オーストラリアの気候と季節ごとの服装
2024.5.13
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オーストラリアには現在20ヵ所の世界遺産が登録されています(2024年4月現在)。ただし、オーストラリアは日本の約20倍もの面積があり、世界遺産のうち16ヵ所は貴重な大自然を有する自然遺産と複合遺産であり公共交通機関ではアクセスしにくい(あるいはアクセスできない)場所にあります。つまり、一度の旅でより多くの世界遺産を巡り、その魅力を満喫するには相応の時間が必要になります。今回は、週末と平日を合わせた現地7泊8日の旅行で、オーストラリアでも特に人気のある世界遺産5ヵ所を効率よく楽しめるプランをご紹介します!
まずは飛行機で、日本からの夜便でオーストラリア北東部、熱帯の町ケアンズへ。ケアンズは世界でも珍しい世界自然遺産2ヵ所へのゲートウェイとなる町です。
到着日は、ひとつ目の自然遺産「オーストラリアの湿潤熱帯地域(ウェットトロピックス)」を目指しましょう。まだ地球上に恐竜が生息していた1億数千万年前から繁茂する世界最古の熱帯雨林のひとつで、数多くの固有種を含む貴重な動植物の宝庫です。
日本語ガイド付きツアーがたくさんあるので、参加して巡るのがおすすめ。体力があるのなら、到着日の午前中にゴンドラから世界遺産の森を俯瞰できるスカイレールに乗って熱帯雨林内の小さな村キュランダへ向かい、近くの熱帯雨林テーマパーク、レインフォレステーションで水陸両用車アーミーダックに乗って熱帯雨林散策、先住民文化を体験してランチ。午後から、一帯に生息する動植物をじっくり見学する動物探検ツアーに参加するのがおすすめです。
世界的珍獣である卵を産む哺乳類カモノハシ、岩場に棲む愛らしいロックワラビー、さらに森の人気者ポッサムやバンディクートなどに出合える可能性が大。もちろん世界遺産の森のすばらしさも、日本語ガイドの説明で存分に満喫できます。
なお、体力に自信がなかったら、午前か午後のどちらかのツアーにだけ参加するのもいいでしょう。
ふたつ目の世界遺産は「グレートバリアリーフ」。オーストラリア北東岸に2300km以上にわたり広がる世界最大の珊瑚礁地帯です。その総面積は、日本の総面積をわずかに小さくしたほど。ケアンズはその北部への玄関口で、日帰りでグレートバリアリーフの海を楽しむクルーズが数多く出ています。
もっとも気軽にグレートバリアリーフが楽しめるのが、グレートバリアリーフの内陸寄りにある小島、グリーン島を訪れること。珊瑚のかけらが堆積してできたコーラルケイと呼ばれる島で、歩いて一周40分ほど。リゾート施設やアクティビティ施設も充実しています。透明度が高い島の周りのラグーンで、スノーケリングやダイビング、ヘルメットダイビング、グラスボトムボート乗船などを楽しむことができます。
さらに本格的にグレートバリアリーフを満喫したい場合は、ミコマスケイやフランクランド諸島といった1日の訪問人数に制限を設けている無人島へ行くクルーズや、珊瑚礁のまっただ中に据えられた巨大浮桟橋(ポントゥーン)へ向かい美しい珊瑚礁の世界を楽しめるクルーズ、さらに上級スノーケラー&ダイバー向けのクルーズまで、いろいろな選択肢があります。
オーストラリア大陸のど真ん中にある世界最大級の一枚岩「ウルル(エアーズロック)」。ケアンズからウルルまでのカンタス航空の直行便も、一時は運休していましたが復活し、旅のプランも組みやすくなっています。ケアンズからの便が到着するのは昼過ぎ、そしてウルルからシドニーへのフライトが出発するのも昼過ぎになります。正味丸2日で世界複合遺産「ウルル-カタジュタ国立公園」を巡ります。
ウルル観光の拠点となるのはエアーズロック・リゾートという町のようなエリア。ウルル-カタジュタ国立公園内には宿泊できないので、観光客はすべてこのリゾートに滞在することになります。リゾート内にはショッピングセンターやホテルが集まっており、また無料のリゾートシャトルが巡回していて便利。リゾートからウルルやウルル-カタジュタ国立公園は20km以上離れているので、滞在中はここを拠点にツアーを申し込んで観光するのが一般的です。
