現地在住日本人ライターが選ぶ、フランスのここだけは行ってほしい場所ランキング

公開日 : 2022年12月02日
最終更新 :

フランスに来たらぜひ訪れてほしい場所を現地在樹日本人ライターの目線で1位から5位までランキングにしました。首都パリやリヨン、マルセイユなど地方の大都市も見るべき場所の筆頭ですが、もう少し幅広く紹介すべくあえて大都市以外でまとめてみました。

5位 ブルゴーニュワインの中心地ボーヌとその周辺

美しいモザイクの屋根を持つオスピス・ド・ボーヌ ©iStock
美しいモザイクの屋根を持つオスピス・ド・ボーヌ ©iStock

ブルゴーニュにあるコート・ドール(黄金の丘)はワインの世界的生産地のひとつです。その中心地がボーヌ。周辺で生産されたワインが集まる町です。ワインの産地として有名なボルドーのワインは見た目にも内面もとても華やかな感じ、一方でブルゴーニュのワインは土臭さの中に気品があります。

ボーヌの町中でまずチェックしたいのがオスピス・ド・ボーヌ。15世紀に建てられた病院で、現在はオテル・デュー美術館となっています。かつて病院の運営費は、この病院が所有するブドウ畑からできたワインの競売でまかなわれていました。

コート・ド・ボーヌ地区にあるコルトンの村 ©iStock
コート・ド・ボーヌ地区にあるコルトンの村 ©iStock

ボーヌの町歩きとぜひセット訪れてほしいのが、ボーヌ周辺にあるコート・ドールの村々。ブルゴーニュの良さが数倍に増します。コート・ド・ニュイ地区にはロマネ・コンティを筆頭に高級ワインの生産地がひしめきます。その南コート・ド・ボーヌ地区はモンラッシェ、ムルソーなど白ワインの有名産地が。どこの村も村内は徒歩ですぐに巡れてしまう広さです。ただ村々の移動には車が必要ですので、レンタカーを借りるかボーヌ発着のワイナリーツアーを利用しましょう。

4位 奇跡が起きた湧水の町ルルド

聖母の出現があったというマサビエルの洞窟 ©iStock
聖母の出現があったというマサビエルの洞窟 ©iStock

1858年に14歳の少女ベルナデット・スビルーのもとに聖母が出現し、その湧水によって病気が治癒する奇跡が起きた場所としてカトリック最大の聖地となっているのがフランス南西部にあるルルドです。1万5000人の小さな町に世界130ヵ国から年間500万人が訪れます。

観光のメインは聖域内にある無原罪のお宿り聖堂。カトリックの聖地ということもあって、町の規模と比較してもとても立派な聖堂です。聖母が出現したとされるのがマサビエルの洞窟。泉の水を引いた蛇口からは湧水を自由に汲むことができます。また町中にはベルナデット・スピルーの生家である水車小屋も残っています。

夜に聖域内で行われる行進の様子 ©iStock
夜に聖域内で行われる行進の様子 ©iStock

これらルルドでチェックしたいのは4月から10月まで毎日21時から聖域内で行われている大ロウソクと松明の行進。ルルドが持つカトリックの宗教的な雰囲気に加えて、人々がボンボリを手に持ち集まる姿はとても幻想的です。ルルドはピレネー山脈観光の起点でもあり、そちらと合わせて旅程を組んでも楽しめますね。

3位 コートダジュールの穴場リゾート、アンティーブ

南仏の地中海沿いは魅力的なリゾート地がたくさんあります。なかでも個人的におすすめしたいのがアンティーブです。「海」「町並み」「アート」「食」に加えて歩いて回れるちょうど良い広さの町で、全てが程よくまとまっています。

アンティーブでまず楽しみたいのが町歩き。旧市街には南仏らしい路地が入り組み、とても旅情をかき立てられます。マセナ広場には市場が立っており見て歩くだけでも楽しめます。疲れたらカフェや、もしお酒が好きなら市場のすぐ横にあるアブサン・バーで休憩しましょう。アブサンとはニガヨモギなどを用いたリキュールのことです。

