されており、山頂には広い駐車場もあるため安心して訪れられます。ただし、秋〜冬は日没が早く、林道が暗くなりやすいので早めの時間帯での訪問がおすすめ。また、道幅が狭い箇所もあるため、運転には十分ご注意ください。さらに、時間帯によっては熊や猿などの野生動物に遭遇する可能性もありえると思います。

季節の終わりを感じる、静かな時間

晩秋の大山白山神社は、風の音や落ち葉の響き、光の変化までもが神々しく感じられる場所です。紅葉のピークが過ぎた後の“落葉の美しさ”を存分に味わい、静かで特別な時間を満喫できました。

自然の力に包まれる“隠れたパワースポット”。車や野生動物には気をつけながら、ぜひ一度訪れてみてくださいね。

■金弊社 大山白山神社
所在地:岐阜県加茂郡白川町水戸野1096番地
※拝殿の中に入る場合は要予約。観光協会 0574-72-1311 への連絡が必要です。

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