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Hola! 山梨特派員の水月です。
2023年秋、9月半ばから10月半ばにかけて、スペインを旅してきました。
そんな情報をお届けする「山梨特派員スペインへ行く」シリーズ第13弾は、「マドリードで行きたい美術館・博物館」です。
トップの写真は、「ソローリャ美術館」の庭園です。
ソローリャ美術館は、スペイン外光派の画家ホアキン・ソローリャ(1863年ー1923年)の絵画を、生前住んでいた家に展示している小さな美術館です。
「外光派」とは、スケッチから完成画まで屋外で描き、風景画だけでなく人物画においても、自然の光や空気感を重視し描いたフランスの近代画の一派だそうです。
マネ、モネなどが代表としてあげられ、「印象派」とも重なる部分があるといいます。
ソローリャは、スペインでは「光の画家」「光のマエストロ」と呼ばれているんですよ。
バレンシアで生まれ育った彼は、故郷の海辺の絵も数多く遺していて、『バレンシアの漁婦 Pescadoras Valencianas』など、海辺にしてはやわらかな光が人物を優しく包み込むような温かみのある絵が多いといわれています。
個人的な感想をいえば、何枚かのポートレートに惹きつけられました。みな笑顔ではないけれど、悲しそうな表情というわけでもなく、瞳の輝きの強さに圧倒されました。
19世紀に建てられた邸宅やアトリエも、絵画とともにぜひ観ていただきたいです。
噴水のある緑あふれる庭園にはベンチもあり、マドリードの町中にいることを忘れてしまいそうになるほど、ゆったりと休憩できます。
ティッセン・ボルネミッサ美術館は、ティッセン・ボルネミッサ男爵が親子2代にわたり収集した膨大なコレクションが公開されている美術館です。
地上階には、ピカソ、ミロ、ダリなど19世紀~20世紀のモダンアート。
1階には、17世紀オランダ絵画から、セザンヌ、ルノアール、ゴッホなどの印象派まで。
2階には、中世から18世紀までのイタリア、スペイン、フランス絵画など。
なにしろ広く、美術品の数も多く、見応えがあります。一度ですべて観て歩くのは難しいと感じたほどでした。
ホームページやガイドブックなどを参考に、観たい絵画などリストアップしていくのもいいと思います。
わたしは、ゴッホの『オーヴェルの風景”Les Vessenots"en Auvers』をじっくり観てきました。
ピカソの『鏡を持つアルルカン』、ドガの『緑の服の踊り子』、ルノアールの『庭で日傘をさす女性』、エル・グレコの『受胎告知』なども展示されています。
国立考古学博物館 は、スペインの歴史、文化を知ることのできる博物館です。
40以上の部屋に、スペインで出土した19世紀までの遺物が展示されています。
こちらも、じっくり観てまわったら丸1日かかってしまいそうなほど展示物の数が多く、見どころ満載でした。
なかでも、ひときわ目を惹くのが『エルチェの貴婦人』です。イベリア人特有の衣装や髪飾り、イヤリング、ネックレスで飾られ、鮮やかな色が塗られていたこと、紀元前5世紀のものであることなどが推測されています。
紀元前に、こんなに精巧な彫刻が造られていたことに、とても驚きました。
また建物の外、入口近くには、石器時代の壁画で有名な「アルタミラ洞窟」を再現してあり、岩肌に描かれた野牛や馬などを観ることができます。
そのほかマドリードには、3万点以上の美術コレクションを所蔵する「プラド美術館」やピカソの『ゲルニカ』を観ることができる「ソフィア王妃芸術センター」などがあります。
せっかくマドリードに来たのなら、ぜひとも美術館や博物館に足を運んでいただきたいです。
☆「山梨特派員スペインへ行く~2023年秋」シリーズ、バックナンバーはこちら。
第1回 「マドリードの歩き方」
第2回 「スペインで最も美しい広場~サラマンカ『マヨール広場』」
第3回 「バルでタパスを楽しむ」
第4回 「サン・セバスティアンを見渡す丘モンテ・イゲルド」
第5回 「サッカー観戦~ラ・リーガ・エスパニョーラ」
第6回 「世界で最も美しい広場~セビージャ『スペイン広場』」
第8回 「アンダルシアの白い村~フリヒリアナ」
第9回 「アンダルシアの白い村~パンパネイラ・カピレイラ」
第10回 「スペインならではのお酒を楽しむ」
第11回 「ネルハ~地中海を見渡す『ヨーロッパのバルコニー』」
第12回 「断崖絶壁の町『ロンダ』」