A31 地球の歩き方 ロシア ベラルーシ ウクライナ モルドヴァ コーカサスの国々 2020~2021
ガイドブック ガイドブック ヨーロッパ
2020.07.15 発売
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旅行・観光の基本情報
ジョージアの歩き方
ジョージアは東ヨーロッパと西アジアの境界に位置する小さな国だが、その魅力は計り知れない。雄大なコーカサス山脈から肥沃なワイン産地、歴史を感じる都市トビリシまで、多様な景観と文化が広がる。古代からシルクロードの交差点として栄えたこの国は、独自の歴史と文化を持ちながらも常に異文化と交流を続けてきた。その結果、ジョージアには豊かな料理や多様な宗教的・建築的遺産などが共存している。ジョージア人は「客人は神からの贈り物」と考え、訪れる者をあたたかく迎え入れてくれる。自然愛好者、歴史探求者、食通、そしてワイン愛好者にとって、この国は必ず訪れるべき場所だ。日常の喧騒から離れ、心地よいペースで旅を楽しみながら、ジョージアの魅力に浸ることができるだろう。
コーカサス山脈の美しさを満喫し、古代からの伝統を守り続ける村々を訪れることは、ジョージア旅行のハイライトのひとつ。特にウシュグリやカズベギといった山岳地域は、壮大な景色と静けさが魅力的だ。ここでは、雪に覆われた山々や緑豊かな谷を背景に、古代の塔や石造りの教会が点在する景観を楽しめる。ハイキング好きには、スヴァネティ地方のルートが特におすすめ。中心となる町メスティアは標高1500mを超える高地にあり、周辺の山々には長短難易さまざまなトレッキングコースが設定されている。
ジョージアは、美食の楽園としても名高い。スパイスとハーブが絶妙に調和した料理は日本人にも食べやすく、風味豊かで一度食べたら忘れられない味だ。特におすすめは、シュクメルリ(にんにくと鶏肉のシチュー)やハチャプリ(チーズ入りのパン)、ヒンカリ(大きな小籠包)といった伝統料理。また、トビリシやバトゥミのレストランでは、現代的なアレンジを加えたジョージア料理も楽しめる。
ジョージアは、世界最古のワイン生産地のひとつとして知られ、8000年以上続く伝統が今も息づいている。カヘティ地方は、特にワイン愛好者にとって必見のエリア。伝統的なクヴェヴリという大きな土器を使ったワイン製造法は、ユネスコ無形文化遺産にも登録されている。ワイナリー巡りでは、地元のワインをテイスティングし、古代からの技術と知識が今も大切にされていることを実感できる。また、地元の家族経営のワイナリーでのあたたかいホスピタリティも見逃せない。
ジョージアの首都トビリシは、歴史的建造物と現代アートが共存する魅力的な都市。旧市街を歩けば中世の要塞や教会、オリエンタルな影響を受けた建物が立ち並ぶ。町のシンボルともいえる「ジョージアの母像」や、丘の上から町を見下ろす「メテヒ教会」からは、市内を一望する絶景も楽しめる。また近年はモダンなカフェやギャラリーも増えており、アートやカルチャー好きにはたまらないエリアだ。
ジョージアには温泉地も多く存在する。トビリシにも温泉街があり、地元の人々が古くから親しんできた硫黄温泉で心と体をリフレッシュさせることができる。また、サメグレロ・ゼモ・スヴァネティ地方では、温泉の後に地元産のワインを楽しむのが定番だ。雄大な自然の中で、ジョージアの豊かな資源を満喫し、心身ともにリラックスした時間を過ごしてみてはどうだろうか。
ジョージア
約6万9700平方キロメートル
約370万人
トビリシ
キリスト教が多い(ジョージア正教)。
公用語はジョージア語。
2024年9月現在、地域によってレベル1~3の危険情報が発出されている。
日本からジョージアへの直行便は現在運航されておらず、通常は乗り継ぎが必要だ。主要な経由地としては、ドバイ、イスタンブール、ドーハなどが一般的で、経由地を含めたフライト時間は約14〜17時間程度。乗り継ぎの場所や待ち時間によって所要時間が変動するため、フライトの選択には十分注意したい。
西部は比較的温暖、東部は大陸性気候に近くなるため冬はかなり寒い。
日本との時差は5時間で、日本時間から5時間引けばよい。つまり日本の正午が、ジョージアではAM7:00となる。サマータイムは実施していない。
キリスト教に関わる祝日が多く、年によって異なる移動祝祭日(※印)に注意。
そのままの飲料水は飲用に適さない。市販のミネラルウォーターが推奨される。
首都トビリシをはじめ、全国的に治安は安定している。ただ、ロシアが支援する自称独立国「南オセチア」と「アブハジア」への渡航については、政府の認める正規の入域ポイントを通過しない立入りを法律で禁止しており、違反者は刑法犯として処罰される。最新の治安状況は外務省の海外安全ホームページなどで確認。