土偶に会いたい！〈その11〉原始・古代ロマン体験館～明神原の土偶＆中道の香炉形土器「三十三番土偶札所巡り」

こんにちは～山梨特派員の水月です。
「土偶に会いたい！」シリーズ〈その11〉は、長野県小県郡長和町の「原始・古代ロマン体験館」です。ここでも、2体の土偶が待っていてくれました。

トップの写真は、縄文時代中期（約5000年前）千曲川源流域の拠点的な遺跡である「中道遺跡」で出土した「中道の香炉形土器」です。
左右に描かれている顔は、母親が両腕に子供を抱いている姿であり、また、香炉として母親の胎内に火を灯すというかたちで使われていたことから、子孫繁栄を祈り作られたと考えられているそうです。

特別に、後ろ姿を見せてもらいました。
穏やかな顔立ちの前面に比べ、蛇やイノシシが描かれた背面には、力強さを感じられます。

蛇は、強い生命力を持ち、命を蘇らせるかのように脱皮を繰り返します。イノシシは、大切な食料の糧であるとともに子をたくさん産む動物。それらが描かれているところにも、命をつないでいくことへの祈りを感じ取れますね。

「中道の香炉形土器」の御朱印は、27番。必見の土偶です。

こちらは「明神原遺跡」から出土した「明神原の土偶」。小さな土偶の顔の部分です。
頭の後ろに穴が3つ空いているのが、鏡で見えるようになっていました。羽根など、なにかを挿して飾っていたのではないかと考えられているそうです。

「明神原の土偶」の御朱印は、26番です。

「原始・古代ロマン体験館」では、土器作り体験ができます。

また、ここ長和町には黒曜石原産地である鷹山（たかやま）があり、発掘調査・研究を続けている「黒曜石体験ミュージアム」があります。縄文時代の人々の暮らしと深いつながりを持っていた黒曜石。ぜひ併せてお楽しみください。

「中道の香炉形土器」は、穏やかで優しいお母さんらしい顔をしていますね。「明神原の土偶」は、なにを飾り、どんな祈りを聞いていたのでしょう。
土器や土偶、黒曜石などをじっくりと見つめて、縄文時代を生きた人々の祈りや暮らしに思いを馳せてみませんか。

■原始・古代ロマン体験館
・開館時間：　9：00～17：00
・閉館日：　月曜日（祝日の場合は翌日）年末年始（12月29日～1月3日）
・入館料：　一般（高校生以上）200円　小・中学生 100円　
・縄文土器づくり体験：　1,000円（入館料含む・送料別途）事前に電話してください
・住所：　〒386-0601　長野県小県郡長和町大門1518
・電話：　0268-68-4339
・FAX：　0268-68-4343

☆「土偶に会いたい！」シリーズバックナンバーはこちら☆

〈その1〉【土偶に会いたい！八ヶ岳山麓で"縄文"の御朱印を集めよう～「三十三番土偶札所巡り」】

〈その2〉【土偶に会いたい！〈その2〉南アルプスふるさと文化伝承館～ラヴィ＆ピース「三十三番土偶札所巡り」】

〈その3〉【土偶に会いたい！〈その３〉藤村記念館～２つの顔を持つ土器「三十三番土偶札所巡り」】

〈その4〉【土偶に会いたい！〈その４〉北杜市考古資料館～ちびーなす＆石堂地母神「三十三番土偶札所巡り」】

〈その5〉【土偶に会いたい！〈その5〉春日居郷土館～みさかっぱ＆やっほー「三十三番土偶札所巡り」】

〈その6〉【土偶に会いたい！〈その6〉釈迦堂遺跡博物館～しゃかちゃん＆しゃっこちゃん＆出産土偶「三十三番土偶札所巡り」】

〈その7〉【土偶に会いたい！〈その７〉井戸尻考古館～始祖女神像＆巳を戴く神子「三十三番土偶札所巡り」】

〈その8〉【土偶に会いたい！〈その８〉八ヶ岳美術館～火の女神フゥーちゃん＆恩膳さんころん「三十三番土偶札所巡り」】

〈その9〉【土偶に会いたい！〈その９〉川上村文化センター～仮面装飾香炉形土器＆大深山遺跡出土顔面把手「三十三番土偶札所巡り」】

〈その10〉【土偶に会いたい！〈その１０〉山梨県立考古博物館～いっちゃん＆のんさん「三十三番土偶札所巡り」】