世界遺産だけじゃない!現地在住日本人ライターが選んだフランスの絶景

公開日 : 2022年12月02日
最終更新 :

各地に豊かな魅力を持つフランスは絶景スポットが点在しています。自然の産物から人工物まで現地在住日本人ライターがフランスで見ておきたい絶景を5つ選びました。

地上からロープウェイで一気に富士山越えの標高3842mへ「エギュイユ・デュ・ミディ」

地球温暖化の影響でメール・ド・グラス氷河も年々後退している ©iStock
地球温暖化の影響でメール・ド・グラス氷河も年々後退している ©iStock

フランス山岳リゾートのメッカであるシャモニ4810mのモンブランを筆頭に周囲には4000m級の山々が連なっています。それら名峰の眺望を楽しめるのが展望台エギュイユ・デュ・ミディです。シャモニの町中からロープウェイを2回、エスカレーターを1回乗り簡単にアクセスできます。

手軽に富士山頂より高い場所へ行けてしまいますが、ある程度の準備は必要です。標高約1000mのシャモニと約3000mの高低差があるため夏でも展望台付近の気温は氷点下です。Tシャツだけではとても耐えられません。また一気に高所まで上がるため、気圧や空気の薄さに慣れるためにも中間駅で体を休めてもいいかもしれません。


もうひとつの絶景ポイントが氷河のメール・ド・グラス。シャモニーの町からはモンタンヴェール登山鉄道に乗って20分程で行くことができます。標高は1913m。眼前にメール・ド・グラスとその向こうにレ・グランド・ジョラス。アイガー、マッターホルンと共にアルプス3大北壁に数えられています。

ほかにシャモニには山岳リゾートにふさわしく用途に合わせた長さや程度のロープウェイが各山を繋いでおり、絶景が至る所に転がっています。

フランスの新旧巨大橋「ポン・デュ・ガール」と「ミヨー橋」

19世紀にナポレオン3世が修復した
19世紀にナポレオン3世が修復した

フランスには世界に誇る巨大な橋がふたつあります。ひとつが西暦50年頃に古代ローマ人が設計した水道橋「ポン・デュ・ガール」。もうひとつが2004年に建てられたヨーロッパで最も高い「ミヨー橋」です。どちらもフランス南西部にあります。

ポン・デュ・ガールはユゼスからニームへ水を運ぶための水路として建てられました。ガルドン川にかかる3層で組まれたアーチは圧巻。こんな巨大な建築物が西暦50年頃(日本は弥生時代)にすでに造られていたことに驚くばかりです。世界遺産にも登録されています。ポン・デュ・ガール周辺は散策路になっており、また橋の下のガルドン川ではカヌーなども楽しめ、バカンスで訪れたフランス人でにぎわっています。

巨大橋が景観などへ与える影響も検討しつつ今やフランスを代表する観光スポットになった ©iStock
巨大橋が景観などへ与える影響も検討しつつ今やフランスを代表する観光スポットになった ©iStock

ミヨー橋はクレルモン・フェランとベジエールを結ぶ高速道路A75上にある橋で、タルン川が流れるタルン渓谷を跨ぐように建てられています。主塔の高さは343m。エッフェル塔の高さ330mを越えます。設計はイギリス人建築家のノーマン・フォスターです。

高速道路でそのまま通り過ぎてしまうのはもったいないため、ミヨー橋を眺められるミヨー橋サービスエリアに立ち寄りましょう。ここからはミヨー橋の眺望を楽しめるほかに橋に関した展示スペースもあります。またタルン渓谷は早朝に霧が発生しやすく、気象条件が合えば雲海のなかに浮かぶミヨー橋にも出合えます。

ボルビックのパッケージの風景に会える「ピュイ・ド・ドーム」

手前の山がピュイ・ド・パリウ ©iStock
手前の山がピュイ・ド・パリウ ©iStock

硬水が多いフランスのミネラルウォーターのなかで数少ない軟水のひとつがボルビック。その源泉地がフランス中部クレルモン・フェラン近郊にあるピュイ・ド・ドーム(1465m)周辺です。同地域では大西洋側から流れ込む湿った大気により雨が多く降り、それが地層中を通っていき湧水として地表に出ます。

ピュイ・ド・ドームを含む山々はかつて火山活動によって作り出された溶岩ドーム。「ピュイ山脈とリマーニュ断層の地殻変動地域」としてユネスコの世界遺産にも登録されています。休火山のため現在は火山活動がありません。山頂までは登山列車「パノラミック・デ・ドーム」で景色を楽しめながら登れます。

ピュイ・ド・ドームに行くならぜひボルビックのペットボトルを持っていきましょう。ここではペットボトルのパッケージに描かれている円錐形の山、ピュイ・ド・パリウの雄大な景色を見ることができます。目の前に広がる景色と、普段見慣れたボトルのデザインを見比べてみるのも楽しいかもしれません! 気候の良い時期に、眺望を楽しみながらハイキングをしたりお弁当を広げたりと、ゆっくり過ごしたいスポットです。

咲き誇る一面のラベンダーが圧巻「セナンク修道院」

修道院の前に広がるラベンダー畑 ©iStock
修道院の前に広がるラベンダー畑 ©iStock

プロヴァンスのラベンダー畑は南仏を訪れる日本人旅行客の一番人気の見どころといっても過言ではないかもしれません。6月中旬から8月中旬にかけて(開花時期は場所による)一面に咲き誇るラベンダーの景色はプロヴァンスの風景として、さまざまな場面に登場します。

プロヴァンス各所にあるラベンダー畑の中でも、教会とセットで写る景色として有名なのがセナンク修道院です。ロマネスク様式で建てられたカトリック・シトー会派の修道院で現在も修道士たちが暮らしています。ヴォクリューズ県にあり「フランスで最も美しい村」に選ばれたゴルドからも近いです。

セナンク修道院はラベンダー畑の景色だけでなくショップも併設され、修道院で栽培されたラベンダーから採れたエッセンシャルオイルやラベンダーのハチミツなどが売られています。ラベンダーの思い出を家まで持ち帰ってみましょう!

Abbaye Notre-Dame de Sénanque(セナンク修道院)
住所
Abbaye Notre-Dame de Sénanque 84220

パリ市内を一望できる「モンマルトルの丘」

丘の上なので入場料もかからない
丘の上なので入場料もかからない

エッフェル塔やモンパルナスタワーなどパリ市内には高所から景色を楽しめる場所がいくつかありますが、感動の度合いではおそらくモンマルトルの丘の頂上が一番なのではないでしょうか。丘の上に建つサクレ・クール聖堂前の広場から、南に向かって眼前にパリの風景がパノラマに広がる風景は何度来ても感動します。

サクレ・クール聖堂までは地下鉄2号線アンヴェール駅から北へ歩き、そこからケーブルカーを使い丘の上へ。ケーブルカーはパリの地下鉄やバスと同じ切符が使えます。または地下鉄12号線アベス駅で降りて、そこからモンマルトル地区を散策しつつ丘の上まで登っても楽しいです。

ケーブルカーから見る動く景色も楽しい ©iStock
ケーブルカーから見る動く景色も楽しい ©iStock

少し注意したいのはサクレ・クール聖堂前の広場は観光客が集まるだけに、スリなども混じっているということ。治安に対して過敏になって楽しめなくなっては本末転倒ですが、身の回りの物に少し気を配りながら過ごしましょう。

筆者

フランス特派員

守隨 亨延

パリ在住ジャーナリスト(フランス外務省発行記者証所持)。渡航経験は欧州を中心に約60カ国800都市です。

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