角砂糖を乗せたスプーンをアブサンが入ったグラスにわたし、冷水を滴り落として一定量混ぜ合わせてから飲む
角砂糖を乗せたスプーンをアブサンが入ったグラスにわたし、冷水を滴り落として一定量混ぜ合わせてから飲む

グリマルティ城にあるピカソ美術館やペイネ美術館などのほかに、港近くのアミラル・ド・グラス通りには器やガラス細工などのアトリエが連なり製作体験もできます。レストランもカジュアルなものからミシュランのひとつ星まで幅があり、予算と用途に合わせて選べます。アンティーブはニースとカンヌの間にあり、途中に立ち寄ることもできますが、可能ならぜひ1泊してほしい場所です。

2位 ヨーロッパで最も透明度が高い湖のある町アヌシー

アヌシー旧市街の町並みとそこを流れる水路
アヌシー旧市街の町並みとそこを流れる水路

湖を存分に楽しめるスイス寄りサヴォワ地方の内陸リゾートがアヌシーです。連なる山々を背景にヨーロッパで最も透明度が高いアヌシー湖が広がります。また湖へ流れ込む川沿いには旧市街が広がり「フランスのヴェニス」に例えられます。水路と路地が入り組む町中散策も楽しめます。

アヌシーを訪れるならぜひ宿泊とセットで。昼間の湖水浴やボート遊び、夕方以降の水辺で飲むカフェ、日が落ちてからの食事、そして翌朝の湖畔散策と、時間帯によって変わる湖と町の様子は旅の良い思い出になるはず。またアヌシーから定期船に乗りアヌシー湖畔にあるタロワールなど小さな村を訪ねてみるのもおすすめです。

チーズを丸ごと使ったラクレット
チーズを丸ごと使ったラクレット

スイスに近いサヴォワ地方の名産品はチーズです。溶かしたチーズをジャガイモなどに絡めて食べるラクレットや、チーズを使ったポテトグラタン風の料理タルティフレット、溶かしたチーズにパンなどを浸して食べるチーズフォンデュもこの地方の名物料理です。昼は思いっきり体を動かして、夜はお腹いっぱい食べてベッドでぐっすり。サヴォワ地方の魅力を楽しみたいです。

1位 南仏プロヴァンスにある絶景の村ゴルドとリュベロン地方

石造りの建物と石畳に囲まれたゴルド村内 ©iStock
石造りの建物と石畳に囲まれたゴルド村内 ©iStock

山と川が織りなす美しい景色のなかに趣の異なる村々が点在し、一度訪れたら虜になってしまうのがリュベロン地方です。そのなかでも山の斜面に石造りの建物が張り付くように連なっているのがゴルド。散策がとても楽しい村です。丘の上には16世紀のルネッサンス時代の城が建ち、起伏ある村内に路地が幾重にもはしっています。

ゴルド村は道路が細く入り組んでいるため、車は侵入できません。レンタカーで訪れた場合は、村外の駐車場に車を停めましょう。山の斜面に張り付く村の全景を写真に撮りたいなら、村の方向とは逆の、谷を挟んで反対側を走る道路へ少し歩くと絶好のビュースポットになっています。

フォンテーヌ・ド・ヴォークリューズを流れるソルグ川
フォンテーヌ・ド・ヴォークリューズを流れるソルグ川

山より渓谷が好きならフォンテーヌ・ド・ヴォークリューズ、水辺の村が好きならリル・シュール・ラ・ソルグ、ラベンダーを見に行きたいならセナンク修道院とリュベロン地方は見どころが点在しています。数泊かけてじっくりと滞在したい地域です。

Gordes(ゴルド)
住所
Gordes 84220
Fontaine-de-Vaucluse(フォンテーヌ・ド・ヴォークリューズ)
住所
Fontaine-de-Vaucluse 84800
L'Isle sur la Sorgue(リル・シュール・ラ・ソルグ)
住所
L'Isle sur la Sorgue 84800
Abbaye Notre-Dame de Sénanque(セナンク修道院)
住所
Abbaye Notre-Dame de Sénanque 84220

筆者

フランス特派員

守隨 亨延

パリ在住ジャーナリスト(フランス外務省発行記者証所持)。渡航経験は欧州を中心に約60カ国800都市です。

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