山梨特派員ローマへ行く~2022秋〈その13〉ナポリ~伝説いろいろサンタ・ルチア周辺

公開日 : 2023年01月28日
最終更新 :
筆者 : 水月

ボンジョルノ~北杜・山梨特派員の水月です。
「山梨特派員ローマへ行く~2022秋」シリーズ第13弾は「ナポリ~伝説いろいろサンタ・ルチア周辺」です。
ローマから南イタリア、カンパニア州のナポリまでは、トレニタリアの超特急フレッチャ・ロッソで約1時間10分ほど。時間にすると、東京から新幹線に乗って静岡辺りまでといったところでしょうか。

ナポリ(Napoli)の語源は「ネアポリス(Neapolis)=新しい都市」で、紀元前にギリシャ人がここに新しく町を作り名づけられたと言われています。その後、ドイツ、フランス、スペインなど入れ替わる支配者の下で都市は王都として発展していきましたが、18世紀にイタリアが統一され、現在の地方都市ナポリとなったそうです。

王宮&プレビシート広場

トップの写真(写真提供:YasuoMaeda)は、ナポリの中心街にある「王宮」です。17世紀、スペイン国王の滞在時の居城として建てられましたが、国王は一度も訪れることができませんでした。今は博物館になっています。

上の写真は、王宮まえに広がる「プレビシート広場」。ローマのパンテオンに似た「サン・フランチェスコ・ディ・パオラ聖堂」があります。式典や祭りなどに使われていたにぎやかな広場です。

さて。この広場には、有名な言い伝えがあります。写真左端と聖堂右に「騎馬像」が見えるでしょうか。
王宮の扉を背にして立ち、目隠ししたまま何回か身体を回転させてから、この2つの騎馬像のあいだを見事通り抜けられたら、どんな願いごとも叶うというものです。
18世紀、女王マルゲリータが月に一度、囚人をひとり王宮の扉を背にして立たせ「目隠しをしたまま2つの騎馬像のあいだを通ることができたら、解放する」という約束をしたという逸話からきているとか。
チャレンジしてみては、いかがでしょう。

ガレリア・ウンベルト1世

こちらは、王宮のほど近くにある「近代ナポリの建築のシンボル」ともいわれる「ガレリア・ウンベルト1世」。ガラスと鉄で造られた高さ58メートルのドーム型天井が特徴的なショッピングアーケードです。ブティック、本屋、カフェ、レストランなどが軒を連ねています。

サンタ・ルチア~卵城

(写真提供:YasuoMaeda)
(写真提供:YasuoMaeda)

「王宮」周辺から海まで500メートルほど。歩いてみましょう。
ナポリの民謡「サンタ・ルチア」は、ここサンタ・ルチア海岸の美しさと舟遊びの楽しさを歌った舟歌。「聖ルチア」という意味で、海や漁師たちを守る守護聖人の名だそうです。今は、高級ホテルやレストランなどが建ち並ぶ、観光客に人気のベイ・エリアとなっています。

(写真提供:YasuoMaeda)
(写真提供:YasuoMaeda)

サンタ・ルチアの海に浮かぶかのような「卵城」は、12世紀に建てられたナポリ最古の城。その名の由来は、城の基礎に”卵”が埋め込まれ「卵が壊れると同時に、街も城も滅びるだろう」と予言されたという伝説からきています。

「ナポリを見て死ね」ゲーテの有名なこのセリフは、この「卵城」最上部から眺めた景色(ナポリ湾&ヴェスヴィオ山)を褒め称えたもの。残念ながら、この日は天候不良で閉鎖していてなかには入れませんでした。訪れた際には、ぜひ”死んでもいい”と思うほどの絶景を堪能してくださいね。

サン・テルモ城

もうひとつ、ナポリ湾&ヴェスヴィオ山を見渡せる展望スポットがあります。「ガレリア・ウンベルト1世」近くからフニコラーレ(ケーブルカー)でヴァメロの丘を登った場所に位置する「サン・テルモ城」です。残念ながら、この日も雨。

(写真提供:YasuoMaeda)
(写真提供:YasuoMaeda)

この風景の向こうに、深く碧い海と広がる青空、かっこいいヴェスヴィオ山が見えるはずだったのですが、トホホ。いつかナポリの絶景を見るその日まで、長生きするほかないようです。

14世紀フランスのアンジュー家が居城するために建てられた古城「サン・テルモ城」は、その後16世紀に、6つの頂点をもつ星形の要塞と変貌を遂げました。どこから敵が攻めてきてもすぐに察知できるよう考えられた設計だといいます。現在、内部は美術館になっています。星形の屋上では、晴れた日には360℃パノラマの景色を楽しめるそうですよ。

スパッカ・ナポリにて
赤唐辛子をモチーフにした人形や雑貨は、ナポリ名物
スパッカ・ナポリにて
赤唐辛子をモチーフにした人形や雑貨は、ナポリ名物

次回は、ナポリの下町「スパッカ・ナポリ」を紹介します。お楽しみに。

筆者

山梨特派員

水月

2000年に山梨県北巨摩郡明野村(現 北杜市明野町)に移住。田舎暮らしを始めました。3人の子育て経験や女性ならではの視点、食いしん坊の資質を生かして、山梨の魅力を発信していきたいと思っています。

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