初日の午後は、ウルル麓の見どころを巡るベースツアーとウルルのサンセット見学を組み合わせたツアーに参加。ベースツアーでは、ウルルにまつわる先住民の伝説について解説を聞きながら、その痕跡が残る場所を巡ります。また、スパークリングワインとカナッペを楽しみながら、夕陽に照らされ赤く染まっていくウルルの絶景を満喫。サンセット後のバーベキューディナーはオプションですが、これも絶対に体験してみたいところ。食後には、天の川はもちろん、南十字星、大小マゼラン雲など南半球ならではの夜空の絶景は言葉では言い表せないほどです(時期によって見られる星が変わってきます)。
2日目は、早起きしてウルルのサンライズを堪能。サンセットとはまた違う荘厳な景観が目の前に広がります。その後、ウルルと並んで世界遺産に登録されている「巨岩群カタジュタ(オルガ岩群)」へ向かい、巨岩が作り出す峡谷をハイキング。午後少し休憩を取って夕方からぜひ参加したいのが、2023年から始まったインスタレーションショー「ウィンジリウィル」。ウルルをバックに、1000機以上のドローンと大地に設置された光源、そしてサウンドでこの地の先住民に伝わる伝説を紹介するショーで、これを見るならピクニックディナー付きのパッケージがおすすめです。
3日目の未明は、ウルルをバックに5万個以上のライトを使った光のアート「フィールド・オブ・ライト」を見学し、そのまま夜明けを待ち、前日とは別角度でウルルのサンライズを迎えましょう。その後ホテルでゆっくりして、次の目的地シドニーへ飛行機で向かいます。
オーストラリアの東海岸に沿って連なる大分水嶺。シドニーの西、その分水嶺の一角を占めるのが世界自然遺産「グレーター・ブルーマウンテンズ地域」。大分水嶺の渓谷一帯を埋め尽くすユーカリの葉に含まれる油分が大気中に揮発して太陽光に照らされると、まるで青いフィルターがかかったようになることから、この名が付いたといわれています。
グレーター・ブルーマウンテンズ地域へ行くには、シドニーからは日帰りでツアーに参加するのがおすすめ。日本語ガイド付きのツアーもいくつかあります。
渓谷内にいくつもある絶景ポイントを巡ったり、森と渓谷を楽しむための施設シーニックワールドで世界最大級の斜度52度を降りるトロッコや床の一部が透明になるゴンドラに乗ったり……運がよければさまざまな鳥の声をまねるコトドリにも出合えたりします。
シドニー中心部ではふたつの世界文化遺産を見ることができます。
まず訪れたいのが、シドニーのシンボル的存在「シドニー・オペラハウス」。世界遺産登録基準10のなかでたったひとつ、「人類の創造的資質を示す傑作」を満たすということで登録されたほど、そのデザインは世界に類を見ない独創性があります。シドニー湾に突き出した場所に、疾走するヨットの帆をイメージしたというユニークな姿で建っています。オペラハウスでは、日本語ガイド付きで館内を巡るツアーが催行されているのでぜひ参加しましょう。
もうひとつがオーストラリアの囚人史跡群のひとつ「ハイドパーク・バラックス」。オーストラリア囚人史跡群は、英国がオーストラリアを囚人植民地として開拓した当時の重要な史跡をまとめたもので、オーストラリア各地に構成史跡が点在しています。なかでもハイドパーク・バラックスは、オーストラリア最初の英国植民地シドニーにある貴重な建築物で、内部は当時の囚人たちがどのように過ごしていたかを示す博物館になっています。
広大なオーストラリアで、主要な世界遺産を7泊8日で効率よく巡るモデルコースをご紹介しました。今回ピックアップした場所以外にも、オーストラリアには魅力ある文化施設や美しい公園がたくさんあります。気になるスポットとスケジュールをうまく組み合わせて旅行プランをつくってみてください。
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世界遺産のグレートバリアリーフやウルルなどの大自然、コアラやカンガルーとの出会い、ヨーロッパ風の町並みを大満喫。大自然・アクティビティ・歴史・カルチャーから、グルメ・ショッピングなど最新街歩きまで、これ一冊でオーストラリア全部の今がすべてわかります!
TEXT&PHOTO:伊藤伸平
監修:地球の歩き方