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12月7日、記録的な寒さだったというサンフランシスコ。プレシディオ・フォートメイソンで開催されていた慈善団体「ガーズメン」による恒例のクリスマスツリー販売。朝の冷たいグレーの空と午後からは穏やかな昼下がり、パビリオンの中は木の香りと人のにぎわいがホリデー前の冬の日曜日ならではの光景でした。
いつもは様々なイベントに使われるパビリオン会場ですが、今はクリスマス一色。ツリーは種類もサイズもさまざまで、予算とお部屋の合わせて選べるようずらりと並んでいました。小さい子供にとっては森の中に遊びに来たように錯覚しちゃうかもしれません。他にリースやスワッグ、オーナメント。一つひとつ手作業で作られた木の雪だるまやトナカイたちはどれも素朴で温かみのあるオンリーワンばかり。屋外ヤードでは、ネットに包まれた本物のツリーがずらりと並び、スタッフが手伝いながら、車の屋根にくくりつけられそれぞれの自宅へ…どんな高級車でもお構いなしに屋根の括り付け、それがまたステータスだったり…クリスマス前の風物詩。切りたての木の香りが冷えた空気に混ざり、息を吸い込むと冬とクリスマスを同時に感じられました。いい匂いです(温泉の素って言った友達、喝!)。
ここでの売り上げは、退役軍人の支援や地域の子どもたちの教育活動に役立てられるという。ツリーを選ぶという何気ない行為が、誰かの未来をそっと支えている場所だったのです。
■ガーズメン・クリスマスツリーロット
住所:2 Marina Blvd, San Francisco, CA 94123
営業時間:毎日9:00〜21:00(時間変更あり)
Tel:415-573-3310
URL:https://sftreelot.guardsmen.org
この日、同じくフォートメイソンで開催されていたファーマーズマーケットの主催は、カリフォルニア州各地でマーケットを運営するCFMA(California Farmers’ Market Association)。マリンカウンティを含む生産者たちが集い、冬の野菜や柑橘類、焼き菓子、温かいドリンクが並び、会場はまさに“冬の台所”のような感じでした。この日のフードトラックの一つにおむすび屋さんがあった。おむすびの具がぴょこっと出ていて可愛いサイズ。寒かったから味噌汁もさぞかしよく売れただろうなと思う。ツリーを選びながらおむすびを頬張る人、ホットドリンク片手に語らう人。観光客らしき方も少しいました。雑誌記者さんも楽しそうに取材しながら「これがサンフランシスコの冬」と微笑んでいました。
■フォートメイソンセンター・ファーマーズマーケット
住所:Landmark Building E, Marina Blvd, San Francisco, CA 94109
営業時間:毎週日曜日9:30〜13:30
URL:https://www.cafarmersmkts.com/fort-mason-center-farmers-market
ガーズメンのクリスマスツリー販売は12月18日まで開催中。フィッシャーマンワーフから歩ける距離で、丘の上からゴールデンゲートブリッジも望める風光明媚な散歩道。旅の途中で立ち寄れば、観光名所とは少し違う、サンフランシスコの静かな“冬の日常”を感じられます。木の香りに包まれ、おむすびと味噌汁にほっこりして、人のやさしさに触れる時間は、きっと旅の記憶にあたたかく残るはず。時間に余裕があったらぜひ足を運んでみてほしいです。