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クラフトビールの街として知られるサンディエゴですが、この土地、そしてカリフォルニアを理解するうえで欠かせないのが、18世紀に築かれたミッションの存在。サンディエゴにあるミッション・サンディエゴは、宣教師たちが北へ北へと進みながら築いた21の教会群「エル・カミノ・リアル(王の道)」の出発点。カリフォルニアの歴史の“始まりの場所”に、まず行ってみました。
ブルワリー訪問を目的にサンディエゴを訪れた今回の旅でしたが、どうしても足を運んでみたい場所が一つありました。それがミッション・サンディエゴ。クラフトビールの街として知られるサンディエゴですが、カリフォルニアの歴史を振り返ると、必ず行き着くのが18世紀後半、スペイン統治時代に宣教師たちが布教活動の拠点として築いたミッションの存在です。
それらを結んでいたのが、エル・カミノ・リアル(El Camino Real/王の道)と呼ばれる幹線道路で、その沿線には21のミッションが、カリフォルニア州北部へと連なっていて、いわゆるカリフォルニアミッションと呼ばれています。その最初のミッションが、サンディエゴに建てられました。
行き方ですが、滞在していたダウンタウンからサンディエゴ・トロリー、グリーンラインのサンティ(Santee)行きに乗車(約40分、片道$2.50)。
もう少し開けた場所を想像していたが、駅を出るとすぐにランチョ・ミッション・ロードをひたすら歩くことになる。サンディエゴ・ミッション・ロードで右折の道順。周囲はフリーウエーに囲まれた広い道路ですが、住宅地でもあり、曲がり角の目印となるセブン-イレブンが見えたときにはほっとしました。
Googleマップがあるとはいえ、未知の道を歩くのは少し心細い。やがて小さな坂道を上ると、ユーカリの木々の間から、息を呑むほど真っ白なベルタワーが姿を現した。駅から徒歩10分ほど。
ミッションのパティオに沿って歩いてビジターセンター受付で入場料をはらい、教会内見学。カリフォルニアの青い空は完全シャットダウンされた薄暗い教会内部、小さめの窓から差し込む陽の光が美しい陰影を作り、少しひなびた匂いが逆に歴史の深さを物語ります。十字架がいたる所にあり、道順の杭までもが十字架に見えてしまうほどでした。パティオにはうっそうと生い茂る植物、少しホッとしました。遠くで子供達の声がしていましたが、敷地内は静寂。厳かなたたずまいでした。
エル・カミノ・リアル(ECR)は、1769年から1823年にかけて、スペイン統治下のカリフォルニアで整備された伝道ルートです。宣教師たちは馬や徒歩でこの道を行き来し、宿泊・布教・農業の拠点としてミッションを築いていった。ミッション同士の距離はおよそ一日で移動できる間隔。南のサンディエゴから始まり、最終的には現在ワイン産地として知られるソノマまで、全21カ所あります。
私が暮らすサンフランシスコにも、厳密にはエル・カミノ・リアル沿いではないですが、ミッションがあり市内で最も古い建物の一つの通称ドロレス教会。ミッション地区ドロレスSt、ドロレスパークの側にひっそり佇んでいます。そして、ゴールデンゲートブリッジを渡ってミッション・サンラファエル。シリコンバレーにはミッション・サンノゼ、ミッション・サンタクララがあります。サンタクルーズにもミッションは点在しています。
そして最終的には、現在ワイン産地として知られるソノマのミッション・サンフランシスコ・ソラノまで。クラフトビールやワインの文化が根付く土地が、かつては同じ一本の道で結ばれていたと知ると、カリフォルニアという土地の連続性が、少し違って見えてきます。
国道101号線沿いでは、エル・カミノ・リアルを象徴する鐘のモニュメントを見ることができる。フリーウエーのため停車して撮影はできないが、走行中の車窓から何とか写真に収めることに成功。
ミッションは宗教施設というだけでなく、カリフォルニアという土地がどこから始まり、どの方向へ広がっていったのかを示す、旅のランドマークでもありました。真っ青なサンディエゴの空に凛とした白いミッションを眺めた時、今いる場所がカリフォルニア州の歴史の「始点」だと実感として理解できました。静かな学びがありました。